VR空間で学ぶ!N高・S高で「普通科プレミアム」が4月からスタート
学校法人角川ドワンゴ学園が運営するネットの高校「N高等学校」および「S高等学校」では、2021年4月より、VR教材を使った最先端の学びができる「普通科プレミアム」をスタートさせます。開講を間近に控えた去る3月16日・17日には、実際にコースで履修できるVR教材に触れる教職員向けの体験会が、沖縄のN高本校、東京綾瀬キャンパス、大阪江坂キャンパス、愛知千種キャンパスの4拠点で行われました。
今年4月、「S高等学校」が茨城県つくば市に誕生
学校法人角川ドワンゴ学園が運営する、N高等学校(本校所在地:沖縄県うるま市、以下N高)は、2016年に開校した“ネットの高校”。ICTツールを使った学習スタイルを提案するなど、これまでも数々の話題で注目を集めてきました。
そんなN高に続く、2校目の“ネットの高校”「S 高等学校」(以下 S高)が、今年4月、茨城県つくば市に開校します。S高もN高同様、「通学コース」に加え、「ネットコース」や「オンライン通学コース」が用意され、生徒たちはネットを活用して様々な学習を受けることができるそうです。
もちろん、両校とも学校教育法第一条に定められた高等学校なので、条件を満たせば、全日制と同じ「高校卒業資格」を取得できます。
S高開校を機に始まる、「普通科プレミアム」って?
S高の開校を機に、N高とS高の両校では、VR教材を使った最先端の学びができる「普通科プレミアム」がスタートします。全生徒を対象に4月から始まる区分で、関係者によると、すでに数千人規模の受講者が決まっているそうです。
この「普通科プレミアム」では、ずばり、VR(仮想現実)の世界で学習を行うことができるのです! VRゴーグルを被るだけで、いつどこにいても自分だけのバーチャルな学習空間にワープでき、例えば、自宅に居ながらにして海外の世界遺産を巡ったり、現実では難しい実験を行ったり、なんて体験が可能になるといいます。
なお、履修可能な6600本の動画教材のうち、コース開始の4月には約2400本がVRに対応し、2021年度中には過半数以上の動画教材がVRに対応する予定とのこと。また、「普通科プレミアム」では、これまで通り動画教材での学習も可能で、VR教材と動画教材はシームレスに切り替えできるため、動画を見ながら必要な部分だけVRに切り替える、なんて学び方もできるそうです。(ちなみに、N高・S高ともに、「普通科プレミアム」以外の区分としては、動画教材だけで学習する「普通科スタンダード」が用意されています)
開講に先駆けて行われた、教職員によるVR体験会
そんな注目のVR教材に実際に触れられる、教職員向けの体験会が、去る3月16日・17日の2日間、沖縄のN高本校、東京綾瀬キャンパス、大阪江坂キャンパス、愛知千種キャンパスの4拠点で行われました。当日は4拠点をZoomでつないで情報交換しながら、教職員はVRヘッドセット「Oculus Quest 2」を使用し、機材の準備から、4月から「普通科プレミアム」で履修可能なVRの世界における授業までを体験しました。
VR授業を受けるためには、パソコン(またはスマートフォン、タブレット)とVRヘッドセット、コントローラーが必要 沖縄のN高本校、東京綾瀬キャンパス、大阪江坂キャンパス、愛知千種キャンパスの4拠点をZoomでつないで実施
体験会に参加した教職員のほとんどが、初めてのVR体験とのことで、はじめはヘッドセットの装着に戸惑うそぶりをみせる方も。しかし、装着から30分もすると、機材の扱いにも慣れてきたのか、それぞれコントローラーを握った両手をさまざまに動かしながら、VRの世界での授業を思い思いに楽しんでいるようでした。
VR授業の初体験を終えた教職員からは、「3Dガジェットが充実していて、より深く学べそう」、「集中できる空間なので、話を聞く姿勢になりやすい」などの感想があがりました。
なお、VR空間での学び舎では、表情豊かな先生が教壇に立っているだけでなく、授業中は、制服姿の生徒のアバターが近くに着席しているので、一緒に授業を受けているような感覚になれるのも面白いポイント。このアバターは、世界初の“タイムシフトアバター”という機能を使って、過去に同じ授業を受けた実際の生徒のリアクションが反映されているそうで、他の生徒と非同期コミュニケーションを体験できるのです。他者の存在があることで、学習意欲の向上が期待できるだけでなく、アバターの反応(過去に授業を受けた別の生徒の反応)を見ることで、授業の要点を掴むことができるかもしれません。
はじめはヘッドセットの装着にも戸惑っていたものの…… 機材の扱いに慣れてくると、バーチャルの世界に没頭! バーチャル空間の映像をPCにミラーリングし、3Dガジェットを確認中。
VR学習のさらなる可能性に今後も期待!
履修可能なVR教材には、他にも対話型のものもあり、さまざまなシチュエーションの英会話や面接練習が体験できるそう。
なお、開校からしばらくは、VR教材に慣れてもらうため、ゲーム感覚で参加できる生徒同士の交流イベント等も用意しているとのこと。世界にまだ例のない、N高とS高の新たなチャレンジに今後も注目ですね!
VR空間での学び舎には、表情豊かな先生と、一緒に学ぶ他の生徒のアバターがいる 対話型のVR教材(写真は英会話学習のもの)