高卒認定試験、過去問から見る「科学と人間生活」の傾向と対策(1)

理科の選択科目のひとつである「科学と人間生活」。物理、化学、生物、地学の4分野からまんべんなく出題されるため、勉強法に悩む人も多いようです。(1)では、過去問題を解説しながら、「科学と人間生活」の中から「物理」「科学」の重要ポイントや勉強法について説明していきます。

高卒認定試験、過去問から見る「科学と人間生活」の傾向と対策(1)

「科学と人間生活」の問題構成と出題範囲

 

科目数を減らすなら「科学と人間生活」を選ぶのがオススメ

高卒認定試験の理科は選択制になっており、「科学と人間生活」は受験科目数を左右する重要科目となっています。ここで、理科の選択科目について整理してみましょう。

「科学と人間生活」を選択する場合 「科学と人間生活」を選択しない場合
物理基礎
化学基礎
生物基礎
地学基礎
この中から1科目を選択
(合計科目)
物理基礎
科学基礎
生物基礎
地学基礎
この中から3科目を選択
(合計科目)

「科学と人間生活」を選択する場合は残りの4教科から1科目を、選択しない場合は残りの4教科から3科目を選択しなければなりません。後者の場合、受験科目が1教科増えますから、ここは「科学と人間生活」を選んだ方が得策と言えるでしょう。

 

問題構成には大きな変化はなし

「科学と人間生活」は、大問1と2、3と4、5と6、7と8のそれぞれから1題ずつを選んで解答していく選択問題となっています。小問数は20問で、ここ数年、問題構成にも大きな変動は見られません。今後もしばらくは同じパターンで出題されると見ていいでしょう。問題構成と配点は以下の通りです。

大問1または2 【物理】光や熱の科学 5問(合計25点)
大問3または4 【化学】物質の科学 5問(合計25点)
大問5または6 【生物】生命の科学 5問(合計25点)
大問7または8 【地学】宇宙や地球の科学 5問(合計25点)

 

目指すは8問正解! 教科書レベルの基礎問題が中心

「科学と人間生活」の1問あたりの配点は5点です。8問正解を目指せば、合格ラインの40点を突破することができるでしょう。難易度は教科書の基礎レベル。あまり突っ込んだ内容は見られず、教科書内の重要語句とその意味をしっかりと理解していれば大丈夫。難解な計算問題やひっかけ問題などは出題されません。

 

「科学と人間生活」の出題傾向と対策(大問1~4)

「科学と人間生活」とは、その名の通り「科学」と「人間生活」との関わりについて認識を深め、科学的な見方や考え方を学ぶ教科です。物理、化学、生物、地学をベースに、我々の身近な自然現象や科学技術について出題されます。それぞれの分野で学習した知識を、いかに身のまわりの事象に置き換えて活用できるかどうかがポイントとなってくるでしょう。

 

【1】大問1・2 物理(光や熱の科学)

物理分野で取り上げられるテーマは「光や熱の科学」です。物理と聞くと、計算問題に苦手意識を持っている人も多いかと思いますが、公式さえ覚えておけば解ける容易な問題がほとんどです。それぞれ「光」と「熱」に関する大問の、どちらか一方を選んで解答します。

 

(1)光の性質とその利用

①光の進み方

もっともよく出題されるのが、光の進み方についてです。光の反射や屈折について、基礎的な用語とその意味を押さえておくようにしましょう。

・光の反射

入射角反射角の関係を押さえましょう。

入射角とは…鏡の面に垂直な直線と入射光との角度
反射角とは…鏡の面に垂直な直線と反射光との角度

光が鏡で反射するとき、入射角=反射角となる。

 

上の内容を踏まえ、実際の問題を解いてみましょう。

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

kounin_22_figure-1_3光が鏡の面で反射するとき、入射角と反射角は等しくなりますから、頭の最上部(A)を映す光が反射している位置は、右図のように、鏡の面上のbと、目の高さのdの中点であるcであることがわかります。よって、答えは③のcとなります。

 

・光の屈折

押さえておきたいのは屈折角の性質と、屈折率を求める公式です。

屈折角とは…境界面に垂直な線と屈折光の角度

光が空気から異なる物質に進むとき、入射角>屈折角となる。
光が異なる物質から空気中へ進む時、入射角<屈折角となる。

 

