大学ってどうやって選べばいいの?自分に合った大学の選び方

自分の将来を左右する大切な志望校選び。「自分に合った大学を選ぶにはどうすればいいの?」「大学の数が多すぎて選べない!」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか? ここでは、後悔しない大学の選び方ついて、最新の動向を踏まえながら詳しく説明していきます。

大学ってどうやって選べばいいの?自分に合った大学の選び方

大学数の推移と今後の傾向

 

日本に大学はどれくらいある?

今、日本には国公私立合わせて777校もの4年制大学があります(2016年度統計)。下図を見て分かる通り、1990年には507校だった大学数は、この26年ほどで270校も増加しました。中でも顕著なのが私立大学で、その増加率はなんと1.61倍。ここ数年は横ばいを続けていますが、その数が大幅に減っている様子は見られません。

4年制大学数の推移

4年制大学数の推移

(文部科学省学校基本調査より)

 

少子化なのに大学が多いワケは?

ご存知の通り、受験生である18歳人口は1992年の205万人をピークに年々減少しています。しかしグラフを見ると、大学の数は1992年以降も増加していますね。「子どもの数は減っているのに、大学が増えているのはなぜ?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は、人口が減る一方で、大学入学者数はむしろ増加しているのです。少子化が進む中、子供には将来苦労をさせたくないという親の思いもあってか、大学進学率は逆に上昇傾向に。それに伴い、大学数も増えているというわけです。

 大学入学者数と進学率

大学入学者数と進学率

(文部科学統計要覧平成27年版より)

 

2018年以降は大学数は減少傾向に。今後の動向に注目を

しかし、この傾向も2018年以降は頭打ちに。その後、入学者の数は減少していくと見られ、大学の数にも大きな影響を与えていくと予想されています。今後数年の動きには注意が必要でしょう。

 

大学を選ぶ前にやるべき5ステップ

大学を選ぶ前にやるべきこととは?さて、大学を選ぶには、まず何から始めればよいのでしょう?

「自分には特にやりたいこともないし…」と落ち込む必要はありません。はじめから「自分のなりたい職業はコレ!」とはっきり決まっている高校生はなかなかいないものです。まずは以下の5ステップで、今の自分を見つめなおしてみましょう。

 

▼STEP1 今得意なこと、好きなことを書き出す

まず初めに、自分が得意なこと、好きなこと、興味のあることはどんなことかを整理してみましょう。「絵を描くことが得意」「手芸が好き」「体を動かすことが好き」「人と話すのが好き」など、勉強以外のことで構いません。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、今夢中になれるものを探すことが、将来の自分を考える第一歩となるのです。

 

▼STEP2 好きな教科、得意な教科と向き合う

次に、自分が好きな教科や得意科目について考えてみましょう。ここで注意したいのは、「国語が苦手」「受験科目に数学があるからムリ」といった理由だけで安易に文系・理系を選択しないこと。受験で必要な勉強と、大学へ行ってから学ぶ学問はまた別のもの。理系の学部でも国語や英語が必要な場面は多くありますし、文系であっても経済や経営を学ぶ学部なら、数学の力が必要になってきます。成績だけではなく、「自分が好きかどうか」という視点を忘れずに。「得意ではないけれど、勉強していて楽しい」という教科と向き合うことも大切です。

 

▼STEP3 将来の自分を思い描く

さて、自分の好きなこと、得意な分野が明確になってきたところで、将来の自分を思い描いてみましょう。「子供とかかわる仕事がしたい」「ものをつくる仕事がしたい」「人助けがしたい」など、漠然としたものでOK。自分の進みたい方向が決まると、やりたいこと・やるべきことが明確になってきますよ。

 

▼STEP4 具体的な職業について調べる

では、自分の興味のある分野には、どんな職業があるのか、実際に調べてみましょう。世の中にはあまり人には知られていない仕事がたくさんあります。例えば、「飛行機に関わる仕事がしたい」と思っても、その内容は実にさまざま。パイロット、キャビンアテンダントなどはよく知られていますが、他にも航空機への貨物の積み下ろしを行う「ローダー」やフライトプランニングを担当する「ディスパーチャー」など、専門知識を要する仕事がたくさんあります。さまざまな職業を知ることは、将来の選択肢を広げることにもつながりますね。

