就職に有利!「簿記資格」取得におすすめの通信制高校
就職に役立つスキルとして、ビジネス資格の中でも人気が高い「簿記」。有名な資格ですが、「簿記ってそもそも何?」「どんな仕事に役立つの?」と疑問も多いはず。このページでは、簿記資格を取得するメリットと、簿記資格を目指せる通信制高校について紹介しています。
目次
「簿記資格」とはどんな資格?
お金の取引を記録するのが「簿記」
「簿記」とは、お金の流れを正しく管理・把握するために、“帳簿”にお金の取引を“記録”することです。身近なところでは、小遣い帳や家計簿をつけることも、簿記のひとつといえるでしょう。お金の出入りがない会社はありませんから、この簿記はどこの会社でも必ず行われている重要な仕事といえます。ちなみに、会社・企業の帳簿をつけるには、決まったルールや専門用語がたくさんあります。「簿記資格」とは、その人が簿記のルールや用語をどのくらい理解し、正しく活用できるかを証明してくれるものなのです。
簿記資格には「日商簿記」と「全商簿記」がある
ひとくちに簿記資格といっても、実はいろいろな種類があります。代表的なのが「日商簿記」と「全商簿記」の二つです。一体どんな違いがあるのでしょうか。
(1)主催者がちがう
日商簿記の正式名称は「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」。一方で、全商簿記の正式名称は「全国商業高等学校協会主催簿記実務検定」です。つまり、日商簿記は日本商工会議所が主催する社会人や大学生向けの資格、全商簿記は全国商業高等学校協会が主催する、主に商業高校に通う高校生向けの資格といえるでしょう。
(2)難易度がちがう
日商簿記の方が全商簿記に比べて難易度が高いと言われています。「全商簿記は基礎編、日商簿記は応用編」とイメージするとわかりやすいかもしれません。全商簿記の1級は、日商簿記の2級のレベルに相当すると考えていいでしょう。
(3)就職に有利なのは日商簿記
日商簿記と全商簿記では、就職活動の時に企業に与える印象がまったく異なります。全商簿記は「高校生向けの入門編」というイメージが強いため、日商簿記ほど重視されないのが現実です。全商簿記の1級を持っている人はその知識を活かし、就職活動のために日商簿記の2級を目指すことをオススメします。
(4)税理士を目指すなら日商簿記を
大学や短大などに進まずに税理士を目指す場合、税理士試験を受けるには「日商簿記1級資格」を持っている必要があります。税理士という仕事に興味がある人は、日商簿記を受験した方がいいでしょう。
せっかくなら「日商簿記2級」を目指そう!
一見似ている日商簿記と全商簿記ですが、内容は全く異なります。やはり、知名度、社会的評価共に高いのは日商簿記と言えるでしょう。また、一般的に簿記資格は「日商簿記3級」「全商簿記2級」程度から履歴書に書いてよいとされているため、「日商簿記3級」を取得している人が圧倒的に多いと言われています。より就職活動を有利に進めるなら、頑張って「日商簿記2級」を目指してみましょう!
「簿記資格」を取得する3つのメリット
ビジネス資格の中でも高い人気の「簿記」
簿記資格は、平成28年度だけでも全国で約43万人の人が受験しています(実受験者数)。ちなみに、有名どころの「宅建」の同年度の受験者数が約20万人ですから、簿記がいかに人気資格であるかわかるでしょう。先にも述べた通り、会計や経理がない会社は存在しませんから、ニーズの高い資格であることは間違いありません。でも、どうしてそんなに人気があるのでしょうか?簿記資格を取得するメリットを3つ挙げてみました。
【メリット1】就職・転職に有利
簿記と言えば経理や事務…といったイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。経営・営業・企画・人事・総務…あらゆる職種に簿記の知識は役立ちます。簿記資格は、履歴書の資格欄に胸を張って記入できる資格のひとつ。書類選考の段階でまわりに確実に差をつけることができます。
【メリット2】大学入試で有利になることも
全ての大学ではありませんが、簿記の資格を持っていると、大学入試で優遇されるケースがあります。簿記資格の取得が推薦入試の出願条件になっている大学もあり、簿記の資格をAO入試で利用できる大学も年々増加しています。また、センター試験では数学の代わりに簿記を選択することも可能です(ただし、高校で履修した人のみ)。
【メリット3】一度取得すれば更新も必要なしの一生モノ
資格の中には、運転免許のように更新が必要なものも多くあります。しかし、簿記資格は全国どこでも通用し、一度取れば更新手続きなども必要ない一生モノの資格です。また、どんなに時代が変わっても、簿記の知識は古くなったり無駄になったりすることがありません。独立開業や確定申告、家計簿など、自分の生活にも大いに役立てることができるのも、この資格のメリットと言えるでしょう。
「簿記検定」の内容と難易度は?
簿記検定の具体的な内容は?
【日商簿記】
■等級:1級~4級
■試験科目:1級は商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算、2級は商業簿記・工業簿記、3級と4級は商業簿記についての試験が行われます。
■日程:年に3回実施(2月・6月・11月)
■合格基準:各級7割以上
【全商簿記】
■等級:1級~3級
■試験科目:1級資格は会計と原価計算の両方に合格することで取得できます。2級と3級は商業簿記についての試験が行われます。
■日程:年に2回実施(1月・6月)
■合格基準:各級7割以上
合格率・難易度はどのくらい?
