ちゃんと卒業できる?卒業率の高い通信制高校を紹介

通信制高校を検討する際によく聞かれるのが「通信制は卒業率が低いって聞くけど…」「自分でもちゃんと卒業できるかな…」という不安や疑問。ここでは、通信制高校は卒業するのが難しいと言われる理由を探るとともに、卒業率の高い通信制高校を紹介していきます。

ちゃんと卒業できる?卒業率の高い通信制高校を紹介

通信制高校は卒業するのが難しい?

全日制高校に比べ、通信制高校は卒業率が低いと言われています。実際のところはどうなのでしょうか。文部科学省のデータを元に、実際の退学率・卒業率を算出してみました。

通信制高校の退学率ってどのくらい?

まず、高等学校全体(全日制・定時制・通信制の合計)の中途退学者数と退学率は、文部科学省の平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると下図の通り。グラフは右肩下がりで、退学率は年々減少していることがわかります。最新データである、平成27年度の中途退学者数の割合は全体のわずか1.4%。これは非常に低い水準といえるでしょう。

高等学校全体の中途退学者数及び中途退学率の推移
高等学校全体の中途退学者数及び中途退学率の推移

しかし、通信制高校に限ってみると、状況は少し異なります。政府統計による「学校基本調査」によれば、通信制高校の平成28年度の在籍生徒数は18万1,031人。それに対し、退学者数は1万3,092人でした。つまり、退学者数の割合は総生徒数の7.23%。その年の入学者数が6万5,611人ですから、入学者数の約2割にあたる人数が、同年度内に退学していることがわかります。平成27年度も同じような数値でした。

在籍生徒数(人) 入学者数(人) 退学者数(人) 在籍生徒数に占める退学者数の割合
H27 180,393 63,836 12,954 7.18%
H28 181,031 65,611 13,092 7.23%

(平成27年度・28年度「学校基本調査」データより算出)

 

公立の方が、私立よりも退学率が高い傾向に

通信制高校の退学率は、公立と私立でも異なります。同調査によれば、平成28年度の退学率は公立が8.83%、私立が6.38%。入学者数との対比を見ても、公立の退学者数の割合の高さが目立ちますね。

H28 在籍生徒数(人) 入学者数(人) 退学者数(人) 在籍生徒数に占める退学者数の割合
公立 62,783 13,867 5,546 8.83%
私立 118,248 51,744 7,546 6.38%

(平成28年度「学校基本調査」データより算出)

さらに、同調査のデータを用いて卒業率を計算してみました。結果は、私立が83.18%となり、公立は60.49%にとどまりました。ちなみに、この傾向は平成28年度に限ったものではありません。その背景には、公立と私立でのサポート体制の違いがあると考えられます。「どうしても通信制高校を卒業したい!」と考える人は、公立よりも私立を選ぶ方が得策といえるかもしれません。

H28 入学者数(人) 卒業者数(人) 入学者数に占める卒業者数の割合
公立 13,867 8,388 60.49%
私立 51,744 43,041 83.18%

(平成28年度「学校基本調査」データより算出)

※卒業率は、平成28年度の卒業者数を同年度の入学者数で割ったものです。正確な数値ではありませんので、おおよその目安としてください。

 

通信制高校の卒業が難しいと言われる3つの理由

 

通信制高校を卒業するのに必要な条件とは?

さて、通信制高校を卒業するには、以下の3つの条件をクリアしなくてはなりません。

 

学校に3年以上在籍する

通信制高校を卒業するには、全日制高校と同様に、その学校に3年間在籍している必要があります。どんなに短期間で必要単位を取得することができても、「単位を取ったから1年で卒業!」というわけにはいかないのです。

74単位以上を修得する

卒業するには、必修科目を含む計74単位を卒業までに修得しなくはなりません。単位は、「レポート提出」「スクーリングへの出席」「単位認定試験」により認定されます。なお、文部科学省によると必修科目は「国語、地理歴史、公民、数学、理科、保健体育、芸術、家庭、外国語、情報」と定められており、履修する科目によって単位数が決まっています。

特別活動に30単位以上参加する

特別活動とは、ホームルームや修学旅行、遠足、文化祭など、勉強以外の学校活動のこと。これは、毎日登校する必要のない通信制高校ならではの条件といえるでしょう。特に、登校日が年に数日のみという場合は、行事などに積極的に参加して単位を稼ぐ必要があります。特別活動の内容は学校によって異なりますから、入学前にチェックしておきましょう。

 

これだけを見ていると、通信制高校を卒業するのはそんなに難しいことのようには思えませんね。では、なぜ「通信制は卒業が難しい」と言われているのでしょうか?

 

卒業が難しいと言われる3つの理由

 【理由その1】自分一人で勉強を進めなくてはならない

最も大きな要因と言われているのが通信制ならではの「自宅学習」にあります。自宅にはテレビやゲーム、ネットなど甘い誘惑がたくさん。そのため、ついつい勉強が後回しになってしまうことも…。自分の好きな時間・場所で勉強できるのは、メリットである反面、デメリットになってしまう場合もあるのです。次第にレポート提出が追い付かなくなり、そのままドロップアウト…といった事態はなんとしても避けたいところですよね。

▼どんな通信制高校を選ぶべき?

