高校を中退・退学した後の進路や対処法

高校を中退・退学してしまったら、気になるのがその後の進路ですよね。「他校への編入や転校は可能なの? 大学進学は無理? どんな仕事に就ける?」など、将来への不安を感じる人も多いでしょう。ここでは、高校中退・退学後に考えられる進路についてご紹介していきます。

新たな道へ踏み出そう。高校を中退・退学した後の進路や対処法

データで見る高校中退・退学の実態

高校退学者数は減少傾向に

文部科学省が行った、平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、平成26年度の高等学校の中途退学者の数は53.403人。これは、全体のおよそ1.5%にあたります。昭和57年からの統計推移を見ると、全体的には右肩下がりとなっており、中途退学者の数・比率は共に減少傾向にあることがわかります。通信制高校やフリースクールなど、中学校で不登校になった子どもの受け皿となる学校が増えたことが、その要因として挙げられます。

〔中途退学者及び中途退学率の推移〕

中途退学者及び中途退学率の推移

 

退学理由の1位は「学校生活になじめない」

生徒が高校退学を選択する背景には様々な事情がありますが、同統計によれば、実に全体のおよそ7割が「学校生活・学業不適応」、「進路変更」を理由に退学していることがわかります。

 

〔中途退学した理由〕

人数(人) 構成比(%)
学業不振 4,093 7.7
学校生活・学業不適応 18,622 34.9
進路変更 18,570 34.8
病気・けが・死亡 2,140 4.0
経済的理由 1,208 2.3
家庭の事情 2,304 4.3
問題行動等 2,407 4.5
その他の理由 4,059 7.6
(注)中途退学者1人につき、主な理由を一つ選択。構成比は、各事由における中途退学者数に対する割合。

 

「学校生活・学業不適応」の具体的な内訳を見てみると、「もともと高校生活に熱意がない」が40%と最も多く、それ以外の項目はそれぞれ15%前後であまり偏りは見られませんでした。人間関係がうまく保てなかったり、学校の雰囲気が合わなかったりなど、各々が多様な理由で悩んでいることがわかります。

「進路変更」の内訳は「就職を希望」が36.5%、「別の学校への入学を希望」が34.7%と、この2つが主な素因となっているようです。

高校という場所になじめなかった結果、多くの生徒が勉強を続ける気力を失ったり、自分の居場所を変えるために進路変更の道を選んでいると考えられます。

 

〔学校生活・学業不適応の内訳〕

人数(人) 構成比(%)
もともと高校生活に熱意がない 7,446 40.0
人間関係がうまく保てない 3,230 17.3
授業に興味がわかない 2,886 15.5
学校の雰囲気が合わない 2,328 12.5
その他 2,732 14.7

 

〔進路変更の内訳〕

人数(人) 構成比(%)
別の高校への入学を希望 6,436 34.7
専修・各種学校への入学を希望 766 4.1
就職を希望 6,778 36.5
高卒程度認定試験を受験希望 1,655 8.9
その他 2,935 15.8

 

退学後の進路は「フリーター・パート」が最多

では次に、退学後の進路はどうでしょうか。高校を2年以内に中途退学した人を対象に内閣府が行った、平成23年の「若者の意識に関する調査(高等学校中途退学者の意識に関する調査)」によると、退学後の進路については「働いている」と答えた人が最も多く56.2%、その次に多いのが「在学中」の30.8%でした。「求職中」としている人も多く、働く意思のある人が多いようです。

 

〔退学後、現在していること〕

仕事を探している 13.6%
働いている 56.2%
在学中 30.8%
妊娠中・育児をしている 5.4%
家事・家事手伝いをしている 11%
その他 7%
特に何もしていない 4%
複数回答/n=1,176人、M.T.=128.0%

 

「働いている」と答えた人の内訳としては、「フリーター・パートなど」が77.2%にのぼり、「正社員・正職員など」は17.1%にとどまる結果に。

「在学中」と答えた人の進学、編入先としては「通信制高校」が最も多く、49.7%でした。大学や専門学校への進学を果たした人も15%以上おり、高校卒業資格を取得して受験に挑む生徒も少なからずいることがわかります。

