高校の「学年制」と「単位制」の違いとは?

高校には「学年制」と「単位制」の2種類があります。最近では全日制・通信制問わず「単位制」の高校が増加傾向にありますが、「単位制」とはどのような制度なのでしょうか。ここでは「学年制」と「単位制」の違いを解説します。

高校の「学年制」と「単位制」の違いとは?

「学年制」と「単位制」、それぞれの特徴

高校には「学年制」の学校と「単位制」の学校があります。
それぞれの違いを説明する前に、高校を卒業するために必要な条件の一つである「単位」について説明しましょう。

高校を卒業するためには、「単位」というものを取得しなければなりません。単位は、授業を受けた時間のことです。高校を卒業するためには3年以上高校に在籍して決められた単位を取得する必要があります。

「学年制」と「単位制」は、この単位の取得ペースの違いです。

「学年制」の場合、1学年で取得しなければならない単位の数が決まっています。もし決められた数の単位を修得しなければ留年して、その学年で取得すべき数の単位を取得しなければ次の学年に進級できません。

一方「単位制」は、1学年で取得しなければならない単位の数が決まっていません。3年間で決められた単位を取得すれば卒業することができます。1学年で取得しなければならない単位の数が決まっていないので、基本的に単位が取得できなくても留年はありません。ただし、3年間在籍しても卒業に必要な数の単位を取得できなかった場合は、卒業できなくなります。

単位制と学年制の違い

 

「単位制」高校のメリット

単位制の高校には、単位制ならではのメリットがあります。
前の項目でも説明した通り、単位制の高校には留年がありません。また、転校した場合は、前の学校で取得した単位を引き継ぐことができます。そのため学年制の高校に比べて、他の学校への転入・編入がしやすいというメリットがあります。

 

単位制高校は、15年前より3倍以上増えている

近年、単位制の高校は増加傾向にあります。平成24年度には960校でしたが平成25年度には974校になっており、平成11年度から見ると3倍以上に増えています。

もともと単位制は、昭和63年に定時制や通信制といった学習スタイルに合わせて作られ、通信制高校のほとんどが単位制を採用しています。しかし、平成5年からは全日制の高校にも広がっており、年々その数は増えてきています。全日制高校の中には、普通科だけでなく工業などの専門科や総合学科にも単位制は導入されています。

下記では、首都圏と大阪にある公立の全日制高校で単位制を導入しているところを一覧で紹介しています。

単位制高校一覧(東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪)
東京都 普通科 美原高等学校
新宿高等学校
芦花高等学校
大泉桜高等学校
飛鳥高等学校
板橋有徳高等学校
忍岡高等学校
墨田川高等学校
翔陽高等学校
上水高等学校
国分寺高等学校
工業科 六郷工科高等学校
家庭科 忍岡高等学校
芸術科 総合芸術高等学校
総合学科 つばさ総合高等学校
世田谷総合高等学校
杉並総合高等学校
王子総合高等学校
晴海総合高等学校
葛飾総合高等学校
町田総合高等学校
青梅総合高等学校
東久留米総合高等学校
若葉総合高等学校
神奈川県 普通科 神奈川総合高校
横浜旭陵高校
横浜栄高校
三浦臨海高校
藤沢清流高校
相模原青陵高校
平塚湘風高校
小田原高校
埼玉県 普通科 浦和北高校
千葉県 普通科 県立幕張総合高校
県立佐原白楊高校
市立千葉高校
市立柏高校
市立銚子高校
大阪府 総合学科 府立和泉総合高等学校
普通科 府立市岡高等学校
府立鳳高等学校
府立槻の木高等学校

 

まとめ

「学年制」と「単位制」の違いについて紹介しました。たまたま1科目だけ落第点を取った結果、1年間も留年してしまう学年制に比べて、単位制の方が落第もなく、やり直しがしやすいのが単位制のメリットということですね。

通信制高校の多くは単位制を取り入れていますが、全日制高校でも増えている傾向にあります。受験の際には偏差値や自宅からの距離などだけで、高校を選びがちですが、入学後の学習スタイルが自分に合っているのかどうかもこれからの高校選びのポイントかもしれません。

 

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