不登校支援にも対応する千葉県の「地域連携アクティブスクール」とは?

2012年(平成24年)から県立学校の改革に取り組んでいる千葉県では、その方針を定めた「県立学校改革推進プラン」および「第1次実施プログラム」「第2次実施プログラム」に基づき、「地域連携アクティブスクール」を設置しています。ここでは「地域連携アクティブスクール」の概要について解説していきます。

不登校支援にも対応する千葉県の「地域連携アクティブスクール」とは?

千葉県の「地域連携アクティブスクール」の仕組み

千葉県の「地域連携アクティブスクール」は、“中学校では十分に力を発揮できなかったが、高校ではがんばりたい”という意志を持った生徒のために設置された新しいスタイルの学校です。企業や大学など、地域の教育力を活用しながら、「学び直し」や「実践的なキャリア教育」を行い、自立した社会人を育てることを目的としています。

「地域連携アクティブスクール」には、以下のような4つの特徴があります。

  1. 人間性を重視し、生徒の意欲や思いをみる、独自の入学者選抜
  2. 「できた」「わかった」と納得するまで面倒を見る、学習指導
  3. 企業や大学をはじめとする地域との様々な連携
  4. 職業観や勤労観を育てる、実践的なキャリア教育

2017年現在、県立泉高校・県立天羽高校・県立船橋古和釜高校・県立流山北高校の県立高校4校に地域連携アクティブスクールを設置。これらの高校では、先生や学習サポートボランティアによる少人数制・習熟度別の授業が行われ、基礎的な学力の向上に力が注がれています。また、職業観や勤労観を養い、コミュニケーション能力を高める、実践的なキャリア教育も積極的に行われています。これらの学校では、キャリア教育支援コーディネーターやスクールソーシャルワーカーなどによるサポートも充実し、不登校や経済的困窮の支援などにも対応しています(クラス編成やカリキュラム、サポート体制などは学校によって異なります)。

 

千葉県の地域連携アクティブスクールの入試内容

これらの「地域連携アクティブスクール」では独自の入学選抜を行っており、一期が「国語・数学・英語3教科」+「作文」+「面接」、二期が「学校独自問題(口頭試験を含む)」+「面接意欲や思いを重視」となっています。

地域連携アクティブスクールび入学選抜試験では、学校や年度によって競争率が1.5〜2.0倍程度になるケースもあります(例:2017年度前期選抜志願者・流山北高等学校の場合…1.6倍など)。自信がない人は、試験も内申書の提出も不要な通信制高校も選択肢に入れても良いかもしれません。通信制高校の多くも単位制なので、留年がなく、不登校経験者や高校中退者を多く受け入れています。

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千葉県の地域連携アクティブスクール一覧

 

県立泉高等学校

1979年に開校。2012年より、県立天羽高校と並んで初の「地域連携アクティブスクール」に指定されています。

学び直しは学校設定科目「ベーシックI」を軸に実施。1年生を対象に国語・数学・英語の3教科が毎週各1時間ずつ、主担任と副担任によるティームティーチングで行われます。また、1・2年生では1クラス20人程度の少人数授業を採用。数学に関しては、あわせて習熟度別授業も展開されています。また、近隣の東京情報大との連携により、同大で教職課程を履修する学生が、ボランティアとして学習サポートにあたっています。

キャリア教育では、対人コミュニケーション能力の養成や就業意識の育成などを目的とした学校設定科目「産業社会と人間」の特別授業やインターンシップなど、実践的な教育も行われています。

■学校所在地:千葉県千葉市若葉区高根町875-1
■最寄り駅:千葉都市モノレール「千城台」駅

 

県立天羽高等学校

1902年(明治35年)に、湊町外10ヶ町村組合立実業補習学校(農学校)として設立。1950年(昭和25年)の旧千葉県立大貫高等学校との合併を機に千葉県立天羽高等学校となりました。現在は全日制・普通科高校で、2012年より、県立泉高校ともに初の「地域連携アクティブスクール」に指定されています。

学び直しは、学校設定科目「ステップアップ」を軸に実施。国語・数学・英語・時事問題の4科目をローテーションで、毎日20分間学習しています。また1年生では細やかな指導を行うため、すべての授業で1クラス20人程度の少人数制またはティームティーチングを実施。課目によって1クラス5〜6人の場合もあるそうです。2年生でも数学・英語で少人数授業が実施されています。このほかにも、学力差が大きくなりがちな数学・英語では習熟度別授業が、それ以外の課目ではティームティーチングが行われる場合があるようです。

コミュニケーション能力を育成するための外部講師による出前授業(年間15回)や、地域の事業所での3日間のインターンシップ(就業体験)など、ユニークで実践的なキャリア教育も特徴です。

■学校所在地:千葉県富津市数馬229
■最寄り駅:JR内房線「上総湊」駅

 

県立船橋古和釜高等学校

1980年創立。県立学校改革推進プラン「第2次実施プログラム」に基づき、2015年より、県立流山北高校とともに地域連携アクティブスクールに指定。

各学年において1クラス30人程度の少人数学習を展開。学校設定科目「キャリアベーシック」を軸に国語・数学・英語の基礎学習をITで実施するとともに、大学生による学習サポートも行われています。漢字検定、数学検定、英語検定、ワープロ検定などの資格取得も積極的にサポートし、進学希望者向けの補習などのサポート体制も整えられています。将来の目標設定のための情報提供やインターンシップ(就業体験)事業、良好な人間関係を築くためのソーシャルスキルトレーニングの体験学習など、キャリア教育も充実しています。

部活動が盛んで、最近では吹奏楽部・書道部・美術部・弓道部などが活躍が目立ちます。

■学校所在地:千葉県船橋市古和釜町586
■最寄り駅:新京成電鉄・東葉高速鉄道「北習志野」駅

 

県立流山北高等学校

1985年開校。開校以来、「特色ある学校づくり」推進指定校(昭和62・63年度)、千葉県「夢を育む教育推進」指定高等学校(平成9年度)、文部科学省「新時代に対応した高等学校教育改革推進事業」研究指定校(平成21・22年度)など、地域と連携した教育活動に取り組み、2015年より地域連携アクティブスクールに指定される。

1・2年生時は、英語・数学での習熟度別授業をはじめ、少人数授業を実施。その他の教科でもティームティーチングなど基礎学力の定着を目指す体制が充実しています。3年生時は希望進路によって、文系・理系の各コースを選択。文系コースでは選択科目が充実し、すべて少人数授業で行われます。また理系コースでは、数学・理科だけでなく、情報教育にも力が注がれています。

千葉県の県立高校では初の開閉式プールなど施設面が充実しているのも魅力です。

■学校所在地:千葉県流山市中野久木7-1
■最寄り駅:東武アーバンパークライン「江戸川台」駅

 

 

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