不登校でも海外留学できる？
不登校から立ち直るのに有効なのは、日本国内の学校に通うことだけではありません。海外へ留学するのも一つの方法です。海外へ留学することで様々な経験をすることができるでしょう。ここでは、不登校から留学する際のメリット・デメリットについてお話します。
不登校から留学することのメリット・デメリット
不登校から立ち直るのに有効なのは、日本国内の学校に通うことだけではありません。海外へ留学するというのも一つの方法です。
日本とは全く違う文化を持つ国で暮らすことで、日本国内では得られない貴重な経験をすることができます。また、視野を広げるのにも留学は役に立つと言えるでしょう。世界には、私たちがまだ知らない文化や考え方を持つ人がたくさんいます。その人々が持つ文化や考え方に触れることは、自分の心を豊かにし、視野を広げる手助けをしてくれるはずです。
不登校を経験した、もしくは現在不登校の人の中には「環境を変えたい」という理由で海外へ留学したいと思う人もいるでしょう。
留学することで、確かに自分自身の周りの環境は大きく変わります。留学先の人は、自分を知らない人ばかりのことがほとんどです。しかし、メリットだけではないのが留学です。もちろんデメリットもありますし、注意すべきポイントもあります。
ここでは、留学のメリットとデメリット、注意すべきポイントを簡単にお話しします。
留学の一番のメリットは、なんといっても「これまでの環境をリセットすることができる」点です。
「地元を離れて、新しい気持ちで頑張りたい」
「自分のことを誰も知らない場所で新しく再スタートしたい」
といった人にとって、留学はとてもメリットがあります。
周りは知らない人ばかりなので、一から新しい人間関係を築きたいというひとには最適でしょう。
また、海外で暮らしながら学ぶことで、語学力や国際感覚が身につきます。現代は、とてもグローバルな時代です。様々な文化や考え方を持つ人々が居て、それぞれを認め合いながら暮らしています。海外に留学することで、これからの世界で活躍するためには欠かせない国際感覚を養うことができるのもメリットの一つです。
それだけでなく、海外留学をすることで、自分に自信が持てるようになる人も少なくありません。不登校を経験すると、どうしても自分に自信が持てなくなってしまいます。でも、慣れない海外で生活し、目標を達成することで自分に自信が持てるようになるのです。
自分に自信を持つことは、これからを生きていく上で非常に重要なことです。自分に自信が無いと、些細なことで落ち込んでしまったり、自分で物事を決めることができなかったりします。
しかし、自分に自信があれば、失敗してもそれを受け止めることができます。失敗を成長するための栄養に変えることもできるのです。
自分自身で物事を決めることができるようになるのも、後悔しない生き方をするためには不可欠です。大事な決定を他人任せにするのは、確かに楽です。でも、自分の人生なのですから、大切なことは自分の意思で決めましょう。一人の人間として前を向いて生きていくためには、自分に自信を持つことはとても大切なことなのです。
また、家族の手助けが得られない海外で生活することで、自立する力も育ちます。
一方で、留学することのデメリットもあります。
金銭面や安全面などの不安はもちろんありますが、不登校の人が留学をする上で何よりも気を付けたいことは「慣れない環境に身を置かなければならなくなる」ということです。
慣れない環境に身を置くことで強いストレスを感じることになります。すると、体調を崩してしまったり、さらに自信を失ったりしてしまう人も珍しくないのです。
海外留学の場合、帰国するにもそれなりの金額が必要になりますし、すぐに家族の助けが得られるわけでもありません。体調を崩せば、現地の病院を受診することになります。当然、日本語はほとんど通じないと思って良いでしょう。もし留学先で体調や心の調子を崩した場合、自分で対処することが必要になります。
なので、気持ちが不安定な人や留学に対して少しでも不安がある人は、一度立ち止まってよく考えてみるようにしましょう。
海外で一人暮らしを始めれば、様々な失敗を避けては通れません。それらの失敗に直面しても自信を失わずに居られるか、体調や心の調子は安定しているかなど、留学すると決める前にしっかりチェックしておきましょう。
不登校から海外留学する際に注意すべき点
不登校から海外留学する際に注意すべきことは、体調や心の調子だけではありません。留学先の教育制度についても注意が必要です。
当然ながら、教育制度は国によって異なります。