空気中から水へ、水から空気中へ

 

また、 入射角の大きさをA、屈折角の大きさをBとすると、

屈折率=sinA/sinBと表すことができます。この公式も非常に重要ですのできちんと覚えておきましょう。上の内容を踏まえ、実際の問題を解いてみましょう。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

右下図より、光の屈折率は光の進む向きと円の交点P、Qからそれぞれ入射点Oで境界面に対し垂直にひいた線PP´、QQ´を使って求めることができます。

よって、
屈折率と表すことができますね。

入射角=反射角ですから、PP´の長さはaと等しいとわかります。

QQ´=dですから、
答えは③の=a/d
となります。

kounin_22_figure-1_7

②光の分類や性質

光の性質や現象についての問題も多く出題されています。光の三原則や、プリズムを使ったスペクトルの実験分散干渉回折散乱などの光の現象については必ず押さえておきましょう。では、実際の問題を解きながら重要なポイントを押さえていきましょう。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

ここでポイントとなるのが、分散散乱です。分散とは、太陽光をプリズムに通したときに、いろいろな色の光に分かれる現象のことを指して言います。また、そうしてできた光の帯をスペクトルと呼びます。散乱とは、波動または粒子線が凹凸のある面や微粒子に当たり,いろいろな方向へ散らばり広がってゆく現象のことを言います。したがって、答えは①のA…分散、B…スペクトルとなります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

ここでポイントとなるのが、連続スペクトル線スペクトルです。ナトリウム灯のスペクトルは黄色の1本線、水銀灯のスペクトルは数本の線がばらばらに分布して見えます。このようなスペクトルを線スペクトルと呼びます。対して、連続スペクトルは連続した光の帯のことを指します。したがって、正解は②の線スペクトルとなります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

ここで押さえておきたいのが、干渉回折です。干渉とは、2つ以上の波が重なり合って強め合ったり弱め合ったりする現象のこと。回折とは、光などの波や粒子が隙間や障害物の裏側にまわり込む現象のことですから、答えは④のア…回折、イ…波長となります。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

ここで押さえておきたいのが光の三原則です。光の三原則は、赤、緑、青の3色ですね。この三色を同じ割合で重ね合わせると白色光になります。よって答えは③のA…青、B…白となります。

 

③電磁波の利用

電磁波の種類や特徴、日常生活の中での電磁波の利用についての問題もよく見られます。過去問題を見ながら、重要なポイントを押さえていきましょう。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

この問題では、電磁波の性質について問われています。音は波の進行方向と振動方向が同じ縦波ですが、電磁波はその二つの方向が垂直となる横波です。よって答えは②の「電磁波は、音波と同じ縦波である」となります。その他の選択肢は正しい内容ですから、電磁波の性質として押さえておきましょう。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

電磁波は波長によって性質が異なります。波長が長いものから順に、「電波>赤外線>可視光線>紫外線>X線>γ線」となります。この順番は暗記しておきましょう。よって答えは①の「電波>可視光線>X線」となります。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

これは、電磁波の利用に関する問題です。電磁波のうち、非破壊検査などに使われているのはX線やγ線ですから、③の「赤外線には透過作用があり、非破壊検査などに使われている」は誤りであるとわかります。赤外線は、暖房やサーモグラフィー、電気製品のリモコンなどに利用されています。

 

(2)熱の性質とその利用

 

①熱の性質と伝わり方

基本的な熱の性質と伝わり方について押さえておきましょう。熱は、高い温度の物体から低い温度の物体へと移動します。低温側から高温側へ移ることはなく、これを不可逆変化といいます。両者の温度が等しくなり熱の移動が無くなることを熱平衡と呼び、このとき、高温物体が失った熱量と低温物体が得た熱量は等しくなります。これを熱量の保存と言います。

これらを踏まえ、実際の問題を解いてみましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

異なる温度のものが混ざり合い温度が等しくなった状態は熱平衡ですから、答えは③となりますね。なお、吸熱反応とは周りから熱を奪う反応のことで、等温変化とは温度を一定に保ったまま起こる変化のことを指して言います。

 

