高卒認定試験、過去問から見る「地学基礎」の傾向と対策

理科系科目の中でも得点しやすいと言われている地学基礎。とはいえ出題範囲が広いのも特徴で、どうやって勉強したらいいのか悩んでいる人も多いのでは?ここでは、過去問題を読み解きながら、地学基礎の出題傾向や対策について解説していきます。

高卒認定試験、過去問から見る「地学基礎」の傾向と対策

1.「地学基礎」の問題構成と出題範囲

 

身近なテーマを取り上げる地学基礎は高認でも人気

高卒認定試験の理科は選択制で、自分の得意な科目を選んで受験することができます。選択科目は以下のとおり。「科学と人間生活」を選択するか否かで、受験科目数が変わってきます。地震や気象など、私たちの生活に密接に関係するテーマを扱う地学基礎は、計算問題も少ないことから、生物基礎と並んで人気の高い教科となっています。

「科学と人間生活」を選択する場合 「科学と人間生活」を選択しない場合
物理基礎
化学基礎
生物基礎
地学基礎
この中から1科目を選択
(合計科目)
物理基礎
化学基礎
生物基礎
地学基礎
この中から3科目を選択
(合計科目)

 

毎回変動する出題範囲に要注意

取り扱う分野が多い地学基礎は、1度の試験ですべての内容を網羅できないため、毎回異なる分野からランダムに出題されているようです。平成27年度には全く出題されなかった火山に関する問題が、28年度では第一回・二回共に出題されるなど、年度によって出題範囲が異なるのが特徴。また、同年度でも第一回と二回で出題内容に大きなばらつきがあるため注意が必要です。ただ、全問共通の大問5題、小問数20問という構成自体は変わりません。過去3年の地学基礎の問題構成と大まかな出題範囲は以下の通りです。

平成28年度

第一回 第二回
大問1 銀河系と宇宙の誕生 5点×4問 太陽 5点×4問
大問2 太陽系の惑星 5点×4問 地球の形 5点×4問
大問3 火山 5点×4問 火山 5点×4問
大問4 地層 5点×4問 地質時代 5点×4問
大問5 地球の熱収支 5点×4問 海洋の循環 5点×4問

平成27年度

第一回 第二回
大問1 太陽 5点×4問 銀河系と銀河の分布 5点×4問
大問2 地球の形 5点×4問 太陽系の惑星 5点×4問
大問3 地震 5点×4問 プレートの運動 5点×4問
大問4 地球の歴史と岩石 5点×4問 地球の歴史 5点×4問
大問5 海洋と気象 5点×4問 日本の気象 5点×4問

平成26年度

第一回 第二回
大問1 太陽 5点×4問 宇宙の誕生 5点×4問
大問2 太陽系の惑星 5点×4問 太陽系の惑星 5点×4問
大問3 火成岩 5点×4問 プレートの運動 5点×4問
大問4 化石と地層 5点×4問 地層 5点×4問
大問5 地球の大気 5点×4問 大気の運動 5点×4問

 

目指すは8問正解!難易度は以前よりやや高めに

地学基礎の1問あたりの配点は5点です。8問正解を目指せば、合格ラインの40点を突破することができるでしょう。また、平成27年度あたりからこれまであまり見られなかった計算問題や考察問題が増えており、全体的に難易度が上がっているように思われます。とはいえ内容は教科書の基礎レベルですから、過去問題などでしっかりと対策すれば合格は可能でしょう。

 

2.「地学基礎」の出題傾向と対策

 

とにかく範囲の広い地学基礎!まず教科書の理解から

地学基礎は、私たちの住む地球やそれをとりまく宇宙全体について学ぶ科目です。それ故に、扱う範囲は膨大。高卒認定試験では、全範囲からランダムに出題されるため、「この部分はまず出ないから勉強はしなくていいや」などといった“山はり”ができません。教科書全体をまんべんなく押さえておくことが大事です。ここでは、「宇宙における地球」「地球の構造」「地球の歴史」「大気と海洋」の4つのテーマごとにみていきましょう。