日本では小学校6年間・中学校3年間の9年間が義務教育です。しかし、国によって教育制度は異なります。義務教育が日本より短い国もあれば長い国もあり、「高等中学校」や「職業訓練学校」といった教育機関が日本の高校に当たる国もあります。高等教育機関に進学する年齢もまちまちです。留学する際は、留学先の学校や学ぶ内容についても事前にしっかり調べておく必要があります。
日本の中学校を卒業した後、海外の高校などに進学することは（仕組み上は）可能です。しかし、海外の高校を卒業しても、日本の高校卒業資格を得ることができない場合があります。そのため、もし留学から帰国後、日本の大学や専門学校への進学を希望する場合は、日本の「高卒認定資格」を取得する必要が出てくることもあるのです。
また、充分な語学力が無いのにいきなり海外留学してしまい、授業についていくことができず途中でリタイアしてしまうケースもあります。およそ2割から3割の人が、授業について行けなくなってリタイアしてしまうと言われています。リタイアするのを防ぐために、まずは現地の語学学校などに通って、充分な語学力を身につけた上で進学するようにしましょう。
もちろん、語学学校に通うとその分の時間とコストがかかります。日本国内の留学エージェントの中には、留学前の語学レッスンを提供しているところや現地での生活をサポートしてくれる留学エージェントもあるので、必要に応じて賢く利用しましょう。
もちろん、日本の高校に籍を置きながら留学するという方法もあります。しかし、全日制高校の場合、留学が長期になると休学扱いになってしまい、進級や卒業に必要な単位が足りず、留年せざるを得なくなることもあります。
通信制高校であれば在学中でも留学しやすい
もし海外留学しながら日本の高校を3年間で卒業したいのであれば、通信制高校に在学しながら留学するという方法もあります。
通信制高校は、「レポート提出」と「スクーリング」さえしっかり行えば、ある程度自由なペースで学ぶことができるので、留学しながらでも3年間で日本の高校を卒業できる可能性が高くなります。当然、日本の高校を卒業しているので、帰国後に日本の大学や専門学校へ進学に当たって「高卒認定資格」を取得する必要はありません。
さらに最近の通信制高校の中にはインターネットが使える環境であれば、世界中どこにいても好きな時に授業が受けられる仕組みを整えている学校もあります。授業を動画で視聴したり、メールやSkypeを使用して先生に質問したり、悩みを相談したりすることもできます。オンラインでレポート提出ができる学校もあるので、通信制高校に在学しながら留学するのであれば、インターネットに対応している学校を選ぶのがおすすめです。
また、通信制高校の中には、留学がカリキュラムに含まれていたり、留学を卒業に必要な単位として認定してくれる学校もあります。そういう通信制高校であれば留学期間中でもきちんと単位を取得することができるので、「単位が足りずに進級・卒業できない」といった心配がありません。
留学エージェントと提携しており、留学前の語学レッスンから帰国後のアフターフォローまできめこまかくサポートしてくれるところもあります。海外の大学や公立職業訓練学校と提携しており、大学付属の語学学校や現地の職業訓練学校で授業を受けられる通信制高校もあります。
もちろん、授業はすべて現地の言葉で行われます。「日本語以外話せないから留学は無理だ……」と思うかもしれませんが、安心してください。提携している語学学校でしっかりと語学レッスンも受けることができる通信制高校がたくさんあります。
それだけでなく、中には海外の大学への進学をサポートしてくれる学校もあるのでチェックしてみましょう。
提携している留学先は学校によって異なりますが、アメリカやカナダ、オーストラリアの留学先が多いようです。それぞれの学校の特徴をよく調べて、在学する通信制高校を選んでみてはいかがでしょうか。
語学・英会話・海外留学に力を入れている通信制高校・サポート校
まとめ
「日本ではどうしても自分らしく過ごせない」
「日本の学校はどうしても合わない」
という人でも、海外の学校なら自分らしく、そして充実した学校生活が遅れる場合も少なくありません。不登校から立ち直るためには、日本の外に目を向けてみるのも一つの方法ではないでしょうか。
若いうちであれば、語学の習得も早いと言われています。海外へ留学することで、日本では経験できない様々なことを経験できるでしょう。自分の新たな一面を発見することもできるかもしれません。
現代のグローバルな社会では、国際感覚を持つ人が求められています。ぜひ、若いうちに海外留学を経験して、グローバルな社会で活躍できる国際人としての土台を作りましょう。
