大学入試「推薦入試」と「AO入試」、違いとその特徴は?

近年、多くの受験生が利用するようになった推薦入試とAO入試。よく耳にはするけれど、実際にどんなことをするのかわからないという人も多いのでは?ここでは、推薦入試とAO入試の違いやしくみについて、大学入試の動向を踏まえながら詳しく説明していきます。

大学入試「推薦入試」「AO入試」、違いとその特徴は?

転換期を迎える大学入試。最新の動向は?

 

私立大では半数以下。もはや一般入試は主流ではない?

親世代の時代は、「大学受験と言えば一般入試」というイメージでしたが、最近の入試事情は少し様子が違ってきています。ペーパーテストで1点の差を争う学力重視の受験形式から、学生の意欲や思考力を総合的に評価する受験形式へと、その舵を大きく切ろうとしているのです。

文部科学省が発表した「入学者選抜実施状況の概要」によると、平成27年度に一般入試で大学へ入学した学生の割合は、下図の通り。国公立ではまだまだ7割を超えていますが、私立では半数を割る結果となっています。

平成27年度に一般入試で大学へ入学した学生の割合

(文部科学省・平成27年度「入学者選抜実施状況の概要」より)

 

東大・京大も平成28年度から推薦入試を導入

平成28年度から導入された、東京大学の「推薦入試」と、京都大学の「特色入試」。日本の最高学府ともいわれる国立大学が推薦入試をスタートさせたことは、世間でも大きな話題となりましたね。これを皮切りに、推薦・AO入試を実施する国立大学はますます増えていくと見られています。もはや、推薦・AO入試の対策なしには、大学入試は乗り切れない時代に突入していると言っても過言ではありません。

 

推薦・AO入試が増加した理由は?

実は、国立大学での推薦・AO入試の募集人員は、平成24年度をピークに減少傾向にありました。ところが、政府の「教育再生実行会議」が打ち出した大学入試改革により、その流れにストップがかかったのです。「高等学校教育と大学教育の接続・大学入学者選抜の在り方について」では、以下のように提言されています。

  • 大学入学者選抜は(中略)能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価・判定するものに転換する。
  • 各大学が個別に行う学力検査については、知識偏重の試験にならないよう積極的に改善を図る。
  • 各大学は、面接、論文、活動歴等の丁寧な選抜による入学者割合の大幅な増加を図る。

これを受け、早ければ平成33年度から大学入試のスタイルは大幅に変わるとみられています。今、推薦・AO入試を実施する大学が増えているのは、これらの流れを先取りした動きであるといえるでしょう。

 

推薦入試とAO入試の3つの違い

推薦入試とAO入試の3つの違いとは?

【1】これまでを見る推薦入試、これからを見るAO入試

最も大きな違いは、大学側が評価するポイントです。推薦入試は、高校時代の成績や部活動など、過去の実績に重きを置いて合否を決定します。それに比べ、AO入試では、学生の熱意や意欲、志望動機、将来のビジョンを重視します。

「高校時代に勉強を頑張った」「部活動で好成績を残した」という人は推薦入試、「具体的な将来の夢があり、それに向けて頑張りたい」という人はAO入試に向いていると言えるでしょう。

 

【2】短期決戦の推薦入試、じっくり選考のAO入試

推薦入試は、10~11月に出願し、約3か月で合格発表と、比較的短いスパンで行われるのが特徴です。それに比べてAO入試の出願は6~7月頃と早め。そこから2か月~半年をかけてじっくりと選考が行われます。面接の回数も推薦入試に比べると多く、大学によってはオープンキャンパスや説明会への参加が必須のところも。受験生にかかる負担もその分大きいと言えるでしょう。

 

【3】高校からの推薦が必要かどうか

推薦入試は、基本的に学校長からの推薦を得なくてはなりません。AO入試は学校からの推薦は特に必要なく、個々で出願することができますから、受験する大学の選択肢も広がります。

 

推薦入試とは

 

推薦入試の種類と特徴

今や全大学の9割以上が実施しているという推薦入試。その種類も実にさまざまです。それぞれのしくみと違いをしっかりと理解しておきましょう。

 

指定校制推薦

大学から指定された特定の高校の生徒にのみ出願資格が与えられるもので、募集人員は高校1校あたり1~2名と少なめ。評定平均値(高校の成績)はもちろん、部活動や日々の生活態度など、総合的観点から校内選考が行われます。狭き門ではありますが、推薦枠を獲得した場合、ほぼ100%の確率で合格することができるのが大きなポイントです。

 

公募制推薦

大学が求める出願資格を満たし、在籍する高校から推薦書を得られれば誰でも受験することができるのが公募制推薦です。中には既卒生(浪人生)の出願も可能な大学も。国公立大で行われる推薦入試は、原則的にこの公募制のみとなります(一部の公立大学では指定校制を実施しているところもあります)。

この公募制推薦は「一般推薦」と「特別推薦」に大別されます。

  • 一般推薦
    評定平均値が出願条件になる場合が多く、主に学力面を評価する推薦入試。国公立大の場合はセンター試験を課すケースも多いため、早めの受験対策が必要です。
  • 特別推薦
    スポーツや文化活動など、学業以外での取り組みが評価対象となる推薦入試。高校生活のなかで、大学にアピールできるような実績を作っておくことが重要です。「スポーツ推薦」「文化活動推薦」「取得資格推薦」「課外活動推薦」「社会活動推薦」「一芸一能推薦」などがあります。

 

自己推薦

読んで字のごとく、「自己推薦書」によって自分で自分を推薦する「自己推薦」高校からの推薦が必要ないのが大きな特徴です。一見AO入試と似ていますが、学生の熱意や将来性を重視するAO入試に対し、自己推薦は高校時代の実績を評価対象とする点が大きく異なります。

 

推薦を受けるための条件は?

