通信制高校にも修学旅行ってあるの? さまざまな年間行事を紹介
通信制高校は基本的には通学しないで良い学校…ということは行事などはないのでしょうか?実は、修学旅行や文化祭などはもちろん、たくさんの行事が用意されているのが通信制高校なのです。今回は通信制高校の年間行事やイベントについて紹介します。
目次
行事やイベントは「特別活動」として単位認定されることも
基本的に通学の必要のない通信制高校では、行事なんてないんじゃないの?と思うかもしれません。でも実は通信制高校にもたくさんのイベントが用意されているのです!
ただ全日制高校と比べ、行事というものの位置づけが違うこともあります。
通信制高校を卒業するためには、「特別活動」と呼ばれる単位を3年間で30単位取得する必要があります。この「特別活動」が入学式や修学旅行などの行事にあてられるていることが多いのです。この場合には参加が必須になります。また、自由参加でも参加した場合には単位に認定できるというシステムの高校も多いです。
「卒業要件」や「特別活動」についてはこちらの記事(通信制高校の授業内容ってどんなもの? ひとりで勉強して3年間で卒業できる?)を参考にしてください。
また、通信制高校では基本的に、全日制高校のように、設定された行事全てに全員が参加するというものではありません。そのため行事の回数自体は多く、個々が行きたいものや行く必要のあるもの(前述の特別活動など)に参加していくという形をとることが多いです。お金や時間的な余裕がなかったり、人と接するのが苦手でも、自分にできる範囲で無理なく高校生活を楽しめるポイントになっています。
不登校だった人が学校にくるきっかけ作りとして、行事を多く行なっているケースもあります。
普段通わないで良い通信制高校だからこそ、通学のきっかけや生活のメリハリを作るための日常的なイベントがあったりします。友達を作る貴重な機会としても、積極的に開かれています。
通信制高校の年間行事・イベントスケジュール
ではここで、ある通信制高校の1年間のスケジュールと、個別に行事やイベントの内容を見てみましょう。
【通信制高校】
4月 入学式/入学ガイダンス/新入生歓迎パーティ
5月 スクーリング
6月 ボウリング大会/英語検定
7月 社会科見学
8月 夏休み
9月 修学旅行/単位認定試験/卒業式
10月 後期入学式/ハロウィンパーティ/英語検定試験
11月 体育祭/文化祭/スクーリング
12月 クリスマスパーティ/冬休み
1月 スクーリング
2月 スキー教室/バレンタインパーティ/単位認定試験
3月 卒業式/春休み
4月 入学式/入学ガイダンス/新入生歓迎パーティ
中学校を卒業したての新入生や、4月のタイミングで入学することにした転入生・編入生はここではじめての登校になります。式の形態でホテルなどにたくさんの人が集まって行う場合と、校舎(教室)ごとにアットホームな雰囲気で行う場合があります。どちらにもそれぞれの良さがありますね。入学後に歓迎パーティをやってくれる高校もあったりします。これがこれから一緒に勉強していく友達や先生と初めて対面する機会になります。
5月 スクーリング
スクーリングは、通信制高校の卒業に必要な3つの柱「レポート提出」「単位認定試験」「スクーリング」のうちの1つになり、必ず参加しなければならないものです。各教科、年に数時間の出席が必須とされています。とはいえ、そのスタイルは学校や校舎によってまちまち。課外授業や校外活動、集中的に行われる特別な講義などの中から自分で選んで出席する高校、出席する日時が決まっている高校、そして年に1、2回の遠方での合宿形式のスクーリングが必須の高校など、その学校によって全く違う形になっています。それぞれ、合う合わないがあるので、まずはいろんな高校のスクーリングのパターンを調べてみましょう。
スクーリングについて詳しくはこちら(通信制高校で必須のスクーリングとは?)
