不登校に対する公的機関の支援とその利用方法とは?

子どもが不登校になった場合、フリースクールなどの支援機関を利用する人も多いと思います。しかし、支援してくれるのは民間の機関ばかりではありません。公的機関も不登校の人たちへの支援を行なっています。ここでは不登校の支援を行っている公的機関を紹介します。

不登校に対する公的機関の支援とその利用方法とは?

文部科学省が行なっている、不登校への支援

不登校の児童や生徒は、年々増加傾向にあります。その理由もさまざまで、いじめや友人関係、教師とのトラブルなど学校に起因するものだけではありません。親による虐待や学習障害・発達障害など、本人がどうすることもできない理由で不登校になってしまっている人も珍しくないのです。

そんな子どもたちを支援するには、学校だけでなく、家庭や社会全体で取り組む必要があります。不登校に関する相談は、教育委員会が設置する「教育センター」や「教育相談所」、厚生労働省の管轄で各都道府県に設置されている「児童相談所」や「保健所」、「精神保健福祉センター」といった場所でも相談できるので、積極的に活用しましょう。相談は、実際に相談機関に足を運ぶだけでなく、電話でも受け付けているところがあるので、一度調べてみると良いでしょう。

上記のような相談窓口の設置以外にも、文部科学省は不登校の子どもたちのためにさまざまな支援を行っているので、その一部を紹介しましょう。

 

学校へスクールカウンセラーの設置

文部科学省では、「通いやすい学校づくり」の一環として「スクールカウンセラー」を配置しています。スクールカウンセラーは、学校を中心にカウンセリングを行う心の専門家です。学校以外の場所では、フリースクールなどに在籍していることもあります。

スクールカウンセラーの仕事は、子ども達に関する相談を受けることです。たとえば問題行動が続いている子どもや勉強がなかなか上手く進められない子ども、不登校の子どもなど、困っている子ども達やその保護者の相談に乗ってくれます。

スクールカウンセラー専門の資格はありませんが、現在スクールカウンセラーとして活躍している人の8割以上の人は「臨床心理士」の資格を持っています。スクールカウンセラーになるには、カウンセラーや精神科医としての経験を求められることがほとんどだからです。

スクールカウンセラーになるためには豊富な経験が必要なので、まだまだスクールカウンセラーの数は十分とは言えません。

スクールカウンセラーを導入するために、国はその経費を補助したりしており、その効果もあって最近徐々にスクールカウンセラーを配置する学校が増えてきましたが、それでもまだ足りないと言わざるを得ないのです。

そのため、一人のスクールカウンセラーがいくつかの学校を掛け持ちしていることも珍しくありませんので、スクールカウンセラーは学校に常駐しているケースの方が少なくなっています。スクールカウンセラーに相談したいときは、まずスクールカウンセラーが来ている日を確認しましょう。

スクールカウンセラーに相談できるのは、子どもだけではありません。その保護者も相談することができます。

相談内容は、先生に伝えてもらわなくても伝えてもらってもかまいません。スクールカウンセラーは経験豊富な心の専門家なので、気になることがあったら気軽に相談してみましょう。一人で悩みを抱え込むよりも専門家にアドバイスをもらったほうが解決に向かうことも珍しくありません。

もちろん、誰かに話を聞いてもらうことも、気持ちをラクにするためには大切なことです。

スクールカウンセラーへの相談の流れは、学校によって異なります。相談専用の「相談室」があるところもあれば、保健室などで相談する学校などさまざまです。不登校であれば、自宅に訪問してくれるスクールカウンセラーの先生もいるかもしれません。

もし「この人に話を聞いてもらいたいな」と思うスクールカウンセラーの人が居たら、怖がらずに相談してみましょう。

 

教育支援センター(適応指導教室)

文部科学省では、「教育支援センター(適応指導教室)」という場所を開設しています。

「教育支援センター(適応指導教室)」は、約6割の自治体に設置されており、不登校から立ち直り、再び学校に通えるように、学校と連携をしながら個別のカウンセリングなどを行ってくれる場所です。「教育支援センター(適応指導教室)」へ通所すると、その日数が出席日数と見なされることが多く、通学定期も使うことができます。

「教育支援センター(適応指導教室)」では、学校と同じように授業を行います。しかし、学校と違い個別指導をしてくれるところが多くあります。個別指導なので、一人一人のペースに合わせて学習を進めることができるので、学校の勉強についていけない人でも安心して学べるのではないでしょうか。

