受験~入学~卒業まで。大学進学にかかる費用は?

大学進学には何かとお金がかかりますよね。受験料に入学金、授業料、さらに一人暮らしの場合は生活費も。国公立と私立で比べても、その費用は大きく異なります。ここでは、大学受験から進学後の生活まで、「大学にまつわるお金のはなし」について触れていきます。

受験~入学~卒業まで。大学進学にかかる費用は?

1.出願から受験までにかかる費用

 

【1】 願書:出願にも費用がかかる。送料も

受験するにあたり、まず必要なのが願書です。センター試験と国立大学の願書は無料ですが、私立大学の場合は基本的に有料(800~1000円ほど)。大学から取り寄せる場合は、さらにこれに送料がかかります。提出する際も郵送となるため、複数の大学を受験する場合は、この郵送費だけでもバカになりません。

節約ポイント

学校や予備校でもらえるかも!
有名大学や地元の大学の願書は、学校や予備校が一括で用意してくれていることも多いようです。その場合は無料でもらうことができますから、先生に訊いてみましょう。

インターネット出願を利用しよう!
最近増えているのがインターネット出願です。ネットを使えば、願書の取り寄せが不要な上、郵送費もゼロ。また、全ての大学ではありませんが、インターネット出願を利用すると受験料が安くなる割引制度があるところも。願書を取り寄せる前に、大学のサイトをチェックしてみましょう。

 

【2】 受験料(入学検定料):私立3校受験で10万円!

次に必要となるのが受験料です。複数の大学を併願する場合、この受験料も大きな出費となります。センター試験、国立大学の二次試験、私立大学の一般入試の平均的な受験料は以下の通り。

  • センター試験
    3教科以上…1万8000円
    2教科以下…1万2000円
    ※成績通知を希望する場合はプラス800円かかります。
  • 国立大学二次試験
    1校につき平均1万7000円(前期・後期とも)
    前後期の出願は同時期に行われます。受験料は返還されませんから、前期で合格した場合、後期の受験料は無駄になってしまう可能性も。
  • 私立大学一般入試
    1校につき平均3万5000円
    ただし、歯学系・医学系の場合は4~6万円かかるケースも。センター試験利用入試の場合は、1万8000円前後が相場と言われています。

 

節約ポイント

受験料の安いセンター試験をうまく活用しよう!
私立大学の場合、一般入試よりもセンター試験利用入試の方が受験料を低く抑えることができます。どちらか選べるようなら、センター試験利用入試がお勧めです。

学内併願で2つ目以降の学部が割引に!
同じ大学の学部や学科を併願することで、2つ目以降の受験料が割引になる「併願割引制度」を設けている大学もあります。

 

【3】 交通費・宿泊費:遠方での受験には必須

受験会場が自宅から近ければ問題ありませんが、そうでない場合は、新幹線や飛行機などの交通費、ホテルの宿泊費が試験ごとにかかります。また、電車で行ける距離であっても、天候などによる遅延を恐れて、試験会場近くのホテルに前泊する学生も多いようです。

節約ポイント

学外試験場が無いかチェックしよう!
大学によっては自校のキャンパス以外に、地方に試験会場を設ける場合もあります。自宅の近くに会場がないか確認してみましょう。

「受験生プラン」など割引プランを早めに予約!
飛行機や新幹線のチケットとホテル宿泊費がセットになった「受験生応援プラン」を積極的に活用しましょう。試験会場までの交通案内や、電気スタンドの貸し出しなど、受験生プランならではのサービスも充実しています。

 

2.大学合格後、入学までにかかるお金

大学合格後、入学までにかかるお金は?