 

〔「働いている」と答えた人の内訳〕

正社員・正職員など 17.1%
フリーター・パートなど 77.2%
家の商売や事業など 6.1%
無回答 0.8%
複数回答/n=661人,M.T.=101.1%

 

〔「在学中」と答えた人の内訳〕

全日制・定時制高校(休学中も含む) 33.1%
通信制高校(休学中も含む) 49.7%
専門学校 (夜間部・通信制なども含む。休学中を含む) 5.8%
大学 (夜間部・通信制なども含む。休学中も含む) 10.8%
無回答 0.6%
複数回答/n=362人,M.T.=100%

 

高校中退後は、フリーターとして働く人が圧倒的に多いようです。しかし一方で、少数派ではありますが、正社員や大学進学も夢ではないことがわかりますね。それを夢で終わらせないために、高校中退後の進路について詳しく学んでいきましょう。

 

高校中退後にはどんな進路がある?

 

1. 他の高校に編入・転入する

まず考えられるのが、他の高校への転校や編入です。全日制や定時制、通信制などさまざまな編入先が考えられますが、ここで押さえておかなくてはならないのが、「編入」と「転入」の違いです。

編入…高校を中退したあとで、別の高校に入りなおすこと
転入…高校に在籍したまま、別の高校に入ること

転入とは、いわゆる「転校」と同じ意味。転校生は学期途中であっても、転校先で引き続き授業を受けることができますね。しかし、一度中退をしている編入の場合は、募集時期が決められていたり、編入試験があったりと、少し事情が違ってきます。

 

全日制高校への編入はハードルが高い

全日制高校では、帰国子女などやむを得ない場合の編入を除き、「個人的な理由での編入」は受け付けていないところがほとんど。「商業科の授業が合わないから普通科へ行きたい」など、異なる科への編入も認めていません。

また、「高校生活になじめなかった」という理由から中退となってしまった生徒の場合、再び同じような環境で勉強するのは精神的負担も大きいでしょう。全日制への編入は、非常にハードルが高いと言えます。

 

修得単位を引き継いで編入・転入するには? そのポイントと注意点

現実的なのが、定時制高校や通信制高校という選択肢でしょう。どちらも前籍校で得た単位を引き継いで編入・転入することが可能です。

その為には、通っていた学校に「単位修得証明書」を発行してもらう必要があります。この「単位修得証明書」、有効期限がある場合があるので要注意。最短で6ヵ月としている学校もありますから、手元に取り寄せたあと必ず内容を確認しましょう。願書提出時期に合わせてもう1通申請しておくと安心ですね。

また、引き継ぎを認められるのは“修了した学年の単位のみ”ということも忘れてはいけません。中退した該当学年の単位は引き継ぐことができませんから、たとえ3学期の途中での退学だったとしても、編入する場合はもう一度同じ学年の1学期からやり直さなくてはなりません。

 

単位制の通信制高校がおすすめ!

定時制高校の場合、学年制を導入している学校も多いため、転入すると卒業が1年遅れてしまうといったケースも。その点、単位制を採用している通信制高校は、卒業に必要な74単位から前籍校で修得した単位を差し引いた分を習得すればいいわけですから、効率よく高校卒業資格を得ることができます。

転入に対し柔軟な姿勢を示している通信制高校も多く、随時転入を受け付けている学校も。なかには学期途中であっても本人の学習成果を積極的に評価してくれる場合もありますから、学校に相談してみましょう。また、面接や書類審査を重視する学校が多く、門戸が広いのも魅力。同じような境遇の転入生も多いので、環境に馴じみやすいのも大きなメリットでしょう。

通信制高校とは?全日制高校との違いを紹介
おすすめの通信制高校一覧
 

2. 高卒認定試験で高校卒業資格を取る

大学などへの進学を考えている人は、高卒認定試験を受けるというのもひとつの道です。合格すれば、高校卒業者と同等以上の学力があると認定され、大学や短大・専門学校を受験する資格を得ることができます。