「教育支援センター(適応指導教室)」を利用する際は、義務教育期間であっても活動費用の負担が発生します。その費用は、小学校で1カ月当たり全国平均505円、中学校で1カ月当たり全国平均533円です。体験入学や事前の相談費用、給食費などは含まれていません。

中卒認定試験の受験資格が拡大もし「教育支援センター(適応指導教室)」に行ってみたいと思ったら、一度学校の先生やスクールカウンセラーに聞いてみましょう。自治体が設置しているかどうかを知るには、教育委員会に問い合わせるのが確実です。

 

スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)

文部科学省では、「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)」という取り組みも行っています。

「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)」では、

  • 不登校になってしまった子どもの早期発見や早期対応
  • ひきこもりがちな不登校の子どもと保護者に向けた訪問指導員の配置
  • スクーリング・サポート・センターの開設

を行っています。

 

中卒認定試験の受験資格拡大

日本では、上級学校に進学するためにはいくつかの条件をクリアする必要があります。

日本の高校に入学するためには

  • 外国で日本の義務教育に相当する9年間の教育を修了していること
  • 文部科学大臣に指定されること
  • それぞれの高校が認めること
  • 文部科学大臣が認定した、外国にある教育施設の課程を修了していること
  • 中卒認定試験に合格していること

のうち1つを満たす必要があります。

不登校のために中学校を卒業できなかった人は、ぜひ中卒認定試験を受けましょう。

不登校になると、学校に通っていないので内申点がもらえず、高校受験に不利になってしまうことがあります。また、私立の中学校の場合、不登校になると退学になってしまい、卒業できないところもあります。

そんな時、中卒認定試験を受けておけば中学校で身につけるべき学力が身についていると客観的に証明できるので、高校受験に有利に働くことがあるのです。

中卒認定試験を受験できる人は次のような人です。

  1. 不登校で卒業できず、そのまま中学3年生として在籍している人(中学3年生の時に受験することができます。)
  2. 不登校で退学した人で、中卒認定試験を受ける年の翌年3月31日までに16歳以上に達している人
  3. 卒業できそうにない中学3年生で、文部科学大臣が「やむを得ない理由がある」と認めた人
  4. 日本国籍を持っていない人で、受験する年の翌年3月31日までに満15歳以上になる人

 

不登校は 3. に該当します。

しかし、“文部科学大臣から「やむを得ない理由がある」と認めてもらう”とありますが、実際に受験できるかどうかを判断するのは、各都道府県の教育委員会です。
そのため、都道府県によって許可が下りない場合もあるので注意が必要です。

学校も、不登校の生徒がいることを教育委員会に知られてしまうのを恐れて、積極的に対応してくれないかもしれません。

多くの場合、不登校で学校にほとんど通えていなくても、中学校を卒業させます。

中卒認定試験は、国家資格です。試験日は毎年11月上旬ごろの平日で、平成27年度は10月28日でした。出願期間は毎年8月下旬から9月上旬です。

受験したい人は、文部科学省か各都道府県の教育委員会で「受験案内」をもらってきましょう。試験はマークシートで行います。

受験科目は国語・数学・理科・社会・英語、それぞれ一定の点数が取れれば合格です。もし5科目のうちいくつかの科目が不合格になってしまっても、試験の合格・不合格は科目ごとに判断されるので、合格した科目をもう一度受験する必要はありません。また、実用英語技能検定や英語検定試験、国際連合公用語英語検定試験を取得している人は、英語の試験が免除になります。

中卒認定試験は無料で受験することができるので、将来高校に進学したいと考えている人は、受験しておくのも良いでしょう。なお、中卒認定試験の過去問題は、文部科学省のホームページで公開されています。

 

いじめ相談ダイヤル

もし、「いじめ」で不登校になっているのであれば、いじめ専門の相談機関があるので、そちらに相談するようにしてください。

文部科学省では、24時間対応の「いじめ相談ダイヤル」を開設しています。法務局や人権擁護局の「子どもの人権110番」、警視庁の「ヤングテレフォンコーナー」などもあるので、自分が相談しやすい場所に相談してみましょう。

 

まとめ

不登校から立ち直るのは簡単なことではありません。
不登校の子ども達のために、さまざまな公的機関の支援があります。家族だけで、あるいは一人で抱え込まず、積極的にサポートを受けましょう。こういった支援機関を積極的に利用して、不登校から立ち直るきっかけをつかんでください。

 

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