【1】 入学時納入金:最も出費がかさむ

合格がわかったら、まず支払わなければならないのが入学時納入金です。

入学時納入金とは、初年度納付金(入学金+授業料+施設設備費などの諸経費)のうち、入学手続き時に支払う金額のことを指します。一般的に「入学金+前期分の授業料」を納める場合が多く、学部によってはこれに施設設備費などが加わることもあります。指定期日までに納めない場合は合格が無効となってしまうので注意しましょう。
大学種別ごとの初年度納付金の平均額から、入学時納入金を割り出したのが以下の通り。

入学時納入金の目安

国立大学 公立大学 私立大学文系 私立大学理系 私立大学医歯系
入学時納入金 入学金+(年間授業料÷2) 54万9900円 66万6649.5円 64万5640.5円 78万6817.5円 240万6646.5円
入学金 28万2000円 39万7721円 (地域外入学者平均額) 24万2579円 26万2436円 103万8128円
年間授業料 53万5800円 53万7857円 74万6123円 104万8763円 273万7037円
施設設備費が加算される場合も なし(大学によっては徴収される場合もあり) なし(大学によっては徴収される場合もあり) 15万8118円 19万34円 83万1722円

※文部科学省「平成27年度学生納付金調査」、「平成26年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」より
※金額はあくまでも目安です。大学・学部によっても異なりますから、ご注意ください。

 

戻ってこない入学金。併願の場合は注意を!

ここでポイントとなるのが、併願している各大学の入学手続き期限です。すべりどめで合格した大学の入学手続き期限が、本命の大学の合格発表前である場合は、念のため納入金を納めておく必要があります。もちろん、入学を辞退すれば「入学金以外の金額」は返還されますが、返還手続きには3週間ほどかかりますから、他大学の納入金に回すというわけにもいきません。
私立大学では、併願している学生の負担を減らすために、入学手続きを2段階に分けているところも多くあります。その場合は、1次手続きで「入学申込金」(入学金相当額)を納入し、2次手続きで残額を支払います。

 

節約ポイント

大学の合格発表・入学手続きの日にちをチェック!
本命の合格発表日よりも、併願する大学の入学手続き期限が後であれば、無駄な出費は抑えられるわけです。受験する大学を選ぶ際は、合格発表・入学手続きの日にちを必ずチェックしましょう。

 

【2】ひとり暮らしのための物件&生活用品代:焦って決断はNG!

入学手続きが済んだら、自宅外通学の場合は物件探しが始まりますね。しかし、入学が決まってから実際に生活を始めるまでは1~2か月ほどしかありません。あらかじめネットや雑誌で情報を収集し、希望の物件を扱っている不動産屋へと赴くのがベスト。時間の節約にもなります。
想定される費用項目としては

  • 引っ越し代
  • 家賃
  • 敷金礼金
  • 物件を探すための交通費・滞在費
  • 生活用品費(家電や家具、生活雑貨など)

などが挙げられます。

日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」(平成27年度)によると、自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金礼金や生活用品の購入費など)は、学生1人当たり平均45万円ほど。入学時納入金と合わせて考えると、自宅外通学の場合は入学までに少なくとも100万円は見ておく必要がありそうですね。

自宅外通学を始めるための費用

 

節約ポイント

初期費用をなるべく抑えよう
「礼金ゼロ」や、「仲介手数料不要」の物件を選べば、それだけ入居時にかかる初期コストを抑えることができます。家具・家電付きの物件を探してみるのもいいでしょう。

学生寮や学生会館を利用する
マンションやアパートを借りるのに比べ、学生寮や学生会館は家具付き、食事付きのところも多く、初期費用や生活費を抑えられるメリットが。寮長や寮母が常駐するところも多いので、保護者としても安心でしょう。

 

【3】教科書・教材購入費:大学の教科書は高額

「授業料を納めたから…」とつい準備を忘れてしまいがちなのが、教科書やパソコン、電子辞書などの教材購入費です。大学生協調べ「2015年度保護者に聞く新入生調査」によると、入学時にかかる教材購入費の平均額は以下の通りでした。

<入学時の教材購入費>

  • 国公立大学
    自宅外通学…約19万5900円
    自宅通学…約14万8900円
  • 私立大学
    自宅外通学…約17万4200円
    自宅通学…約12万1500円

 

とくに教科書は一冊数千円と高額で、なかには1万円以上するものも。大学や教授が指定するものですから、買わずに済ますというわけにもいきませんよね。学部によっては実験用白衣や体育の実技用品などをそろえる必要がある場合も。教材費として20万円弱は用意しておくと安心でしょう。