②熱容量と比熱

物体(物質)の温度を1K上げるのに必要な熱量を、その物体の熱容量といいます。熱容量についての計算問題は出題頻度が高いですから、下の公式はきちんと頭に入れておきましょう。

〔熱容量(J/K)〕=〔比熱(J/(g・K))〕×〔質量(g)〕

これらを踏まえ、実際の問題を解いてみましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは、上の問1に続く問題です。上の公式にあてはめて考えると、

熱容量=4.2(J/(g・K))×50(g)

となりますから、答えは②の210J/gであるとわかります。

 

③エネルギー変換と利用

熱効率についての基礎的な知識や、私たちの生活とエネルギーについての関係について理解を深めておきましょう。特に熱効率の公式はきちんと覚えておく必要があります。では、実際の問題を見ながら、重要なポイントを押さえていきましょう。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

自動車のエンジンや蒸気機関車などのように、燃料を燃焼させ熱エネルギーを仕事に変換する装置を熱機関と言います。よって答えは②となりますね。なお、永久機関とは外部からのエネルギーを必要とせずに仕事をし続ける機関のこと。ジュールの実験とは、熱が仕事と等価であることを明らかにした実験のことです。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

これは、熱効率についての問題です。
熱機関で得られるエネルギーWは、高温熱源から得る熱量をQ、低温熱源へ排出する熱量をQとしたとき、

エネルギーW=Q-Q

とあらわされます。また、熱機関が仕事に変えたエネルギーWの、熱源から受け取った熱量Qに対する熱効率eの公式は、
熱効率e=W/Q1よって、答えは③の、

kounin_22_figure-math05

であるとわかります。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

これは、身のまわりのさまざまな物に関するエネルギー変換の問題です。それぞれの物が最終的にどのような仕事をするかを考えましょう。

アイロン…電気エネルギー⇒熱エネルギー
太陽電池…光エネルギー⇒電気エネルギー
蒸気機関…熱エネルギー⇒力学的エネルギー

などから、答えは④であるとわかりますね。

 

【2】大問3・4 化学(物質の科学)

化学分野で取り上げられるテーマは「物質の科学」です。金属やプラスチック、食品、衣服など、身の回りのさまざまな「物質」に関する問題が出題されます。それぞれ「衣料や繊維」または「食品と栄養素」に関する分野から一題、「プラスチック」または「金属」に関する分野から一題出題されることが多いようです。

 

(1)衣料と繊維について 

①天然繊維の性質や用途

天然繊維には、綿などの植物繊維と、絹や羊毛などの動物繊維があります。それぞれの性質や特徴について、過去問題を解きながら確認していきましょう。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

タンパク質を主成分とするのは絹や羊毛などの動物繊維であり、セルロースを主成分とするのは綿です。よって①と②は誤りですね。レーヨンは木材パルプを原料とした再生繊維ですから、正しい選択肢は④となります。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

絹の性質について問う問題です。絹は手触りの滑らかさや軽さなどから、高級なブラウスやスカーフなどに用いられる代表的な素材ですね。よって、答えは①です。ケラチンを主とするのは羊毛で、表面にうろこ状のキューティクルが見られるのも羊毛の特徴です。絹の成分はタンパク質であるため、酸やアルカリの薬品には弱い性質があります。

 

②化学繊維の性質や用途

再生繊維半合成繊維合成繊維のことを、まとめて化学繊維といいます。ポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨンなどの特徴や用途について押さえましょう。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

合成繊維の原料となる小さな分子はモノマーといいます。モノマーが、結合してできたものをポリマーと呼びますから、①は誤りです。化学繊維は再生繊維・半合成繊維・合成繊維の総称ですから、③も誤り。合成繊維は付加重合の他に、縮合重合がありますから、正しい選択肢は②となります。

 

(2)食品と栄養素について

①栄養素とそのはたらきについて

食品の三大栄養素や五大栄養素、また、それぞれの栄養素の特徴や、化学構造について問われる問題も多く出題されています。以下の太字については重要語句として正しく理解しておきましょう。

