「生徒の特性に合わせた授業を」翔洋学園高等学校・千葉学習センターの取組み

茨城県日立に本校を持つ通信制高校・翔洋学園高等学校では、学習センターごとに特徴ある取組みを行なっています。千葉駅から徒歩7分にある千葉学習センターの特徴を、センター長である大橋先生にお伺いしました。

「生徒の特性に合わせた授業を」翔洋学園高等学校・千葉学習センターの取組み

2017年度からスタートした農業体験の取組み

── 先日、千葉学習センターの農業体験の校外学習を取材させていただきまして。農業体験のカリキュラムはいつから行なわれているのでしょうか。

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大橋先生(以下、大橋)

千葉学習センターでは今年、2017年に初めて取り組んでみました。農業体験自体は、茨城県の下館学習センターなどでは以前からやっています。

通信制高校では、卒業の単位を取るために、スクーリングだったり特別活動だったり、必要な時間だけ学習活動に参加しないといけないんですけど、それだけだとどうしても、単位を取るために時間数を消化して、ただ参加するだけ、という「作業」になりがちだったんです。
校外学習にしても、どこかに行って、その場所で興味・関心を持って、ましてそこで人と関わるっていうことまでたどり着かずに、ただ必要な時間数を消化しに行って帰ってくるっていうことになりがちでした。

でも、せっかくだったら、そういう機会を通して人と関わり合って、新しい価値観や生き方に触れられたらなと思って始めました。

農業体験がやりたかったというより、年間を通して継続できる活動をやりたい、というのがもともとのスタートなんです。

農業の場合は、最初に田んぼに苗を植えて、収穫して、最後に食べる、という段階を体験できるので。今回農業体験にご協力いただいた、NPO法人「土気NGO」さんはファーマーズマーケットもやられているので、そこで生徒に販売まで体験させたかったんですけどカリキュラムの時間の都合で、そこまではできませんでした。
定期的・継続的に何か一つのことに取り組んでいくということをやりたくて始めたというのがきっかけです。

 

── なるほど。今年が初めてということなんですけれど、効果や生徒さんからの評判はいかがでしょうか。

大橋:そうですね。普段できない体験ができたという意味では、それなりに面白かったと感じてくれたようです。あとは、そこで何を感じて受け取るかは本人たち次第なので、一概に効果があったかどうかはまだ分からないですけど、受け取ったものをいつか自分自身の生活に活かすことができたら、成功だったと言えるんじゃないかなと思っています。

翔洋学園には、親や学校の先生たちから「こういうふうにしないといけない」と言われてきたことができなくて、立ち止まってしまったという生徒もいます。農業体験を通じて、「農作業」をするだけでなく、いろんな人がいて、いろんな暮らしがあることを知ってもらって、いろんな価値観があるという事を感じてもらえたらいいなと思っています。そうすることで、コミュニケーションが取れるようになるっていうのは、一つの目指したいことでもあったので、人付き合いが得意でない生徒が、「土気NGO」の方を「クマさん」と愛称で呼んでコミュニケーションを取れていたのは良かったのかな、と思います。

 

生徒の個性に合わせてホームルーム(クラス分け)を行なう

── 農業体験の他にも、校外学習はいろいろやられていますね。

大橋:はい。頻度としては、今ホームルームをクラスごとに月に1回やっています。3クラスあるので、月に1回といっても3日間開催してますが、そのホームルームのうち2つは校内学習、もしくは校外学習をやるようにはしているので、大体月に2回ぐらいは、コンスタントにやっています。

翔洋学園の場合、校外学習で地域の美術館や博物館に行って地域の歴史を学んだりとか、学習センターごとに独自の取り組みを行っています。
あと、千葉学習センターならではの取組みとして、学年ではなく生徒のタイプに分けてクラスを作っています。

 