 

3.大学入学後、卒業までにかかる費用

 

【1】 授業料:4年間で200〜500万円

在学中の授業料は、前期と後期の2回に分けて納めるのが一般的です。またそれ以外に、施設費、実習費などが必要になる場合もあります。4年間(または6年間)でかかる総額の目安は以下の通りです。

大学卒業までにかかる授業料の目安

国立大学 公立大学 私立大学文系 私立大学理系 私立大学医歯系
214万3200円 215万1428円 361万6964円 495万5188円 2141万2554円
授業料 53万5800円×4年 53万7857円×4年 74万6123円×4年 104万8763円×4年 273万7037円×6年
施設設備費 なし(大学によっては徴収される場合も) なし(大学によっては徴収される場合も) 15万8118円×4年 19万34円×4年 83万1722円×6年

 ※文部科学省「平成27年度学生納付金調査」、「平成26年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」より
※金額はあくまでも目安です。大学・学部によっても異なりますから、ご注意ください。

これらは単純に「授業料×学年数」で算出した金額ですが、大学や学部によっては、学年が上がるにつれ授業料・施設設備費が上がるケースもあるようです。志望する大学の授業料はどうか、確認しておきましょう。

 

【2】 生活費:一人暮らし生は自宅生の2倍の費用

授業料や教材費を節約するのはなかなか難しいもの。だとしたら、見直すべきは生活費です。食費や家賃など、大学生の生活費を見ていきましょう。「第51回学生の消費生活に関する実態調査(2015年)」によると、自宅通学生・自宅外通学生それぞれの1カ月にかかる生活費の内訳は以下の通りでした。

大学生の1カ月の生活費

自宅通学 自宅外通学
収入 小遣い・仕送り 1万5040円 7万1440円
奨学金 1万1470円 2万3270円
アルバイト 3万3960円 2万5320円
定職 240円 230円
その他 1470円 2320円
収入合計 6万2190円 12万2580円
支出 食費 1万2250円 2万4760円
住居費 280円 5万3100円
交通費 9020円 3320円
教養娯楽費 8490円 9240円
書籍費 1680円 1720円
勉学費 1120円 1490円
日常費 4800円 5540円
電話代 2670円 4100円
その他 2410円 2430円
貯金・繰越 1万7190円 1万2500円
支出合計 5万9890円 11万8200円

 

一人暮らしの学生は、自宅から通う学生の2倍の生活費を必要としていることがわかります。差額が大きいのは主に食費、住居費です。一方で、大学の近くに住むことができるため、交通費を低く抑えられるのが自宅外通学の良い点といえるでしょう。自宅外通学生の収入源として、「アルバイト」と同じくらいのウエイトを占めるのが「奨学金」です。奨学金制度は、今や大学生の2人に1人が利用していると言われています。

奨学金制度については「奨学金制度を利用して大学進学を目指そう!」で詳しく解説しています。

 

節約ポイント

自炊&学食でコツコツ節約
コンビニ弁当や外食で済ませていた食事を、自炊や学食に切り替えるだけで出費を大幅に抑えることができます。自動販売機の飲み物は割高!お茶や水はマイボトルで持ち歩くのがオススメです。

バイトはまかない付きを探すべし
まかない付きのアルバイトをすれば、食費削減&収入増と一石二鳥。アルバイトの選び方にも着目してみましょう。

勉強するなら自宅より大学&図書館で
勉強はなるべく大学や図書館で済ませるのがオススメ。エアコンや電気代などの光熱費を節約できますし、集中力もアップしますよ。

「脱コンビニ」で出費を抑える
便利さゆえについつい立ち寄ってしまうコンビニですが、総じて価格は高め。同じものを買うなら、スーパーやドラッグストアまで足をのばしましょう。

 

まとめ

何かとお金がかかる大学生活。「親にはなるべく負担をかけたくない」と悩んでいる学生も多いでしょう。しかし、受験から合格後の生活まで、節約できるポイントはたくさんあります。奨学金制度の利用も検討しながら、賢く楽しくやりくりしていけるといいですね。

 

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