高校生が起業を目指す部活動「N高起業部」に第2期生が入部

ネットを使った通信制高校として話題の角川ドワンゴ学園 N高等学校は、2019年2月15日、起業を目指す部活動「起業部」の新たな入部生を選考する特別審査会を実施。5チーム8名の第2期生が誕生した。

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第2期生の特別審査会を開催、審査員に投資家も

学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校(以下、N高)の起業部は、2019年2月15日、第2期生を選考する特別審査会をN高代々木キャンパスで実施した。起業を目指す部活動としてN高起業部は2018年に発足し、同年2月の特別審査会を通過した第1期生が活動を開始。メンバーの中には会社を設立し、高校生起業家へとステップアップした実績を上げている。

第2期生を目指して特別審査会に参加したのは、個人チームと複数名チームを合わせて計8チーム。1チームの発表時間は4分間で、その後、特別審査員との質疑応答に臨む。特別審査員を務めるのは、高宮慎一氏(株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー)と夏野剛氏(株式会社ドワンゴ代表取締役社長・慶應義塾大学特別招聘教授)だ。

 

【特別審査会2019 出場チーム(チーム名/所属キャンパス/事業テーマ)】

  • “Mackey’s Graphy”/通学:名古屋/フォトグラファーによる印象改革事業
  • モータースポーツ観戦ツアー/通学:御茶ノ水/モータースポーツ観戦ツアー事業
  • ファッション×病気/通学:代々木/オリジナルデザインのアパレル事業
  • lilLINK/ネットコース/同じ悩みを持つ中高生が“つながる”コミュニティ
  • S Virtual Market/通学:大宮/3Dモデルのネット取引マーケット
  • Work for Smile/通学:名古屋/ホワイト企業化コンサルティング事業
  • Dive beat project/通学:千葉/聴覚障害者のための音楽ゲーム事業
  • SUPOTA/通学:心斎橋/アスリート支援サービス事業
高校生が起業を目指す部活動「N高起業部」に第2期生が入部

特別審査会に臨んだ全8チームと特別審査員の高宮氏(手前右)と夏野氏(手前左)

会場の様子

 

各チームの発表では即事業化できそうなプランも登場

特別審査会に臨んだ8チームは、ディスプレイを使って視覚的にもわかりやすく、それぞれが思い描いたビジネスプランを発表していく。中には、テンポよく、語気を強めて訴えかけ、とても高校生とは思えない生徒も見られた。

ビジネスプランもよく練られた多く、例えば、チーム名「ファッション×病気」の倉田速音さんは、自ら紫外線に弱い病いを抱えていることから発想し、「UVカットの加工をしたお洒落な洋服を提供するファッションブランド」の事業化を提案。同じような病いを抱えている人はもちろん、日焼けしたくないという人にまでターゲットを広げ、また、在庫リスクを抑え、唯一無二の商品力との観点から、「ECで1点物の販売を行うブランド」を訴えかけた。

すると、質疑応答で特別審査員の高宮氏は、「自分の病気を起点にして、太陽の光に当たりたくないという同じような悩みを抱えている人をなんとかしてあげたいと、ターゲットが非常に明確でよいプランだと思います」と評価。そして、「在庫リスクの点で1点物というのはビジネスとして正しい考え方ですが、実は1点物、つまりカスタムオーダーに見せかけたパターンオーダーのやり方や受注生産など、在庫リスクを抑えつつ規模感を出せる方法があります」とアドバイスした。

ほかにチーム名「lilLINK」の斉藤和歌子さんは、自ら中学生の一時期に不登校になった経験から、不登校の中高生やその保護者をターゲットに「同じ悩みを持つ中高生が“つながる”コミュニティ」の事業化を提案。すると、特別審査員の夏野氏は、「N高の中ですぐにでもコミュニティを作れそう。N高ブランドでビジネスにできるのでは」と評価。そしてFacebookが誕生した当時のエピソードを紹介しつつ、コミュニティづくりのアドバイスを送った。

入部した「“Mackey’s Graphy”」の発表時の様子

入部した「ファッション×病気」の発表時の様子

入部した「lilLINK」の発表時の様子

入部した「S Virtual Market」の発表時の様子

入部した「SUPOTA」の発表時の様子

 

起業部へ入部する5チームが決定、特別審査員から高評価

全チームのプレゼンテーションが終了すると、休憩(審査時間)を経て結果発表。「“Mackey’s Graphy”」「ファッション×病気」「lilLINK」「S Virtual Market」「SUPOTA」の5チーム8名が第2期生として起業部への入部を果たした。特別審査会の閉会にあたり、特別審査員の高宮氏と夏野氏は次のように講評した。

特別審査員の講評の様子

「高校生だとは信じられないくらい出来の良いビジネスプランばかり。普段、仕事で起業家からピッチ(投資家向けのプレゼンテーション)を聞く機会が多いですが、プロの起業家よりも素晴らしいと思えるピッチもありびっくりしました。皆さんのプランはどれも、自分の身近にあるプロブレムを起点に、それをより多くの人の課題に昇華させ、マネタイズしていこうというビジネスの基本が良かったです」(高宮氏)

「選ばれた方はおめでとうございます、選ばれなかった方はちょっとだけ足りない部分があっただけですので落ち込まないでください。高校生のメリットは周りの大人に頼れるということです。高校生に頼られると大人はしようがないから手伝ってあげようという気持ちになりますが、皆さんはこの“しようがない”を使い倒して、気が付いたら大人よりもすごいことをやっていたと思えるところまで行ってほしいです。これからいろいろな悩みが出てくるでしょうが、N高起業部はそんな皆さんを助けるために存在していますので、頑張ってください」(夏野氏)

 

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「N高等学校」とは

出版・IT大手の角川ドワンゴグループが運営する通信制高校「N高等学校」。ネットで学べる高校として、2016年4月に開校、今では東京・代々木や大阪・心斎橋など全国8か所に通学できるキャンパスがあり(2019年2月時点)、今後も拡大予定だ。母体がIT企業である強みを活かしたプログラミングの授業や、全国の自治体と提携した職業体験など、ユニークなカリキュラムが多いのが特徴。

 

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