仮想空間や3Dアバター、N高がバーチャル入学式を開催

2019年4月4日(木)、角川ドワンゴ学園 N高等学校は開校4期目となる平成31年度入学式を開催。ネットの高校らしく“VR入学式”として話題を集めてきたが、今年度は“バーチャル入学式”としてさらに進化した。

“VR入学式”で話題のN高が今年度に開催したのは“バーチャル入学式”

N高等学校(以下、N高)の今年度の入学式は、東京都新宿区にあるデジタル対応シネコン「新宿バルト9」で開催した。「新宿バルト9」では今年の4月より、多人数同時鑑賞が可能な本格的VR設備を常設完備したが、その活用ケース第1号がN高の入学式。参加者1人ひとりがVRゴーグルを着用し、仮想空間の中で参加できるバーチャル入学式だ。

仮想空間の中には、司会者や登壇者が3Dアバターとなって登場。新入生もキャラクター化された3Dアバターとして席に着き、隣席のに顔を向けると新入生3Dアバターが微笑み返してくれるという演出で臨場感に溢れる。

N高は過去にもVRを活用した“VR入学式”を行い、最新技術を取り入れたことで話題を集めてきた。実際、今年度の新入生からも「VRで入学式とかをやっているのを見て、面白そうだなと思って入学しました」との声が寄せられている。今年度は「仮想空間での入学式」や「3Dアバターの登場」と、“バーチャル入学式”としてさらに進化した。

N高の入学式はニコニコ生放送でもとして生配信される。自宅にいながら“ネット入学式”に参加できることで知られているが、今回の“バーチャル入学式”に新入生は大いに刺激を受けた様子だ。

仮想空間や3Dアバター、N高がバーチャル入学式を開催

3Dアバターの奥平校長と50名の新入生

VRゴーグルを着用すると見える仮想空間の入学式会場

「新宿バルト9」でVRゴーグルを着用して入学式に参加する新入生

VRゴーグルを着用すると見えるキャラクター化した新入生

VRゴーグルを着用すると見える仮想空間をスクリーンにも投影する会場

 

奥平校長が3Dアバターとなって式辞、ノーベル賞受賞者も登場

今年度のN高第4期新入生は4004名。そのうちの応募者の中から抽選で50名が「新宿バルト9」を訪れ、入学式に参加した。司会を務めたのは、バーチャルYouTuberの「みみたろう」。クラウドファンディングで誕生し、小学生向けに授業の動画を作成していることで知られているが、開会に先立ち「みみたろう」がVRゴーグルの使い方などをレクチャーした。

式が始まると、3Dアバターとなった登壇者がそれぞれ次のように述べた。

 

■N高・奥平博一校長

「インターネットのおかげで“情報へのアクセス”が誰でも手軽に行え、たくさんの知識がある価値は薄れてきてしまっています。学校で教えられたことを、たくさん記憶して、偏差値が高ければいい。そんな時代は終わりを迎えたのです。これからは、言われたことを出来るだけではなくて、自分で考え、自分から何かを発信したりできることが大切です。N高は決まったことを学ぶ教室ではありません。自分が興味を持っている事、興味を持った事、どんどん追求してみて、多くの学びや体験をしてください」

 

■角川ドワンゴ学園・山中伸一理事長

「これからの時代、ネット社会はもっと進んでいきます。人工頭脳AIといったものが社会の中にどんどん入っていきます。あらかじめ決められた仕事を決められたようにやる、そういう力だけでは社会に生き残っていけません。N高は“自分で考える”“自分で判断する”“自分で実行する”、こういう力をしっかりと毎日つけていく、そういう新しい時代に合った学校です。また、N高は友達が作れるネットの学校です。ネットの学校の中で皆と一緒に何かをやり遂げるそういうプログラムも用意しています。ネットの時代にふさわしいコミュニケーション力、協調性、そういう力もN高は育てます」

 

■沖縄県うるま市長・島袋俊夫市長

「N高の本校がある、うるま市の伊計島は周りをきれいな海に囲まれた、風光明媚な土地柄で農業や漁業が盛んな地域でもあります。様々な自然学習等が楽しく学べるところだと自負しております。ぜひ伊計島を訪れ、実際に地域との交流や様々な自然体験を通して生活文化に触れていただければと考えております」