推薦入試を受けるためには、大学が提示する出願資格を満たしていなくてはなりません。出願条件には「評定平均値」「卒業年度」「併願の可否」などがあります。スポーツ推薦や文化活動推薦の場合は、大学が定める大会での上位入賞が条件となる場合も。

なかでも気になるのが「評定平均値」ではないでしょうか。大学によって異なりますが、国公立大の場合は「4.0以上」が目安私立大の場合は幅があり、「4.0~4.5以上」の大学もあれば、「2.7以上」でOKという大学も。また、指定校制推薦の方が公募制推薦よりも高い基準を設ける傾向にあります。

さらに最近の傾向として押さえておきたいのが、外部の英語検定試験の一定以上の成績を条件とする大学が増えているということ。旺文社教育情報センターにおける2016年の調査では、全大学の36%が、推薦入試やAO入試に英検やTOEICを取り入れていることがわかっています。

 

6つの選考パターンと「小論文」を抑える

選考方法は「書類選考+小論文+面接」が典型パターン。大学によってはこれに学力試験や実技試験、課題提出が加わったりと、そのパターンは大きく6つに分けられます。

〔6つの選考パターン〕

1)書類選考+小論文+面接
2)書類選考+小論文+面接+学力試験
3)書類選考+面接+学力試験
4)書類選考+面接+実技試験
5)書類選考+面接
6)書類選考のみ

なかでも「小論文」は、基礎的な学力や学部への適性を見られるため、一般入試の学力試験に相当するという見方も。「小論文は推薦入試のカギ」とも言われており、しっかりとした対策が必要です。与えられたテーマについて意見を述べる「課題論述型」と、用意された文章を読んで関連テーマについて書く「文章読解型」が主流。出題内容は「学科や専攻分野」「時事問題」「教科内容に関するもの」などさまざまです。新聞に目を通すなどして、社会の動きにもアンテナを張っておくようにしましょう。

「実技試験」では体育の場合は専攻するスポーツの実技、音楽や美術系の場合はその分野の試験(楽器の演奏やデッサンなど)を実施します。

 

推薦入試のおおまかな流れ

国公立大国公立推薦入試スケジュール

私立大 私立推薦入試スケジュール

AO入試とは

 

AO入試の種類と特徴

AO入試はアメリカで生まれた制度で、「アドミッションズ・オフィス入試」の頭文字をとった略称です。受験生と大学が求める学生像とがマッチしているかどうかを見る入試方式で、「その大学で学びたい!」という意欲が重視されます。大学がどんな学生を求めているのかは、大学が提示する「アドミッション・ポリシー」に示されているので、事前に確認しておきましょう。

AO入試には、大きく分けて二つのタイプがあります。

対話重視型

出願前に「エントリー」と呼ばれる登録を行い、その後面接を重ねていく方式です。エントリーとは、いわばAO入試の出願資格を得るための手続きのようなもの。ウェブからエントリーできる大学もあれば、オープンキャンパスへの参加や、エントリーシートの提出を課すケースも。大学によっては「エントリー=出願手続き」となるところもあるため、不明な場合は各大学へ問い合わせましょう。

書類・論文重視型

はじめに調査書や志願理由、小論文による書類選考を行い、選考を通過した人のみに面接を行う方法です。エントリーは必要なく、出願のみ。対話重視型に比べ面接回数も少なめです。

 

5つの選考パターンと「面接」を押さえる

選考方法は大学によってさまざま。中にはセミナーやグループディスカッション、模擬講義などを行う大学も。最近は、成績基準を課す大学も増えており、国公立大ではセンター試験や学力試験を課す大学が多くみられます。

〔5つの選考パターン〕

1)書類選考+面接
2)書類選考+面接+小論文
3)書類選考+面接+学力試験
4)書類選考+面接+体験授業(セミナー)
5)書類選考+面接+エントリーシート+面談

 

最も多い形式が「書類選考+面接」でしょう。また、5)の「書類選考+面接+エントリーシート+面談」は、中堅クラスの私立大に多く見られるパターンです。

いずれにせよ、自己アピールの場である「面接」は特に重要です。そこで気になるのが「一体何を聞かれるのか」ですよね。これまでの傾向として多くみられるのは、

  • 志望校への想い、志望理由
  • 入学後の目標や目的
  • 自分の長所
  • 高校での思い出
  • 社会情勢について

です。先生や家族を相手に模擬面接をしておくと、慌てることなく受け答えができるでしょう。また、面接では言葉遣いや姿勢、挨拶などのマナーも大切。相手に好印象を与えられるよう、身だしなみにも気を付けましょう。

 

AO入試のおおまかな流れ

AO入試のスケジュール

まとめ

推薦入試とAO入試。一見似ているようではありますが、その性質は大きく異なることがわかりましたね。また、日程や選考方法も大学によってバラバラ。さらに最近では学力試験やセンター試験を課す大学が増加傾向にありますから、早めのリサーチと、それぞれの大学に合わせた対策が大切です。まずは、自分のアピールポイントや将来の夢について見つめ直してみましょう!

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