センター試験どう変わる?文科省が新テスト実施案を公表

大学入試センター試験に代わって2020年度から始まる新テスト「大学入学共通テスト(仮称)」の最終案が、文部科学省によって公表されました。以前から「センター試験が変わる」と話題になっていましたが、ついに示された実施方針案、気になるその内容は!?

センター試験どう変わる?文科省が新テスト実施案を公表

「教育の2020年問題」に大きな動き!新テストの最終案公表

2014年頃から各方面で話題となってきた「教育の2020年問題」。これは、「2020年から高等学校と大学の教育内容を変えよう!」という国の方針に基づいた様々な教育改変のことで、文部科学省内の中央教育審議会が中心となり推し進めているもの。それに伴い、大学入試験のあり方も大きく変わろうとしています。

そんな中、2017年5月16日、文部科学省がセンター試験に変わる新テストの実施方針案と問題例を公表しました。これまで「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」としてきた名称は、「大学入学共通テスト(仮称)」へと変更。いよいよ3年後へと迫ってきた新テスト「大学入学共通テスト(仮称)」の詳しい内容について見ていきましょう。

関連記事: センター試験がなくなる?「教育の2020年問題」とは?

2017年12月追記

その後、同年7月により具体的な実施方針が示され、「大学入学共通テスト」と正式に名称が決定しました。11月には現役高校生を対象に、英語を除く5教科11科目の大規模なプレテスト(試行調査)が実施され、12月には問題と採点結果が公表されています。これらの実施方針とプレテストの内容を踏まえ、以下の記事に新たな情報を記載しています。

 

30年ぶりの大改革!新テストは記述式を導入

大学入試制度において、ここまでの大幅な改革は1989年度のセンター試験開始以来、実に約30年ぶり。大きな変化としては、記述式問題の導入が挙げられるでしょう。国語・数学では、従来のマークシート方式に加え、思考力や判断力を問う記述式の問題が導入されます。また、英語はこれまでの「読む・聞く」力に加え、「書く・話す」力も問われる内容へと大きく変わるようです。

(2017年12月追記)
さらに、11月に実施されたプレテストでは、現代社会、物理、化学を除く8科目で問題のページ数が増加。「数学I・A」は、過去3年のセンター試験問題で最も多かった16ページと比べると、なんと2倍の32ページに。問題数自体は増えていないことから、1問あたりの情報量が多くなっていることがわかります。記述式以外の問題でも、思考力や読み解く力が求められる問題が増えていくことが考えられます。

 

国語は最大120字の記述式問題も

国語の記述式問題は、古文・漢文を除く「国語総合」の内容から、80~120字程度の問題を含め3問出題されます。マークシート式問題と記述式問題は大問を分けて出題され、試験時間は100分程度を想定しています。

(2017年12月追記)
受験時間は従来の80分から100分へ変更されることが決定。7月の実施方針では、“特に「論理(情報と情報の関係性)の吟味・構築」や「情報を編集して文章にまとめること」に関わる能力の評価を重視する”とされ、11月のプレテストでは大問1で記述式問題が出題されました。「生徒会規約、会話文、部活終了時刻のデータ、新聞記事」など全5ページ・5種類の文章を読み解き、文章にまとめる問題が出題されました。

 

数学の記述式問題は数学Ⅰから出題

数学の記述式問題は、「数学Ⅰ」の範囲から3問出題。同じ大問の中にマークシート式問題と記述式問題が混在する形式で、数式やグラフ、図表などを記述する問題が出題されます。試験時間は70分程度を想定しています。

(2017年12月追記)
受験時間は従来の60分から70分へ変更されることが決定。7月の実施方針では、 “特に「数学を活用した問題解決に向けて構想・見通しを立てること」に関わる能力の評価を重視する”とされ、11月のプレテストでは、二次関数、三角比、散布図についての記述式問題が出題されました。不等式を用いて事象を説明したり、グラフの読み取り方法を記述するといった内容が見られました。

 

英語は民間試験を利用

「読む・聞く・書く・話す」の4技能を適切に評価するため、英語の試験には文部科学省が認定した民間の検定試験が活用されます。受験生は4月~12月の間に2回まで受験することができ、その結果が大学入試センターへと送付されます。現在の一斉テストは廃止される見通しですが、大きな改変となるため、導入後4年間は従来の試験を続けることも検討されています。

(2017年12月追記)
2023年度までは従来型の試験も続行されることが正式に決定しました。どちらを利用するかは大学側の判断に委ねられており、国立大学では「2023年度までは受験生に双方を課す」という方針を発表しています。現在、大学入試センターでは英語の試験を実施する民間団体の参加申し込みを受け付け中。どの民間試験を採用するかは、来年3月までに決定・公表される見通しです。

 

2024年度からは地歴公民・理科にも記述式を導入

2020年度からの新テストでは国語・数学にのみ導入される記述式問題ですが、2024年度からは地歴公民や理科にも広がる見込みです。

 

まとめ

いよいよ3年後に迫ってきた、「大学入学共通テスト(仮称)」。対象となるのは現在の中学3年生からです。気になる記述式の問題例は、大学入試センターのサイトで見ることが出来ますから、ぜひチェックしてみてください。

 

【参考URL】

大学入試、こう変わる 大改革に高校から不安の声も(朝日新聞デジタル)
国語と数学、記述式3問 大学入試新テスト実施案(日本経済新聞)
「大学入学共通テスト」最終案まとまる 記述式も(NHK NEWS WEB)
大学入試新テスト実施案 英語、全都道府県で複数回(毎日新聞)
モデル問題例等について(独立行政法人大学入試センター)

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