── 学年も関係なくですか? それは変わってますね。

大橋:はい。1年生がまずやるべきこととか、進路のこととかを考えると学年で分けるのが普通ですし、学校としてもその方がラクなんです。だけど、おとなしい生徒もいれば、元気の良すぎる生徒もいる。その中で、学年というくくりで固められることで、そこから外れてしまう生徒も出てきてしまうと思うんですね。学年制、学級制っていう制度になじめなくて、通信制高校に入学してきているのに、またそういう大人の価値観でカテゴライズするのは意味がないかなと思ってまして。

また、もともと学校に通うのが得意でない生徒が多いので、せっかく登校する日には時間を有効活用できるように、簡単に説明すると以下のように構成しています。

1限目 2限目
A ホームルーム 校外学習(自由参加)
B ホームルーム 校内学習(自由参加)
C ホームルーム  ホームルーム

どうせ学校に行くのであれば友だちも作りたい・楽しくやりたいという生徒はA。
Bの校内学習は、外部の講師を呼んで、カチッと真面目にやることが多いので、学校に行く機会にしっかり学びたいっていう人に向け。Cは学校との関わりを最低限にしておきたい、という社会人の人に向いています。

このクラス分けも固定ではなくて、学習の内容によって今回はA、次回はBに参加、ということもできるようにしています。

 

── 生徒の個性を見極めないといけないので、手間がかかりますよね。

大橋:手間はかかります。でも、そもそも通信制高校ですから個別対応は必要なことだと思うんです。
やっぱり全日制高校のような、クラスで一斉に受ける授業だけだと、ついていけない、目が届かない、そんなアプローチが通用しない生徒たちがいるので。個別対応がむしろ基本にならざるをえないんですよね。生徒ひとり一人が、いやすい環境をつくるために学校が存在しているということを目指しています。
全日制高校と比べると大変に見えるかもしれませんけど、通信制高校としては、それが当たり前かなとは思っています。

だから、一斉にやったときに、伝えきれていないものは、そもそも後でフォローする手段は用意しておかなきゃいけないと思っています。

 

── 体育のスクーリングもいろいろな種類をやられてますよね?

大橋:そうです。運動をやりたくない生徒はジョギングとストレッチです。からだを動かしたい生徒は球技やストリートダンスを千葉学習センターでは用意しています。

 

── そういうフォローというか、手厚いなと思いました。だって球技とか、嫌な子は本当に嫌ですもんね。運動が苦手なことで自信を失くしてしまったりとか。

大橋:そうですね。せっかくの機会なので、いろんな種類があったほうが、対応できる生徒の幅も広くなります。今年初めてフットサルもやったんですけど、サッカーを経験していた子は張り切って参加してくれました。機会さえあれば生徒たちのいろんな面が見られるかなと。なので、なるべく多様なことをやろうと思っています。

他人と関わりたくない生徒も多いですけど、何か機会があれば楽しみたいと心の中では思っている生徒もいますし。卒業式に、もうちょっと思い出を作れば良かったって言ってくる子もいますから。

 

── 本当ですよね。大人になってから後悔するよって思いますよね。

大橋:そうですね。最初は面倒くさいとか、一人でいたいと言ってはいても、こういうスタイルで学校が始まると、じゃ、Bクラス所属だけど今日はAに行くとか、AだけどちょっとBのほうも参加してみようかなとか、そういう行き来は自由にしています。

(インタビュー後編)多様に生徒に生きる場を提供する翔洋学園高等学校の学び

 

「翔洋学園高等学校」とは

翔洋学園高等学校の特徴は、好きな時に学校に通い、友達と遊んだり、先生と語りあったり、アルバイトをしたり、自由に過ごせるところです。生徒たちが自分を知り、好きなところや良いところを伸ばし、未来への夢や目標を見つけそれを実現する力「明日力」を身に付けられるよう、サポートしています。

スクーリングは宿泊型ではなく、日立本校または各学習センター近くのスクーリング会場で年間60時間程度参加します。

翔洋学園高等学校について詳しくはこちら

 

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