 

▼STEP5 夢を叶えるために今するべきことを考える

最後に、思い描いた自分の夢を実現するために、今できることを考えましょう。大学でどんな学問を学ぶべきか、どんな資格を取得しておくべきか。そうすればおのずと、進むべき学科、学部、大学が見えてくるはずです。

 

大学選びの5つのポイント

自分の進む方向性や将来のビジョンがはっきりしたら、実際に大学選びのスタートです。大学に入ってから後悔しないために、大学を選ぶ際の5つのチェックポイントを紹介します。

 

【1】どんな学部に強い大学なのか

やはりいちばん大切なのが、その大学で何を学べるのかですよね。
自分が興味のある分野に特化した学校を選ぶというのは、大学選びの定石です。それぞれの分野に強い大学を挙げながら、具体的に見ていきましょう。

 

■海外での活動に興味がある人は…
国際関係学部に強い大学へ

早稲田大学/国際基督教大学/中部大学/同支社大学/九州国際大学など

 

■経済・金融に興味がある人は…
経済学部・商学部・経営学部に強い大学へ

日本経済大学/東京経済大学/立命館アジア太平洋大学/同志社大学/関西学院大学など

 

■英語など外国語に興味がある人は…
外国語学部に強い大学へ

東京外国語大学/獨協大学/津田塾大学/明海大学/上智大学など

 

■航空や宇宙に興味がある人は…
工学部に強い大学へ

早稲田大学/名古屋大学/九州大学/東京工業大学/大阪府立大学など

 

■コンピューターに興味がある人は…
情報系学部がある大学へ

電気通信大学/東京海洋大学/東京工業大学/東京農工大学/工学院大学など

 

■動物や植物が好きな人は…
農学部・理学部に強い大学へ

北海道大学/東京農業大学/日本大学/北里大学/帯広畜産大学/名城大学など

 

■学校の先生など、教育分野に興味がある人は…
教育学部に強い大学、または教育大学

東京学芸大学/北海道教育大学/筑波大学/広島大学など

 

これらはほんの一例ですが、大学には必ず“強い分野”があるもの。志望校を見極めるときには、進みたい学部や分野に力を入れている大学をチェックしましょう。
大学の学部の選び方については、こちらの記事(大学にはどんな学部があるの?人気の傾向から選び方まで)でも詳しく解説しています。

 

【2】就職率はどうか

学生の就職難が今叫ばれる今、卒業後にきちんと就職できるかどうかは重要なポイントですよね。一般的には「理高文低」と言われ、就職には理工系の大学や、医療や薬科など専門性のある大学が有利とされています。文系は就職に不利というイメージが定着していますが、就職率はここ数年上昇傾向に。リーマンショック以降続く就職難は、じわじわと快方へ向かっているようです。

2015年度の学部別にみた大学就職率ランキングは以下の通り。自分が希望する学部や大学の就職状況はどうか、大学のホームページや大学情報サイトなどで確認してみましょう。

法学系 人文・外国語系
1位 日本文化大学(95.3%) 1位 九州ルーテル学院大学(97.1%)
2位 青森中央学院大学(95.0%) 2位 関西外国語大学(95.2%)
3位 一橋大学(94.4%) 3位 ノートルダム清心女子大学(95.0%)
経済系 商・経営系
1位 福井県立大学(97.4%) 1位 静岡県立大学(98.9%)
2位 京都大学(94.0%) 2位 甲南大学(98.8%)
3位 一橋大学(93.8%) 3位 安田女子大学(96.9%)
国際系 農学系
1位 国際教養大学(94.1%) 1位 秋田県立大学(96.3%)
2位 北九州市立大学(93.8%) 2位 岡山大学(93.3%)
3位 長崎県立大学(93.1%) 3位 山口大学(93.2%)
福祉系 看護・医療系
1位 秋田看護福祉大学(100%) 同率1位
山梨県立大学、日本赤十字北海道看護大学、秋田看護福祉大学、京都橘大学(100%)
2位 群馬医療福祉大学(98.5%)
3位 新潟医療福祉大学(97.2%)

(大学通信より)

 