 

■伊計区自治会・玉城正則会長

「N高は全国でスクーリングを行っております。その一つに沖縄の伊計本校があります。スクーリングで沖縄本校を選択した生徒の皆さんには私たち伊計島の皆さんで特別活動・体験学習をしっかりとサポートしていきますのでどうぞ楽しみにしていってください」

 

■北里大学・大村智教授(ノーベル賞受賞)

「ノーベル賞を受賞した学者はきっと頭が良かったのだと、思われる人が多いと思われますが、私の場合は、自分は頭が良いと思ったことはありません。子供の頃から忘れ物の常習犯であり、国語や英語など、覚えなければならない事をすぐに忘れて身に付かない。この劣等意識をカバーして今日に至っているのには努力の積み重ねがあったと思います。皆様が高校生として努力して、人間としての優れた資質を身につけられ、後々、人のために、また、社会のためになることを成し遂げることの生きがいを味わわれることをお祈りします」

仮想空間内で本校のあるうるま市のビーチに立って挨拶する3Dアバターの奥平校長

祝辞を述べる3Dアバターの大村智教授。左は司会の「みみたろう」

 

好きなことに打ち込めるN高の教育プログラムに魅力を感じた4004名が入学

奥平校長の式辞や来賓からの祝辞を受け、新入生を代表して原口沙輔くんが次のように宣誓を行った。原口くんは「SASUKE」の名でビートメーカーとして活動し、ワーナーミュージック・ジャパンに所属。楽曲「#SINGING」がAmazon MusicのCMソングに起用されるなど活躍している。

「僕は、物心のつく頃からとにかく音楽が大好きで、幼稚園、小学校、そして中学生になるにつれ、“もっと自分の好きなことをする時間が欲しい!”と心に強く思いました。N高の存在を知り、僕が思ったのは“N高の教育プログラムを使えば、僕の好きな音楽の時間を増やすことが出来る”ということ。また、僕は今、愛媛県に住んでいますが、音楽では東京での活動が多く“愛媛でも東京でも、パソコンや携帯でいつでもどこでも授業が受けられる”と思いました。今後は海外でも活動していきたいのですが、僕の活動とN高の授業スタイルがとても合っていると思いました」

 

ほかにも新入生からは次のような声が寄せられた。第4期の新入生4004名がそれぞれの希望と夢を胸に、新たな船出を切ったようだ。

「中学ではまだやりたいことがまだ見つかっていなくて、N高であればやりたいことが見つかると思って入学しました」

「学校説明会でいろんなコースがあると聞いたときにそれが魅力的で、自分も通いたいなあと思ったからです」

「普段、囲碁に取り組んでいます。ワールドチャンピオンシップでドワンゴさんのお手伝いをさせていただき、N高を知りました。通学時間がない分、囲碁に専念できるのは魅力だと感じました」

「ネットでやれるというのと、授業がグループワークだったりとか、そういうのが変わっていて面白いなと思ってN高に入学しようと思いました」

「起業して世界で活躍していきたいと思っている夢があります。その夢を実現させるためにもN高は最適な場所だと思って入学しました」

「カナダでアイスダンスの練習に集中しながら、空いた時間に勉強できるN高に魅力を感じ、入学したいと思いました。学業とスケートの両立を頑張っていきたいと思います」

「超会議だったりニコニコ関連のイベントが楽しそうだったので、N高にしました」

「今は夢がないんですけど、夢が見つけられて、その夢に向かって頑張れたらなと思っています」

「N高にはたくさんイベントがあると聞いているので、ぜひ参加したいと思っています。あと、海外のアーティストの方とコラボレーションしたいと思います」

「いろんな見方とか文化とかを体験してみて、自分を成長していけたらなと思います」

「ゲームを知らない手に取ってもらえるようなゲームの紹介のページとかを作っていきたいなと思っています」

新入生代表の宣誓はスクリーンに投影された3Dアバターの奥平校長に向かって実施

宣誓する新入生代表の原口くん

校歌「代数Nの方程式」をスクリーンに向かって斉唱

 

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