 

【1】宇宙における地球

太陽や太陽系の惑星に関する問題は毎年出題されており、全体に占めるウエイトも高めです。銀河や太陽、太陽系の惑星の特徴について、過去問題を見ながら要点を押さえましょう。

 

宇宙の誕生と銀河

宇宙は138億年前にビッグバンと呼ばれる爆発的な自然現象によって誕生しました。ビッグバンや銀河系の模式断面図についてはよく問われますから、重要語句とともに暗記しておきましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

銀河系の円盤部の直径はおよそ10万光年バルジの直径は約1万5000光年、太陽系の銀河中心からの距離は約2万6000光年です。以上より、アは26000-15000÷2(バルジの半径)=18500の式が成り立ちますから、約1万8500光年であるとわかります。ウは銀河系の中心から太陽系とだいたい同じ距離にあるように見えることから26000×2=52000で約5万2000光年、エは図からおよそ10万光年と目測することができるでしょう。よって、正解は②のイとなります。

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(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

銀河系の円盤部の直径はおよそ10万光年ですから、別の銀河までの距離が10万光年以下であることは考えられません。よって、①と②はすぐに誤りであるとわかります。また、宇宙は誕生してから138億年です。つまり、138億光年以上遠く離れた星の光は地球に届きませんから、③が正しいとわかるでしょう。アンドロメダ銀河までの距離=230万光年は暗記しておくとよいでしょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

ビッグバンについては順序立てて覚えておきましょう。

【ビッグバン直後】宇宙は超高温となり、陽子や中性子、電子がバラバラに飛び回っていました。⇒【数分後】温度が下がり、陽子と中性子が結合してヘリウムとわずかな量のリチウムの原子核が形成されます。⇒【数十分後】さらに宇宙の温度が冷え、原子核の形成が進まなくなります。⇒【38万光年】宇宙の温度が約3000度まで下がり、それまで飛び回っていた電子が原子核に取り込まれ、水素原子ヘリウム原子がつくられます。また、この現象により、光が長距離を進めるようになり、宇宙の見通しが良くなりました(宇宙の晴れ上がり)。⇒さらにその後、水素やヘリウムのガスが集まり宇宙最初の恒星が誕生。中心核で核融合を起こし、炭素や窒素など、鉄までの原子がつくられます。⇒その後、大質量の恒星は超新星爆発を起こし、この時にすべての原子が形成されました。

この問題ではビッグバンから数分後の事について問われているので、①が正解となります。

 

(平成26年度第二回試験問題より)

(平成26年度第二回試験問題より)

1929年、アメリカの天文学者ハッブルによって、宇宙は膨張していることが発見されました。この考え方は、ビッグバンの元にもなっています。よって答えは②となります。

 

太陽

太陽に関する問題は、過去3年連続で出題されています。太陽の中心部である中心核では、水素の原子核が激しくぶつかり合いヘリウムの原子核に変わることでエネルギーを放射しています。太陽の部位の名称や太陽で起こる現象を頭に入れておきましょう。

彩層…太陽の外側を包む約3000Kmの薄い気体の層
コロナ…太陽のいちばん外側を取り巻く大気
黒点…周囲より温度が低く、黒い斑点状に見える部分
プロミネンス…太陽活動が激しい時に彩層から噴き出す巨大な炎
フレア…彩層やコロナで突然起こる爆発現象

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

まず、宇宙が誕生したのが138億年前ですから、③と④はありえませんね。②の100億年は、太陽の寿命と考えれています。太陽の年齢約50億歳ですから、答えは①となります。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

太陽と月には大きな質量差がありますから、太陽が月の引力を受けることはありません。よって①は誤りです。太陽に小天体が落下することはありますが、黒点の数とは関連しませんから②も誤り。太陽の表面温度が低い部分を黒点と言いますが、太陽の表面全体が下がるわけではありませんから、③も誤りです。黒点の数は、太陽活動と相関関係があります。太陽活動が活発だと黒点が増えるため、正解は④となります。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