【日商簿記】
日商簿記の合格率は、商工会議所のサイトで見ることができます。下表は平成27~28年度の1~4級の合格率を表にまとめたものです。
開催日 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
平成29年2月 | ― | 25.0% | 47.4% | 25.6% |
平成28年11月 | 9.3% | 13.4% | 45.1% | 41.5% |
平成28年6月 | 10.9% | 25.8% | 34.2% | 49.3% |
平成28年2月 | ― | 14.8% | 26.6% | 34.6% |
平成27年11月 | 9.6% | 11.8% | 26.1% | 41.4% |
平成27年6月 | 8.8% | 34.5% | 52.7% | 37.9% |
(※1級試験は6月と11月の年2回のみ)
バラつきはありますが、合格率はだいたい3級・4級で30~40%、2級で20~30%ほど。1級になると難易度はぐっと上がり、合格者は全体のわずか10%となっています。こうしてみると「日商簿記って難しそう…」と不安になる人も多いかもしれません。しかし、簿記検定は大学受験などと違い、問題の7割以上を正解すれば、受験生の人数に関わらず必ず合格することができます。合格率は気にせずに、自分の点数を伸ばす努力をしましょう。
【全商簿記】
全商簿記の合格率は、全国商業高等学校協会のサイトで見ることができます。下表は平成25~27年度の合格率を表にまとめたものです。
開催日 | 会計 | 原価計算 | 2級 | 3級 |
平成28年1月 | 48.3% | 49.6% | 60.7% | 62.8% |
平成27年6月 | 40.5% | 41.2% | 41.7% | 44.3% |
平成27年1月 | 49.4% | 41.3% | 62.9% | 55.6% |
平成26年6月 | 32.8% | 50.4% | 39.3% | 38.6% |
平成26年1月 | 36.8% | 51.6% | 55.5% | 59.6% |
平成25年6月 | 25.6% | 44.7% | 42.6% | 41.7% |
合格率はだいたい3級・2級でだいたい50~60%。1級の場合は、会計が30~40%、原価計算が40~50%ほどとなっています。日商簿記と比べるとかなり高い合格率といえるでしょう。
通信制高校での簿記資格取得をオススメする3つの理由
簿記資格を取得するには、「試験前にちょっと勉強して…」といった付け焼刃な勉強法では間に合いません。とはいえ、独学で勉強するのも不安ですよね。もしも通信制高校への入学を考えているなら、在学中に簿記資格取得を目指すことをお勧めします。通信制高校なら、高校生活を送りながら無理なく資格試験の勉強に励むことができます。
【オススメの理由1】空いた時間に資格の勉強ができる!
通信制高校の大きな特徴のひとつが「毎日学校に通う必要がない」ということ。自分の生活リズムに合わせて通学スタイルや時間割を自由に選ぶことができます。全日制高校に比べて自由な時間が圧倒的に多いため、そのぶん資格の勉強に充てることができるのです。
【オススメの理由2】資格取得に協力的!
通信制高校は、全日制高校に比べて「キャリア教育」に力を入れている高校が多く、中にはプロのキャリアカウンセラーを配置しているところも。生徒たちの卒業後の進路を見据えた体験授業や職場見学もさかんに行われており、もちろん資格・検定の取得も積極的にサポートしてくれます。
【オススメの理由3】専門コースでじっくり学べる
通信制高校には、通常の高校の勉強とは別に、自分が興味のある内容を学べる「専門コース」があります。就職に役立つビジネス系のコースは人気も高く、なかでも簿記は有名な資格ですから、資格対策講座を開設している高校もたくさんありますよ。資格試験の勉強も、学校の先生がサポートしてくれるとなれば心強いですよね。
簿記資格取得におすすめの通信制高校・サポート校一覧
ルネサンス高等学校
ルネサンス高等学校には、公認会計士や税理士といった“会計のプロ”になるためのダブルスクールコースが設置されています。ルネサンス高等学校に在籍しながら、中部学院大学シティカレッジ各務原の「会計プロフェッショナルコース」で簿記や会計について学ぶことで、さまざまな資格の早期合格を目指すことができます。ちなみに、2010年に史上最年少の16歳で公認会計士に合格した長谷川智也さんも、このコース出身とか。
勇志国際高等学校
勇志国際高等学校の「会計ビジネスコース」では、日商簿記検定、ワープロ検定、情報処理検定など、さまざまなビジネス資格取得を目指すことができます。簿記については、「日商簿記2級以上を目指す」ことを具体的な目標としています。学校オリジナルの録画授業やネットライブ授業を活用し、簿記の基礎からわかりやすく指導してくれるので、初心者にも安心です。本番さながらの模擬試験も用意されており、合格まで教員が細やかにサポートしてくれます。
クラーク記念国際高等学校
とにかく資格取得のサポートが充実しているクラーク記念国際高等学校。簿記はもちろん、TOEIC、ビジネス文書検定、情報処理技能検定など、多くのビジネス系資格を取得することが可能です。資格検定の短期講習会や独自のゼミ授業も開設し、さまざまなアプローチで資格取得のフォローを行っています。なかには、在籍生徒の8割が年間5つ以上の資格を取得しているキャンパスもあるとか!
まとめ
資格は、あなたの能力や頑張りを周囲にカタチで示すものです。資格に合格することで、さらなる自信ややる気へと繋がっていきます。「まだやりたいことが決まっていないし…」と悩んでいる人は、空いている時間を利用してぜひ簿記資格を目指してみてください。いつか、「あの時、頑張って資格を取ってよかった」と思える日がくるはずです。