サポート校とは?学費など、通信制高校との違いを解説
通信制高校について調べていると、「サポート校」という言葉が出てくるかと思います。サポート校って一体何?学校なの?このページでは通信制高校とサポート校の違いを、学費やカリキュラム、スクーリングなど、項目別にチェックしていきます。
目次
サポート校とは
通信制高校に在籍している生徒や、高校に在籍せずに高卒認定試験の合格を目指している人に対して、学習のサポートを行う民間の学校のことをサポート校と呼びます。
つまり、サポート校とは、本来は、通信制高校に通っている人などが一人で勉強を進めているだけでは3年間で卒業していくのが難しいときに、所属している高校とは別に、塾のような形で通うのを想像してもらえると分かりやすいと思います。その名の通り、「通信制高校そのもの」ではなく、その「サポートをする学校」になります。
最近では通信制高校とサポート校が提携しているケースがほとんとで、その場合「通信制高校」と「サポート校」に同時に入学することになります。毎日キャンパスに通って勉強するのはサポート校だった場合でも、実際に高校を卒業するのは「通信制高校」になります。
下記は、主なサポート校が提携している通信制高校です。
サポート校 | 提携している通信制高校 |
おおぞら高等学院 | 屋久島おおぞら高等学校 |
中央高等学院 | 中央国際高等学校 |
トライ式高等学院 | 鹿島学園高等学校 |
日本航空高等学校 | |
高松中央高等学校 | |
青山ビューティ学院高等部 | さくら国際高等学校 |
東京文理学院高等部 | 大智学園高等学校 |
大きな違いは、「サポート校だけでは高校を卒業したことにならない」「通信制高校の勉強のサポートをする塾のような存在である」と思ってもらえれば間違いないでしょう。というのも、通信制高校は基本的に通学せずに自分だけで自宅で学習を進めていくスタイル(=自学自習)がメインなので、どうしても自己管理が難しい面もあるのです。本来、通信制というのは学校の管理によらず、自分のペースで勉強できるのがとっても嬉しいところですよね!でもそれが逆に自分だけではさぼりがちになってしまう、ということもよくあるのです。
では通信制高校(本体)とサポート校の違いを具体的にみていきましょう。
サポート校の学費
通信制高校は、公立から、学校法人が設立している私立、株式会社が設立している私立など様々ありますが、学費は通常の高校とは大きくは変わりません。
サポート校の場合は、「学校」ではないので、塾や予備校のように学費が高いところもあります。通信制高校本体の学費を支払った上で、プラスでサポート校の学費を支払うケースも多いので、経済的な負担には注意したほうが良いかもしれません。だいたい1年間で50〜100万円(入学金込み)、全日制の私立高校と同程度かかるケースが多いようです。その他、ネイルやイラスト、ブログラム、音楽などの専門コースの場合、材料費や機材費などが別途かかる場合があります。
サポート校の授業・カリキュラム
通信制高校では、高校を卒業するためにレポート(課題)を自分でこなしていくのがメインとなります。年に何回かスクーリングといって、必ず出席しなくてはならない授業がありますが、それ以外には基本的には正式な授業は行いません。カリキュラムは、通信制高校単独では高校を卒業するための最低限の科目や内容となっていることが多いです。
サポート校では、自分の所属している通信制高校のレポートを行う際に分からないところを教えてもらいながら個別に勉強を見てもらったりと、高校での勉強の助けになるような授業を受けることができます。その他に応用的な内容の学習や進学のための指導をしたり、また、担任制をしき、授業以外に生活や進路についての相談に乗ってくれたりするところが多くなっています。
朝は少し遅めのスタートで、夕方も早めに授業は終了、週2日などから無理なく通えるようなサポート校が多いです。クラスは少人数制を採用し、不登校を経験した生徒でも安心できるように、小学校・中学校レベルの復習から授業を行なっているところもあります。
サポート校のスクーリング
通信制高校では、高校を卒業するために必須となる条件が「レポート」「スクーリング」「単位認定試験(テスト)」になります。その一つがスクーリングの出席になります。スクーリングとは正式な授業として出席日数が必要になる時間のことです。そのため、月に数日登校して授業を受けるパターンのものや、課外活動のようなもの、合宿型など学校によって形態は違っても、どの高校でも必ずスクーリングは行われます。
サポート校は、先述したとおり「高校」ではありませんが、通信制高校と提携しているケースがほとんどなので、提携している通信制高校で規定されているスクーリングを受けることになります。
サポート校の学校生活のメリット
(1)学校行事やイベントが多く、部活も活発
通信制高校では基本的には部活や修学旅行などの学校行事は自由参加のケースが多いです。しかしか、行事に参加すると単位に認定される場合もあります。とはいえ、一斉にみんなで何かをするというイベントは苦手なタイプの人も多いため、全日制に比べると格段に少ないのが特徴です。
サポート校では勉強だけでなく、部活や修学旅行などのイベントごとも積極的に参加したいという人のために様々な行事を用意している場合もあります。
(2)カウンセリングや不登校への対応が充実
不登校だった生徒が無理なく楽しい学校生活を送れるようなサポートが充実しています。定期的に専門家からのカウンセリングを受けられるところもあり、高校生活を丸ごとサポートしてくれるサポート校もあります。
(3)ネイルやプログラミング、音楽、声優など、多彩なカリキュラムやコース
メイクやネイル、プログラミング、イラスト、音楽、声優といった個性を生かせる科目を選べたり、専門のコースを用意しているサポート校もあります。そのようなコースでは、その道で活躍しているプロから指導を受けられる場合が多くなっています。「学校の勉強は苦手だけど、好きなことなら何時間でも続けられる!」という人や、逆に自分のやりたいことや向いていることがわからない人が、お試しにいろいろなことを体験できる機会を持ちたい人におすすめです。
こちらの記事(専門の資格も取れる!ユニークな授業やコースが特長な通信制高校)でも詳しく解説しています。
サポート校の卒業資格・卒業後の進路
前述したように、サポート校は卒業まで通っても「高校卒業」にはなりません。「中卒」のままになってしまうと、その後の進路も限られてきます。ほとんどのサポート校が通信制高校と連携しており、その高校の卒業資格をえることになります。
通信制高校を卒業すれば「高校卒業」になるので、高卒の求人に応募できたり、専門学校・短大・大学などの入試を受けて進学することもできます。大学進学指導を充実させているサポート校も多くなっています。
まとめ
通信制高校とサポート校は提携していても全く別のものになります。
サポート校は通信制高校に通う生徒の自学自習をサポートするための相棒のような存在。サポート校に助けてもらいながら通信制高校じたいを卒業することで、「高校卒業」ができます。
「通信制高校に所属して自分で勉強を進めていくだけでは、ちょっと不安だな…」
「通信制とはいっても、少しは学校生活も楽しみたい!」
「生活のリズムをつくりたい!」「通う場所が欲しい!」
という場合は、サポート校と提携している通信制高校をおすすめします。