6月 ボウリング大会
全日制高校ではなかなかない「ボウリング大会」。生徒同士の親睦を深めることにもつながりますし、誰にでもやりやすいスポーツということでボウリングを取り入れている通信制高校は多くあります。高校によってはボウリング大会への出席が体育のスクーリングの一部になる場合もあります。
7月 社会科見学
博物館、美術館などでの学習、工場見学や体験授業などの行事はよくあります。この行事への出席が社会のスクーリング出席の一部に認定されることもあります。
8月 夏休み
通信制高校の夏休みは長いです。補習や校舎ごとの行事などがある場合と、全く無くみんな思い思いに長い休みにしかできないことをやったりする場合があります。海外に短期留学に行ったり、インターンシップや短期アルバイトをするといったこともできるので、学校だけでは学べないことが学べるチャンスになります。
大学進学を目指す人のために夏期講習が開かれたり、レポート提出などが遅れがちな生徒に向けた集中指導などを行なう通信制高校もあります。
9月 修学旅行
全日制高校と同じように、通信制高校にも宿泊の修学旅行があります。沖縄や北海道、中には海外など、行き先は多岐に渡っています。全国展開している通信制高校では、校舎によって行き先が違ったり、自分で複数の場所から選択できることもあります。宿泊行事はふだん顔を合わせないクラスメイトと寝食をともにして、一気に仲良くなるチャンスです。もちろん費用的にも時間的にもかかってしまうものなので、自由参加にしている高校も多いです。また、参加した場合に単位の一部として認定してもらえる高校もあります。
10月 後期入学式/英語検定試験
通信制高校では後期からも入学ができる場合が多いので、また新しい仲間が入ってくる時期になります。1年に2回(毎月転入生が入ってくる場合も)も新学年の気分を味わえるのは通信制高校の特徴です。4月入学と同じように、入学ガイダンスや入学パーティも行なわれます。
英語検定(実用英語技能検定)は毎年春と秋の回行われています。中学生から社会人まで多くの人が受けている資格で、全日制高校でも積極的に取得をしています。英検を取得することで、通信制高校の単位に認定してくれる高校もあったり、大学の推薦入試において有利になったりとプラスになることが多くあります。
11月 体育祭・文化祭
体育祭というと暑い中毎日みんなで練習して、ついに本番!というイメージがありますが、通信制高校では毎日みんなが集まるわけではないので、基本的には当日集まって、みんなで楽しくスポーツをやるというイメージのものが多いです。
文化祭も、事前に練習が必要な演劇などよりも、当日集まってできることをやるパターンが多くなっています。教室を模擬店のように飾ってお菓子を作って食べたり、また外部から講師などを呼んで講演会などをやるケースもあります。
中には、お客さんも呼んで本格的に行なっている通信制高校サポート校もあります。
バンタン高等学院、文化祭レポート
体育祭も文化祭も基本は自由参加ですがスクーリングの出席の一部に認定されるという学校が多くなっています。
12月 クリスマスパーティ
全日制高校で言うホームルームの活動のようなイメージで、パーティをしたりするのが通信制高校。その他にもハロウィンやバレンタインなど、教室ごとにアットホームなコミュニケーションをとれる場になります。
1月 スクーリング
年に何回か集中的にスクーリングを行う場合には冬の時期に2回目のスクーリングが設定されていることが多いです。講義などは変わらず、雪の地域ではスキーなどが行われたり、屋内でできる課外活動にシフトされたりもします。
2月 単位認定試験
通信制高校を卒業するのに必須の三本柱「レポート」「単位認定試験」「スクーリング」のうちの1つ。単位を取得するために参加が必須の試験になります。赤点を取らないように、普段のレポートをしっかりと勉強するようにしましょう。
3月 卒業式
無事単位を取得し終えて卒業する時期です。前期・後期制で前期末(9月)にも卒業式がある場合もあります。みんなで卒業をお祝いします。入学式同様、卒業パーティなるものが開催されたりすることもあります。
さくら国際高等学校 東京校2017年度(平成28年度)卒業式
まとめ
ここに紹介している行事やイベントはあくまで一例です。各行事の有無、参加必須かどうかなど高校によって全く違うので、気になるところは入学相談会などで具体的に確認したほうが良いでしょう。
高校のホームページやパンフレットだけでは、校舎ごとに状況が違うこともあり、正確なところは分からないものです。特に、「修学旅行に絶対に行きたい!」「宿泊行事はニガテ」など、こだわりがある人はぜひ入学前に一歩踏み込んで話を聞いてみるのをおすすめします。