炭水化物 デンプンを主成分とし、セルロースやスクロースを含む物質。単糖類二糖類多糖類があり、炭素、水素、酸素の元素からできている。
タンパク質 タンパク質は酵素でアミノ酸に分解されてから体内に吸収され、体内で再びタンパク質へ再合成される。体内で合成されないアミノ酸を必須アミノ酸という。炭素、水素、酸素、窒素などから構成される。
脂質 脂質の代表的なものが油脂である。常温で固体のものを脂肪といい、液体のものを脂肪油という。また、動物油脂が多いものを飽和脂肪酸、植物性油脂が多いものを不飽和脂肪酸と呼ぶ。

 

では、実際の問題を見ながらポイントを押さえましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

三大栄養素は炭水化物、タンパク質、脂肪で、エネルギー源となったり、体をつくる材料となります。五大栄養素はこれにビタミン、ミネラル(無機塩類)を含めたもので、この二つは体の調子や代謝を整えるはたらきがあります。よって、答えは④の組み合わせとなります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

タンパク質についての問題です。植物もタンパク質を合成し種子に蓄えたり、体をつくるのに使用しますから①は誤り。アミノ酸の主な成分元素は炭素、水素、酸素、窒素ですから③も誤りだとわかります。骨は主に、リン酸カルシウムという無機物でつくられています。骨をとりまく膜などはタンパク質で出来ており、人の体において水を除いてもっとも質量の多い成分となります。よって④も誤りですから、答えは②であるとわかります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

デンプンに関する問題もよく出題されるので注意しておきましょう。マルトースは二糖類で、単糖類ではありませんから①は誤りです。炭水化物の主な成分は炭素、水素、酸素ですから②も誤り。デンプン以外ではヨウ素液の反応は起こりませんから③も誤りです。デンプンはだ液に含まれるアミラーゼによりマルトースになり、すい液に含まれるアミラーゼ、小腸のマルターゼによって最終的にグルコーゼとなり吸収されます。よって、正しい選択肢は④となります。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

脂質に関する問題です。上でも述べたように、牛脂などの固体の脂質は脂肪、大豆油などの液体の脂質は脂肪油ですから、答えは③の組み合わせとなります。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

kounin_22_figure-2_9化学構造についての問題も要チェックです。アミノ酸は下図のように、炭素原子に水素原子とカルボキシ基、アミノ基が結びついています。よって、答えは④となります。この「R」の部分に入るものの違いで、アミノ酸の種類が決定します。

 

②酵素のはたらきについて

体内に取り入れた栄養を消化吸収するためには、酵素のはたらきは欠かせません。酵素により、

デンプン ⇒ マルトース ⇒ グルコース
タンパク質 ⇒ ペプトン ⇒ ポリペプチド ⇒ アミノ酸
脂肪 ⇒ 脂肪酸

へと分解されます。この流れはきちんと押さえておきましょう。また、代表的な酵素の名称と役割は暗記しておきましょう。

消化液 酵素 基質 生成物
だ液 アミラーゼ デンプン マルトース
胃液 ペプシン タンパク質 ペプトン
すい液 リパーゼ 脂肪 脂肪酸とモノグリセリド
トリプシン ペプトン ポリペプチド
ペプチダーゼ ポリペプチド アミノ酸
腸液 スクラーゼ スクロール グルコースとフルクトース
ラクターゼ ラクトース グルコースとガラクトース

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

①のペプシンはタンパク質を分解しペプトンへと変える酵素です。酵素がはたらく液性は狭い範囲に決まっているため③も誤り。酵素は高温になると変成し、はたらきを失ってしまいますから④も誤りとなります。よって、②が正解であるとわかりますね。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

消化酵素の名称をきちんと暗記していれば答えられる問題です。カタラーゼは過酸化水素水を酸素と水に分解する酵素ですから、答えは③となります。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

マルトースは、マルターゼのはたらきによって、グルコースへと変化します。よって、正解は①となります。②のペプチターゼはポリペプチドをアミノ酸に分解する酵素です。③のリパーゼは脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解する酵素、④のスクラーゼはスクロースをグルコースとフルクトースに分解する酵素です。

 

③食品添加物の目的と安全性

平成28年度(第一回)には、食品に含まれる添加物についての問題も出題されました。甘味料、発色剤、保存料、酸化防止剤など、代表的な食品添加物については押さえておきましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

