自動車・バイクについて学べる通信制高校・サポート校
私たちの生活に欠かせない自動車やバイクに関わる仕事がしたいと思っている人もいると思います。自動車やバイクに関わる仕事には専門的な知識や技術が必要なものも多く、専門の資格などが必要です。ここでは、自動車やバイクについて詳しく学ぶことができる通信制高校・サポート校を紹介します。
目次
自動車業界の現状や展望
日本の自動車は、国内だけでなく海外でも高い評価を受けています。
日本の有名な自動車メーカー「トヨタ」は、世界一の販売台数を誇っているのです。また、ホンダとスズキも販売台数ランキングのトップ10に入っています。自動車産業は、日本を代表する産業と言うことができるでしょう。
そんな自動車業界ですが、現在、大きく変わろうとしています。
より環境に優しい燃料を使って走る「電気自動車」や「FCV(新型電池自動車)」など、プリウスに代表されるハイブリッド車の開発に、日本も外国の自動車メーカーにしのぎを削っています。
また、「自動運転技術」などに代表されるIT技術を取り入れ、より運転しやすい、より安全な自動車を作ろうという流れが生まれているのです。GoogleやAppleといった自動車メーカー以外の会社も「自動運転車」の市場に参入を表明しています。
非常に優れた技術と高い安全性能を誇るを持つ日本の自動車メーカーですが、一方で人口減少や若者の自動車離れなどで、日本国内の販売数は減少傾向にあります。今後日本国内の自動車市場は拡大しないと見られていますが、バスやハイブリッド車などの分野だけを見れば、まだまだ市場に伸びがあると言えるでしょう。
自動車業界の仕事とは
自動車業界にはさまざまな仕事があります。ここでは自動車に関わる仕事内容と、必要な資格などを紹介していきます。
自動車整備士
自動車整備士は、自動車を修理・整備する専門家です。自動車整備工場や自動車メーカー、カーディーラーなどで車の整備に当たります。
自動車整備士になるためには、国家資格に合格することが必要です。自動車整備士になるために必要な国家資格にはいくつか種類があり、国家資格を得るためには2年から4年程度の勉強が必要と言われています。
2年制の短大・専門学校を卒業すれば、二級自動車整備士の受験資格が得られます。4年生の専門学校や大学を卒業すれば、一級自動車整備士の受験資格が得られる場合もあります。
試験の合格率は、高いものでは94.1%%、低いもので43.2%と、どの資格を取得するかによって大きく異なります。
自動車整備工場や自動車メーカーに就職する時は、自動車整備士の国家資格は必須ではありません。仕事をしながら勉強し、資格を取得する人も少なくありません。
自動車車体整備士
自動車車体整備士は、事故などで壊れた車を元通りにするのが仕事です。見た目だけでなく、部品の位置や歪み、安全性まで元通りにする高度な技術が求められます。
自動車車体整備士になるには、自動車車体整備士の国家資格に合格する必要があります。
高校卒業後に短大や専門学校、大学といった上級学校に進学して学ぶ人もいれば、就職して仕事をしながら実務経験を積み資格を取る人も少なくありません。
自動車車体整備士の受験資格は
「国土交通省が認定する専門学校・大学で技能検定にかかわる整備士を養成する課程を修了した者」
「国土交通省が認定する専門学校・大学で二級自動車整備士の養成課程を修了し、1年以上の実務経験を積んだ者」
「中学・高校の普通科を卒業し、満15歳になった日から2年以上、自動車整備の実務経験を積んだ者」
のいずれかを満たせば、得ることができます。
試験の合格率は92.2%で、比較的取得しやすい国家資格です。
多くの自動車車体整備士は、自動車整備工場やカーディーラーなどで仕事をしています。
二輪自動車整備士
二輪自動車整備士はバイクの整備をするスペシャリストです。バイクは乗っている人との一体感が求められる乗り物なので、乗る人の体型や癖に合わせた細かな調整やチューニング、パーツの交換や修理といったきめ細かな整備が必要とされます。バイクのチューニングや修理といった整備を一手に引き受けるのが、二輪自動車整備士です。
二輪自動車整備士になるには、二輪自動車整備士の国家資格を取得する必要があります。
高校を卒業した後、大学や専門学校で専門的な知識や技術を学び、二級二輪自動車整備士の資格を取得します。その後、実務経験を積むか、専門の養成課程に進んで一級二輪自動車整備士の資格を目指します。
二級二輪自動車整備士試験の受験資格は
「国土交通省が認定する専門学校・大学で二級自動車整備士の養成課程を修了した者」
「大学等で機械に関する学科等を修了後、三級自動車整備士を取得し、1年6カ月以上の実務経験を積んだ者」
「高校の機械科を卒業し、三級自動車整備士を取得後、2年以上の実務経験を積んだ者」
「高校の普通科を卒業し、三級自動車整備士取得後、3年以上の実務経験を積んだ者」
