ネットを活用した都立の通信制高校「トライネットスクール」とは?
トライネットスクールとは、引きこもり・不登校などさまざまな理由から学校に通うこができない生徒のために東京都が設置した都立の通信制高校です。学校へ行かずとも、ネットを通じて学習し、高校卒業資格を取ることができます。いったいどんな学校なのでしょうか?
目次
東京都「トライネットスクール」の仕組み
トライネットスクールが生まれた背景
小・中学校で不登校を経験したり、高校を中退してしまった生徒が、新たな目標を見つけ再チャレンジできるよう、東京都が2000年からスタートさせたのが「チャレンジスクール」です。しかし、毎日登校型の定時制高校のため、引きこもりなどで学校に通えない生徒にとっては「通学のハードルが高い」という問題がありました。そこで、すべての生徒の学ぶ機会を適切に確保するため、学校に通わなくても卒業資格を得ることができる通信制の教育システムを取り入れたのが、トライネットスクールなのです。
不登校生のための都立高校「チャレンジスクール」とは?
3つの“ネット”でだれでも・いつでも・どこでも学べる
トライネットスクールは、その言葉通り、3つの“ネット”を柱としています。3つの柱とは、
- 学校に通えない生徒のセーフティ“ネット”
- インター“ネット”を取り入れた教育
- 都立高校の“ネット”ワークを活かした幅広い科目
のこと。またこの「トライ」には、挑戦するという「Try」の意味もかかっています。さらに、コンセプトとして、
- だれでも学べる学校
- いつでもどこでも学べる学校
- 多様な内容を多様な方法で学べる学校
を掲げています。具体的な内容は以下の通り。
だれでも学べる学校
トライネットスクールでは、「不登校だが、学ぶ意欲はある」「働きながら高校卒業資格を取りたい」「高校受験に失敗したけれど、再挑戦したい」「高校を中退したが、改めてやり直したい」など、学ぶ熱意があれば「だれでも学べる学校」を前提としています。
いつでも・どこでも学べる学校
トライネットスクールでは、入学時期にかかわらず自分のペースに合わせた学習計画を立てることが可能です。時間や場所に縛られず自由に学ぶことができるよう、インターネットの活用や、都立高校とのネットワーク構築を積極的に行っています。
多様な内容を多様な方法で学べる学校
個々の生徒の進路希望に対応するため、インターネットを積極的に活用することで、大学進学や資格取得などさまざまなニーズに応じたカリキュラム設定を可能にしています。また、ボランティア活動や福祉活動など、体験学習の内容を含む科目も多く設置されています。
単位制高校だから留年の心配もなし
トライネットスクールは単位制・普通科・3年制の通信制高校です。単位制のため最終学年の修了時に必要な単位を取得していればOK。仮に単位が不足していた場合は、翌年に不足分の単位のみを履修すれば、年度途中であっても学期区切り(2学期制)で卒業することができます。
トライネットスクールの入学試験の内容は?
「だれでも学べる学校」を目的として設置されているため、トライネットスクールでは「基本的には入学希望者をできる限り受け入れる」としています。ただし、簡単な学力試験や面接は実施されるようです。また、全日制・定時制課程で学べない学生のセーフティネットとしての機能を果たすため、転学や編入に関しても柔軟な対応を行っています。
東京都のトライネットスクール一覧
都立砂川高等学校
1979年に東京都立川市に開校した砂川高等学校は、2003年度に全日制の制度を廃止し、2005年度から三部制の定時制・通信制高校として再スタートしました。
通信制過程では自宅での自学自習を基本とし、レポート・スクーリング(前後期それぞれ12回)・試験(前後期1回ずつ)の3つの要素を総合し単位認定が行われます。また、地域住民と生徒との交流の場「砂川カフェ」や、学習支援ボランティアによる学習支援も実施。保健室には養護教諭が常駐し、登校日にはスクールカウンセラーも配置するなど、生徒一人一人の「居場所づくり」に注力しています。
■高校所在地:東京都立川市泉町935番地4
■最寄り駅:多摩モノレール「泉体育館」駅 徒歩3分
トライネットスクールの他にも、東京都内には多くの通信制高校があります。トライネットスクール同様単位制なので、留年がなく、不登校経験者や高校中退者を多く受け入れています。
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