【3】キャンパスの立地・雰囲気は自分に合っているか

さて、見落とされがちなのが、大学の立地や雰囲気です。
「大学のある場所が田舎過ぎてまわりに何もない」「ドラマで見るようなキャンパスに憧れていたが、イメージと違った」など、立地やロケーションに対する不満は意外と多いモノ。4年間通う校舎の立地や雰囲気は、学生のモチベーションに直結しますから、しっかりと確認しておきましょう。

 

■自分の描く大学像と照らし合わせて

最先端の設備が整った真新しいビル校舎と、歴史を感じる昔ながらの古いキャンパス。どちらに魅力を感じるかは、人それぞれですよね。他にも、図書館などの施設設備や敷地の広さ、通っている学生の雰囲気など、自分の描く大学のイメージにマッチしているかどうかを確認することはとても大切。「あのキャンパスで学びたい!」という思いが受験勉強のやる気につながった、という話もよく聞きます。

 

■大学周辺の環境もチェック!

「今日の講義は1コマ目と4コマ目」といったように、大学の時間割には“空き時間”がつきもの。都会の中にあるキャンパスなら周囲にカフェや飲食店などがありますが、そうでない場合、周辺に大学以外は何もない、といったケースも少なくありません。大学のパンフレットやホームページだけではわからないこともありますから、キャンパス見学などの際に確認しておくことをお勧めします。

 

■「学部割れ」や「学年割れ」に要注意!

学部割れ・学年割れとは、学部や学年によってキャンパスが分かれている大学のこと。例えば青山学院大学は、人文科学系ほか7学部は青山キャンパスですが、理工系などの3学部は相模原キャンパスとなっています。「東京の大学に進学した!と思っていたら、郊外のキャンパスだった…」というケースは実は多いのです。自分の学部はどの校舎なのか、しっかりと確認を。

また、慶應義塾大学は学年によって三田キャンパスと日吉キャンパスに分かれています。学年割れの場合、問題となってくるのが引っ越し。通学時間や交通費を考えると、引っ越してしまった方がラクという見方が多いようです。引っ越しにはお金もかかりますから、それを見越した部屋選びや貯蓄が必要でしょう。

 

【4】大学の学費はどのくらい?

いくら頑張って合格しても、学費が払えなければ大学には通えませんよね。大学進学にあたり、各家庭に重くのしかかるのがお金の問題です。大学入学から卒業までにかかる平均的な学費は以下の通りです。

国立大学
 242万5,200円:入学金 28万2,000円+学費 53万5,800円×4年
公立大学
 246万2,000円:入学金 31万円+学費 53万8,000円×4年
私立大学(文系)
 385万8,000円:入学金 24万2.000円+学費(授業料74万6,000円+施設設備費15万8,000円)×4年
私立大学(理系)
 521万4,000円:入学金 26万2,000円+学費(授業料104万8,000円+施設設備費19万円)×4年
私立大学(医歯系)
 2244万6,000円:入学金 103万8,000円+学費(授業料273万7,000円+施設設備費83万1,000円)×6年

(文部科学省のデータをもとに算出)

 

このように、大学に通うには多額の費用がかかります。また、一人暮らしをする場合は、引っ越し費用や生活費なども見なくてはなりません。

しかし、お金がかかるといった理由だけで志望校を諦めてしまうのは早計ですよ。国の教育ローン(国民政策金融公庫)や奨学金(日本学生支援機構)などを利用することも考えながら、家族と話し合って志望校を決めることが大切です。

 

【5】どのような入試方法があるか

最近では一般入試の他に、推薦入試やAO入試などさまざまな入試スタイルを導入している大学が増えています。学力重視から、学生の意欲や個性を総合的に評価する方法へと入試形式もシフトしているのです。

「部活で成績を残した」「生徒会で活躍した」「〇〇大学へ入りたい気持ちは誰にも負けない!」など、自分の長所をアピールできる入試方法があるかどうか、チェックしてみましょう。

◆大学の入試方法については、こちらの記事「大学入試ってどんなことするの?受験の仕組みや流れを理解しよう!」でも詳しく解説しています。

まとめ

大学選びは、自分のこれからを決める大きな一歩。つい大学のネームバリューや偏差値ばかりに目が行きがちですが、自分に合っている大学かどうかを多角的に判断することが大切ですね。将来どんな自分になりたいのか、まずはそこから思い描いてみましょう。

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