飛行機や夜行バスで通う生徒がいるN中等部にネットコースが新設

学校法人角川ドワンゴ学園は、2019年10月15日に都内で記者発表会を開き、N中等部にネットコースを新設すると発表しました。2020年4月の開校に向けて資料請求や出願の受付を開始し、10月27日からは随時、全国で説明会を開催します。

飛行機や夜行バスで通う生徒がいるN中等部にネットコースが新設

 

N中等部開校から3か月後で生徒の満足度は87.5%

角川ドワンゴ学園は、“ネットの高校”として話題のN高等学校(以下、N高)を2016年に開校し、その後に開設した通学コースを含め、2019年10月時点で11,317人と1万人を超える生徒が学んでいます。N高のノウハウを生かし、N中等部を開校したのは2019年4月のこと。そのわずか半年後にネットコース新設の発表となりました。

「N高はネットコースから始まったのになぜ中等部は通学コースからスタートしたのですかといったご質問をいろいろな方から頂きまして、中等部でもネットコースのニーズがあると感じました」

発表会でこのように話すのは角川ドワンゴ学園の夏野剛理事。続いて発表会の檀上に登ったN中等部運営部の為野圭祐部長によるN中等部実績報告からは、N中等部の好調ぶりがうかがえます。

2019年4月の開校から3か月後の7月に実施した全生徒アンケートによると、
N中等部は

・満足度 87.5%
・登校率 81.5%(全欠席者6.5%を除く)
・学びの満足度 84.0%

という結果を得ました。

また、友だち作りにおいて開校前の「友だちを作ろうと思っていた」という割合は80.9%でしたが、

・入学後の3か月で「友だちができた」 88.9%

に及びました。残りの11.1%も、1人でもいられる場になっているという感想を持っているようで、さまざまな理由で中学校へ通いたくない、通わなくなったという生徒の居場所としての役割は果たしているようです。

こうした生徒を受け入れる場としてさまざまなフリースクールがありますが、N中等部は居場所であることはもちろん、「創造力を身につけるために、教養、思考力、実践力の3つを学ぶオリジナルのカリキュラムを用意し、15歳になった時点で自立できるように教育をしていこうというのがN中等部です」と為野圭祐部長は説明しました。

また、N中等部は、学校教育法第一条に定める中学校ではなく、教育機会確保法の趣旨に基づいたスクールです。自身の中学校に在籍したまま学びますが、在籍中学校の学校長やクラス担任等と連携し、学習状況を在籍中学校へ報告。保護者とも同様に連携を図り、生徒のサポート体制を構築しています。

先のアンケート結果は、N中等部の取り組みが中学生に満足できるものである証。N中等部のキャンパスは東京の新宿と秋葉原、大阪の江坂の3か所に置き、3か月ごとに生徒を受け入れいれていますが、生徒数は2019年4月の開校当初の201人から、7月に289人、10月に378人と着実の増加。2020年4月には横浜(神奈川)、大宮(埼玉)、名古屋(愛知)、池袋(東京)にもキャンパスを開設し、全7キャンパスに拡大する予定です。

角川ドワンゴ学園の夏野剛理事

角川ドワンゴ学園の夏野剛理事

N中等部運営部の為野圭祐部長

N中等部運営部の為野圭祐部長

N中等部に対する満足度

N中等部に対する満足度

 N中等部の登校率

N中等部の登校率

N中等部の学びの満足度

N中等部の学びの満足度

 友だち作りについて

友だち作りについて

 “創造力”を支える仕組み

“創造力”を支える仕組み

 

飛行機や夜行バスで通う生徒がいるほど人気のN中等部

高校生に比べて幼い中学生には対面によるリアルな環境がふさわしいのではないか、などさまざまな点を考慮し、N中等部は通学コースをまず開校しました。

しかし、「N中等部は、週に通う回数によって週1コース、週3コース、週5コースがあるのですが、4月に開校したところ、熊本から週に1回飛行機で通う生徒さん、青森から夜行バスで通う生徒さんが現実にいらっしゃいまして、全国から資料請求を頂いている状況です。

そこで、場所にとらわれないネットコースを開設することにしました」、と夏野剛理事が話すように、来年度からネットコースの開設が発表されました。

通学コースと同様にネットコースでも、N中等部は、学校教育法第一条に定める中学校ではなく、教育機会確保法の趣旨に基づいたスクールで、自身の中学校に在籍したまま学びます。

N中等部ネットコース設立準備室の熊谷桃子氏は、ネットコースのカリキュラム特長について次の4つを挙げました。

 

■コーチング

ビデオチャットを使った面談と目標シートを利用して一人ひとりの異なる思いや考え、経験から、目標を設定し、行動に移す力を身につけます。そして自分でPDCAを回せるようになることを目指します。

■21世紀型スキルプログラム

未来の社会を、より良く生きていけるスキルを育成するために21世紀型スキルプログラムの開発、実証、提供に取り組んでいます。感情/認知、思考、協同/協働、課題 解決、価値創造のトレーニングでさまざまなスキルを身につけ、生徒一人ひとりが不確実な未来をより良く自分らしく生きていけることを目指します。講義は、ビデオコミュニケーションツール「Zoom」を使い、全国にいる同級生とカメラを通して顔を合わせ進めていきます。

■プログラミング

将来、自身で独自サービスやプロダクトの開発をしていくことも視野に入れ、広くICTの基礎を身につけることを目指します。

■基礎学習(国数英)

オリジナルの映像講義で社会で活躍するための礎となる学力を自分のペースで着実に身につけられます。

N中等部ネットコース設立準備室の熊谷桃子氏

N中等部ネットコース設立準備室の熊谷桃子氏

カリキュラムにICTを活用

カリキュラムにICTを活用

プログラミング教育は角川ドワンゴ学園の特長

プログラミング教育は角川ドワンゴ学園の特長

 ネットコースでもICTを駆使してコミュニティ作り

ネットコースでもICTを駆使してコミュニティ作り

 

ネットの怖さ、ICTツールの活用の仕方から教育

発表会で夏野剛理事は、「中学校の中には、スマホは禁止、ネットはあまりやらないようにというところもありますが、すべてをネットでやっていこうというのはまさに逆ですね」と切り出しました。すると熊谷桃子氏は、「インターネットを使った怖さ、ICTツールの活用の仕方というところから教育していきます」と回答。「ワークショップや超会議、職業体験といったリアルイベントはございますが、ICTをフル活用し、すべてをネットで行うのがネットコースです」と話しました。

N中等部ネットコースの入学資格

・小学校卒業、またはそれに準ずるもので、2020年4月時点で中学校に在籍すること。
・入学金:22,000円(税込)
・学費:40,700円/期(税込)※1年間=12期
(N中等部は学校教育法第一条に定める中学校ではなく、教育機会確保法の趣旨に基づいたスクールで、自身の中学校に在籍したまま学びます)

 

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