卒業率が高い学校は、勉強計画の立て方から卒業後の進路相談まで、サポート体制が整っているところがほとんど。単位取得を手助けしてくれる「サポート校」と提携するところも多く、学校全体で生徒のやる気を後押ししてくれます。公立と私立では、このサポート体制に大きな差があります。「自学自習・自己管理」を基本とする公立に比べ、私立は教師やカウンセラーによるサポートが手厚いのが特長です。

サポート校とは?

 

【理由その2】スクーリングがネックになる場合も

通信制とはいえ、年に何日かは登校して授業や行事に参加しなくてはなりません。しかし、生徒の中には、「人と会いたくない」「大勢の中に入っていくのが不安」という人も多くいます。たった数日とはいえ、このスクーリングがストレスとなり、学校から足が遠のいてしまうケースもあります。

▼どんな通信制高校を選ぶべき?

通信制高校の中には、スクールカウンセラーを常駐させたり、教師自身がカウンセリングの資格を持っていたりと、生徒の心のケアに注力している学校がたくさんあります。一斉授業が難しい生徒には、個別指導やスカイプの授業などで対応してくれる場合もありますから、ストレスを感じたらまずは先生に相談をしてみましょう。インターネットを活用して授業やレポート提出を行うことで、スクーリングの日数をできるだけ抑える工夫をしている高校もあります。

 

【理由その3】留年のない単位制が思わぬ落とし穴に…

通信制高校のほとんどが「単位制」を導入しています。全日制高校は出席日数や単位数が足りないと留年してしまいますが、単位制の場合は、決められた単位数を最終学年までに取得すれば卒業することができます。一見メリットのように思えますが、このシステムが卒業を阻む要因になっているのも事実。「来年また頑張ればいいや」と考えて、いつまでたっても単位が取れない…という事態に陥りかねません。

「学年制」と「単位制」の違いとは?

▼どんな通信制高校を選ぶべき?

そうならないためには、「1年で〇単位は必ず取る!」といった目標を設定し、勉強計画を立てることが大切です。強い意志をもって勉強を進める自信がない人は、先述の「サポート校」を利用することをオススメします。また、週3日~5日通学しながら学ぶ、登校型の通信制高校を選ぶのもいいでしょう。同じ目標を持った仲間が身近にいれば、やる気もおのずと出てくるものです。

 

卒業率が高い通信制高校一覧

 

ルネサンス高等学校

ルネサンス高等学校の卒業率は97%!その秘密はインターネットを積極的に活用した「ネット学習」にあります。タブレット・スマホ・PCで好きな時間に学習でき、レポートもネットで提出OKというのは嬉しいですよね。スクーリングは年3日のみなので「人とあまり関わりたくない」という人でも安心。さらに担任制をとることで、生徒一人一人を徹底サポート。メールやLINE、チャットなどを利用し、学習、進路、人間関係などの相談にも応じています。

 

飛鳥未来高等学校

飛鳥未来高等学校授業時間帯であれば、いつ登校しても、いつ帰ってもOKという自由な校風が人気の飛鳥未来高等学校。「できるだけたくさん登校したい」「毎日登校したい」、という人のために「3DAYSコース」や「5DAYSコース」も設置しています。進路・就職サポートシステムも充実しており、AO入試や推薦入試のバックアップ体制も万全。飛鳥未来の姉妹専門学校(医療・福祉系、スポーツ系、美容系、ブライダル系、保育系、調理製菓・カフェ系)に優先的に進学できるのも強みで、進路決定率88.5%という高い数字を誇っています。

 

興学社高等学院

高卒資格取得率100%という驚異の数字を誇るのが興学社高等学院です。大きな特徴のひとつが、「自由選択授業」。80種類以上ある授業の中からどの科目を選択するかは生徒の自由!ゲーム作成やネイルアート、ヨガ、心理学など、自分が興味のある事を学べるため、「学校に通いたい!」という意欲が生まれます。また、クラスが固定でないため、人間関係に捉われず、気軽に通えるというのもメリットです。授業開始は朝10時というのも嬉しいポイント。不登校で昼夜逆転の生活になってしまったという人でも無理なく通うことができますね。

星槎国際高等学校

卒業率は毎年90%以上進学希望者決定率も平均90%という星槎国際高等学校。週2日の登校を基本としながら、個々に合わせた登校スタイルを選ぶことができます。生徒一人一人に合わせた習熟度別授業を導入し、レポートの内容も個人のレベルに合わせた作りになっているのが特長。そのため「授業についていけないから学校に行きたくない」「難しいからやる気がなくなった」といったことがなく、無理なく卒業することができます。また、企業インターンシップも積極的に行い、進路指導の手厚さにも定評があります。

 

まとめ

確かに通信制高校は卒業率が低いと言われています。しかし、卒業する条件自体は厳しいものではありません。大切なのは、自分の弱点と向き合うこと。「自学自習を続ける自信がない」「嫌なことを先延ばしにしてしまいがち」という人は毎日登校型の通信制高校を選ぶ方がいいですし、逆に「人と関わるのに不安がある」という人はスクーリングが少ない通信制高校を選ぶのがオススメです。自分の性格に合った通信制高校を選ぶことが出来れば、高校卒業もぐっと近づきますよ!

 

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