などです。
試験の合格率は79.7%となっています。
なお、三級自動車整備士試験の受験資格は
「高校の自動車科または、国土交通省が定める一種養成機関の三級自動車整備士養成課程を修了した者」
「高校または大学の機械科卒業者で、6カ月以上の実務経験を積んだ者」
となっており、合格率は84.7%です。
二輪自動車整備士は、整備工場やカーディーラーなどで活躍しています。
レーシングメカニック
カーレースの際、ピットに戻ってきたマシンのメンテナンスを行うのがレーシングメカニックです。短い時間で的確にトラブルの原因を見極め、素早く修理する高い技術が求められます。
レーシングメカニックになるには、高校卒業後、機械工学系の上級学校に進学する必要があります。
レーシングメカニックの資格はありませんが、レーシングメカニックとして活躍するためには自動車整備士の資格を取得しておくと良いでしょう。
多くの人は自動車メーカーに就職して、レーシングメカニックになります。レース中のマシンメンテナンスはチームで行うので、チームワークも求められる職業です。
自動車セールスエンジニア
自動車セールスエンジニアは、自動車に関することならどんなことでも応えてくれる自動車のスペシャリストです。パンフレットを見ただけではわからないことや、修理や整備のアドバイスなどもしてくれます。
自動車セールスエンジニアになるのに、特に資格は必要ありません。
自動車セールスエンジニアになるには、高校卒業後、機械工学などを学ぶ上級学校に進学し専門知識を学び、カーディーラーや自動車メーカーに就職します。または、高校卒業後カーディーラーや自動車メーカーに就職し、現場で専門知識を学ぶという方法もあります。
自動車整備の知識だけでなく、自動車に関するありとあらゆる知識が必要な職業です。
自動車関連の仕事を目指せる通信制高校・サポート校一覧
清和学園高等学校
清和学園高等学校は、全国で唯一通信制の自動車科がある高校です。自動車科の他にも普通科、美容師通信課程、調理科(平成29年新設)が設けられており、自分の目的に合わせた学習を行うことができます。また、資格取得にも力を入れており、在学中にさまざまな資格を取得することができます。
清和学園高等学校の「自動車科」は、危険物取扱者や3級自動車ガソリンエンジン整備士の資格を取得できるのが魅力です。
それだけでなく、3級自動車整備士国家資格の受験資格を実技試験免除で取得することができます。ただし、受験資格を得るためには、週3日以上の登校が必要です。
3級自動車整備士国家資格を受験することで、2級自動車整備士・1級自動車整備士を目指すこともできます。
また、提携している専門学校の授業を受けることで単位を認定してもらうこともできるので、高校に在学しながら専門学校でより専門的な知識を学ぶことができます。
カリキュラムには実習の時間も多くあり、知識だけでなく基礎的な技術も身につけられるのが大きな特徴です。
柏高等技術学園
柏高等技術学園は、バイク・自動車整備の技術を学ぶことができる学校です。柏高等技術学園に入学すると同時に星槎国際高等学校にも籍を置くことになるので、卒業と同時に高校の卒業資格を取得することができます。
校内には実習を行うための設備が整っており、一年次から充実した内容の実習で、現場で役に立つ知識と技術をしっかり学ぶことができるのが特徴です。
約90%の生徒が自動車大学校へと進学しますが、自動車業界への就職にも強く、車体整備士や自動車整備士として多くの卒業生が活躍しています。
国家資格合格率トップクラスの自動車大学校と提携しているため、自動車整備士や車体整備士になるための道がしっかり作られている学校だと言えるでしょう。
もちろん、自動車大学校以外への進学も全力でサポートしてくれます。バイク・車以外の道でも活躍できるように、卒業後10年は学校がサポートしてくれる体制も整っています。
代々木高等学校
代々木高等学校は、日本国内だけでなく海外にもサテライト教室がある通信制高校です。
さまざまなコースがありますが、関東圏に住んでいるのであれば株式会社ウエマツが運営する「バイクメカニック奨学金コース」を受講することができます。
株式会社ウエマツは、バイクの販売・修理・レストアの会社です。
株式会社ウエマツの店舗や工場で就労経験を積むことで、働きながら専門的な知識や技術を身につけることができます。また、勤務開始から一年が経過すれば自動車整備士の受験資格も得られます。
会社からも資格取得のためにさまざまなサポートが提供されており、専門学校に通うことなく自動車整備士の国家資格取得を目指すことができるのが大きなポイントです。
高校卒業資格も得ることができ、その学費は会社が立て替えてくれるので、経済的な負担が軽くて済むのも代々木高等学校の「バイクメカニック奨学金コース」の特徴と言えるでしょう。