N高等学校、3年間の実績を発表「1」~数字で見る定量情報編
2016年4月に角川ドワンゴがネットの通信制高校「N高等学校」を開校してから3年。「N高等学校 開校から3年間の実績発表会」が3月27日に行われました。数字によるデータと生徒・保護者の声をもとに、これまでの実績について公開しました。
目次
生徒数・キャンパス数が大幅増加したN高
ネットと通信制高校の制度を活用した「N高等学校(以下、N高)」。歴史ある大手出版社でありニコニコ動画の運営なども手がける「角川ドワンゴ」が、前代未聞の「ネットの学校」を開校するとあって、当時はメディアでも大きく取り上げられました。
あれから3年の月日が経ち、N高は2019年3月27日、「N高等学校 開校から3年間の実績発表会」を実施。学校法人角川ドワンゴ学園評議員であり株式会社ドワンゴの社長である夏野剛氏の進行により、開校から3年間のさまざまな実積を、数値やデータと共に公表しました。このページでは、生徒数や生徒の男女比や居住地、進路決定率など、「数字で見る定量情報」についてレポートしていきます。
生徒数は開校時の5.3倍に!日本有数のマンモス校へと成長
開校時1,482名だった生徒数は2019年1月末時点で約5.3倍の7,875名に増加。2019年度入学の生徒数は4,000名を超える見込みで、これは他の通信制高校を含む日本全国の高校の4月入学者数としては日本一※だそう。2020年度には約1万2,000名まで生徒数が伸びる見込みだといいます。(※N高調べ)
また、通学コースは2019年3月時点で在籍数が792名。2019年4月には新たに約1,000名の新入生が入学する見込みだそうです。通学コースの人数だけでも「マンモス校」と言える規模ですよね。
通学コースでは特別授業も充実しており、
・40mP ・伊東歌詞太郎 ・松本梨香 ・スマイリーキクチ
・鈴木寛 ・中室牧子 ・中村伊知哉 ・田原総一朗
などの豪華講師陣を迎えた授業も積極的に行なっています。
現在は東京、名古屋、大阪、福岡など全国8カ所にキャンパスを開設中ですが、2019年4月には新たに5キャンパスを開設。今後もキャンパスは増やしていく姿勢とのことです。
在校生の男女比・年齢構成・居住地
N高には一体どんな人たちが通っているのでしょうか。
男女比や年齢構成は以下の通り。
男女比はほぼ5:5と、全日制高校と変わりません。注目すべきは年齢構成。全日制高校と同様の15-18歳が92%を占めていますが、数は少ないながら、30~50代の方も見られ、最高齢はなんと88歳だそう。
次に居住地分布です。グラフでは関東がおよそ半数を占めていますが、これは「他の通信制高校でもだいたい同じような結果になる」(夏野氏)とのことでした。
卒業率は96.7%、進路決定率は81.8%
今回の発表では3つの観点から「卒業率」を算出。まず、一期生として初年度に入学し、2019年3月に卒業した生徒の割合は74.0%。次に、他の高校に転校したり海外へ留学するなど、自分の意思で退学・転学した生徒を除いた場合の卒業率は84.3%でした。最後に、1、2年次に必要単位を取得し、3年次を迎えた生徒の卒業率を見てみると、なんと96.7%。いずれも、通信制高校の中では高い数値であるといえるのではないでしょうか。
次に、進路決定率を見てみましょう。N高の進路決定率は81.8%。下のグラフを見ていただくとわかる通り、全日制高校と他の通信制高校のちょうど間くらいの数値です。さらに、入学時アンケートで「不登校」と回答した生徒の進路決定率は77.1%でした。今現在、不登校で悩んでいる人にとってはとても心強い数値なのではないでしょうか。
次に、大学合格実績を見てみましょう。慶應義塾大学や早稲田大学などの有名私立のほか、海外の大学へ進学する生徒も見られるのが特徴です。
フィギュアスケートの紀平梨花さんほか、今後の日本を担うスター高校生が在籍
最近では、「四大陸フィギュアスケート選手権大会2019」で優勝したフィギュアスケーターの紀平梨花さんがN高生であることがメディアでも多く取り上げられました。
ほかにも、N高には“スタープレイヤー”がたくさんいます。
- 第18回アジア競技大会ジャカルタ・パレンバンeスポーツ「ウイニングイレブン2018」金メダル 相原翼さん・「第30回国際情報オリンピック」銅メダル 清水郁実さん
- 囲碁 第21期・第22期ドコモ杯「女流棋聖」獲得 上野愛咲美さん
- 囲碁 第43期「新人王」獲得 広瀬優一さん
- 第87回 全日本フィギュアスケートジュニア選手権大会3位 川畑和愛さん
などなど、名前を挙げれば枚挙にいとまがありません。
「大学に進学するというのが一般的な高校生の進路ですが、すでに進む道が決まっている人にとって、N高はひとつの大きな選択肢になっている」と夏野氏。「目標が見つかっている人でも、もちろんまだ見つかっていない人でも、このN高というプラットフォームを使って自分の人生を決めていってほしい。それがまさに我々の意図しているところ」と語りました。
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