とくに、高校を中退したみなさんに知っておいてもらいたいのが、「免除科目」という制度。高校に通っていた期間に修得を認められた科目に関しては、受験を免除されるという制度で、申請をすれば試験科目を減らすことができるのです。

受験料こそかかりますが、定時制や通信制に通うことに比べれば、大幅に学費を抑えることができるのもメリット。学力面に不安がある人は、高卒認定試験に特化した「高卒認定予備校」を検討してみるのもいいでしょう。学習スタイルもいろいろで、通学しなくても学べる学校もありますから、仕事をしながら勉強したいという人や、人とあまり関わりたくないといった人にもおすすめです。

高卒認定試験については、こちらの記事(受験資格や受験科目、難易度など高卒認定試験を受ける前に知っておくべきこと)でも詳しく解説しています。

 

3. 就職する

復学はせずに、そのまま就職するという人もたくさんいます。就職先を見つけること自体は難しいことではありませんが、それは「選り好みをしなければ」という話。男性は工事現場などの肉体労働、女性の場合は接客やレジなどで働く人が多く、上の統計からもわかるように、7割以上がアルバイトなどの非正規雇用で働いているのが現実です。もちろんそれがやりたい仕事である場合は問題ありませんが、多くの場合「とりあえず」という気持ちで働いている人がほとんどでしょう。しかし、非正規雇用で長期間働くのは、転職や結婚など、将来を見据えたときにやはり大きな不安や不利益が出てくるのも事実です。

自分の興味のある仕事や、少しでも労働条件の良い仕事に就くには、資格や専門的スキルを身につけることをおすすめします。

 

4. 中卒でも取得可能な資格を取る

高校を中退した場合、最終学歴は「中卒」になります。看護師や保育士など、人気の高い資格の中には「高卒以上」であることが条件のものもありますが、学歴不問で取得できる資格もたくさんあります。以下はほんの一例です。

〔国家資格〕
調理師、製菓衛生士、宅地建物取引士、国内旅行業務取扱管理者、クリーニング師、貴金属装身具製作技能士 など

〔民間資格〕
インテリアコーディネーター、フードコーディネーター、ベビーシッター、介護職員初任者研修筆記試験、秘書技能検定、ネイリスト技能検定試験 など

せっかく勉強をして資格を取るなら、今後の就職や仕事へつながりやすい“使える資格”の方がいいですよね。

その特徴としては、

  • 合格率が低く、難易度が高い
  • 将来性のある分野の資格である
  • 将来的に独立可能な職業の資格である

 などが挙げられます。

例えば「宅地建物取引士」の合格率は20%ほど。学歴が中卒であっても、この資格を持っているというだけで面接時に一目置かれる可能性があります。また、「介護職員初任者研修筆記試験」や「ホームヘルパー」など、今後需要が高まると見られる分野の資格も取っておいて損はないでしょう。飲食店で働きながら「調理師」の免許を取得すれば、今は非正規雇用であっても将来的に独立するという道も拓けます。

どんな資格が自分の将来に役立ちそうか、自分にも取得できそうかなどを考慮したうえで、資格取得を目指しましょう。

中卒で取得できる資格については、こちらの記事(中卒からやり直したい! 中卒で取れる国家資格・民間資格)でも詳しく解説しています。

 

まとめ

高校退学後はネガティブな思考に陥ったり、投げやりな気持ちになってしまう人も多くいます。しかし、高校を中退したからといって、将来への道が閉ざされてしまうわけではありません。大学進学を諦める必要もありませんし、一足早く社会に出て、やりたい事にまい進することだってできます。

とはいえ、「どうにかなる」といった受け身の姿勢でいては、決して道は開けません。進学、就職、資格取得など、決めた進路に向けて前向きに取り組む姿勢が大切です。まずは自分がどうしたいのか、冷静に見つめ直してみましょう。

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