乾燥剤は湿気を取り除く役割を持つもので、酸化を防ぐものではありません。よって、誤った選択肢は③となります。

 

(3)プラスチックとその再利用について

①プラスチックの性質について

プラスチックは、石油を原料とした単重体(モノマー)と呼ばれる小さな分子が重合してできた高分子化合物で、これを重合体(ポリマー)といいます。プラスチックには、加熱すると柔らかくなり、冷やすと硬くなる熱可塑性樹脂と、加熱すると硬くなる熱硬化性樹脂とに分けられます。これらの性質を踏まえ、実際の問題を解いてみましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

加熱すると柔らかくなるのが「熱可塑性樹脂」、硬くなるのが「熱硬化性樹脂」ですから①は誤り。プラスチックは主に炭素や水素、酸素からできていて、窒素を含む場合もあります。よって③も誤りです。④の酸やアルカリなどの薬品にもろいという記述も誤りであるため、正しい選択肢は②となります。

 

②プラスチックの主な種類と利用について

プラスチックの種類と特徴、また、それぞれがどんな製品に使われているかも押さえておきましょう。

ポリエチレン(PE)…レジ袋やバケツ、洗面器など
ポリプロピレン(PP)…パンの袋や台所・風呂用品など
ポリスチレン(PS)…パソコンやテレビの本体、食品トレーなど
ポリエチレンテレフタラート(PET)…ペットボトルなど
ポリ塩化ビニル(PVC)…水道管や電線コードの被膜など

これらを踏まえ、実際の問題を解いてみましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

タイヤは天然ゴムやスチレンとブタジエンという有機物がつながった樹脂などから作られています。よって、③が誤りであるとわかります。

 

③プラスチックの再利用について

プラスチックには、様々な再利用法があります。

サーマルリサイクル…燃やした時に発生する熱エネルギーを利用する方法
ケミカルリサイクル…原料の石油に戻して再利用する方法
マテリアルリサイクル…プラスチックを加工して再び利用する方法

これらを踏まえ、実際の問題を解いてみましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

それぞれAはマテリアル、Bはケミカル、Cはサーマルですから、答えは④の組み合わせとなります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

リデュース・リユース・リサイクルの「3R」についての問題です。リユースとは、製品そのままの形や用途で繰り返し使うことですから、答えは①ですね。リデュースとは、必要以上に物を買わないなど、ごみそのものを減らす取り組みのこと。リサイクルは他のものに転用して使うことを言います。

 

(4)金属の性質について

①金属の種類や性質について

アルミニウムなど、身近な金属の種類と性質について押さえておきましょう。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

金属が水中でイオンになる性質のことをイオン化傾向と言います。イオン化傾向の大きいものから順に並べると、

〔K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe(鉄)>Ni>Sn>Pb>H>Cu(銅)>Hg>Ag(銀)>Pt>Au(金)〕となります。よって、答えは③の鉄となります。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

これは、アルミニウムの精錬についての問題です。この方法はホール・エルー法と呼ばれるもので、溶融させた原料を電気分解させることで物資を得るものです。よって答えは③となります。他にも、平成28年第二回の試験では鉄の精錬に関する問題も出題されました。それぞれの精錬方法や化学反応式を押さえておきましょう。

 

②合金の種類や性質について

金属に別の金属などを溶かし合わせた合金についての問題も多く見られます。

青銅(ブロンズ)…銅+錫
黄銅(真鍮)…銅+亜鉛
白銅(貨幣などに用いられる)…銅+ニッケル
ジュラルミン(航空機などに用いられる)…アルミニウム+他

などは押さえておくとよいでしょう。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

日本の硬貨のうち、合金でできていないものは1円玉のみです。よって、答えは①となります。ちなみに、1円玉はアルミニウム、5円玉は黄銅、10円玉は青銅、50円・100円玉は白銅、500円玉はニッケル黄銅でできています。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

合金には防腐、硬度を高める、色や光沢を多様にする、軽量化するといった目的があります。よって、②が誤りであるとわかります。

 

「大問5」以降の「生物」「地学」の解説はこちら

 
 

【参考記事】高卒認定試験の過去問の傾向と対策一覧

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