フレアが発生すると、放射線や太陽風が大量に放射されます。その一部は地球にも到達しますが、それらが地球の大気に入り込むことはありません。しかし、磁場の弱い極域では、地球の大気と電子を帯びた粒子が反応してオーロラとなったり、広い範囲に電波障害を起こしたりします。よって、③が正解となります。

 

太陽系の惑星

太陽系の惑星に関する問題は、過去3年連続で出題されています。太陽系の惑星のそれぞれの特徴や性質について押さえておきましょう。

太陽型惑星 水星、金星、地球、火星 直径が小さい・密度が大きい・表面が固体で出来ている
木星型惑星 木星、土星、天王星、海王星 直径が大きい・密度が小さい・表面が固体ではない

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは、簡単な計算を含む新傾向の問題です。きちんと押さえておきましょう。地球と惑星Aがもっとも離れるのは、下図のような位置関係にあるときですね。

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地球から太陽までの距離は1.0天文単位ですから、
1.0+1.5=2.5(天文単位)より、正解は④となります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは上の問1に続く問題です。この問題も、考察的要素が含まれる新傾向問題です。表1の諸量より、AとBは地球型惑星、CとDは木星型惑星であるとわかりますね。小惑星の多くは、火星と木星の公転軌道の間にある小惑星帯に分布していますから、消去法で②が答えであるとわかるでしょう。なお、Aは火星、Bは金星、Cは土星、Dは木星となります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

①…惑星の表面が固体なのは地球型惑星の特徴ですから誤り。③…一般的に、惑星は中心にいくほど密度が大きくなりますから誤り。④…惑星の大気はそれぞれの星によって大きく異なります。地球の大気の主成分は酸素と窒素ですが、金星や火星の主成分は二酸化炭素です。よって④も誤りです。以上より、②が正解となります。全ての惑星の内部は層構造を形成しています。地球型惑星は中心に鉄などの核があり、その外側にケイ酸塩鉱物のマントルと地殻があります。木星型惑星は中心に岩石や鉄などの核があり、その外側に液体水素や氷などのマントル、さらに外側に水素やヘリウムなどの層があります。

 

【2】地球の構造

「地球の構造」の分野は、「宇宙における地球」に次いで出題頻度の高い分野です。地球の内部構造と構成物質、火山や地震について、過去問題を見ながら傾向を探りましょう。

 

地球の構造

地球の構造やプレートの運動について押さえましょう。特に、地球の大きさ(半径や体積など)にまつわる計算問題には注意が必要です。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

地球は、中心部から鉄とニッケルからなる固体の内核⇒鉄とニッケルからなる液体の外殻⇒かんらん岩質の岩石からなるマントル⇒最外層に花こう岩や玄武岩からなる地殻の順番で層構造を成しています。よって、④が正しい答えとなります。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

これは、上の問に続く問題です。簡単な計算を含みますから要注意。CとDの境界が地表から5100Kmのところにあることから、Dの半径は1300Kmであることがわかります。球の体積は半径の3乗に比例することから、
Dの体積=1300、地球の体積=6400
となりますね。地球全体の体積の何パーセントかを求めなくてはならないので、

(1300÷6400)×100=0.8(%)より、答えは①となります。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

こちらも簡単な計算問題です。地球の全周は、問題文よりL=d×3600×360で求められますから、
0.031×3600×360=40176(Km)となります。

次に、地球の半径Rは、問題文よりR=L/(3.14×2)で求められますから、
40176/(3.14×2)≒6397(Km)となりますね。

よって、②が正解となります。

簡単な計算で解けますが、地球の半径=6400Kmは暗記しておくとよいでしょう。

 

(平成27年度第二回試験問題より)

(平成27年度第二回試験問題より)

プレートには大陸プレートと海洋プレートがあります。大陸プレートが互いに近づく境界では褶曲山脈が作られ、大陸プレートと海洋プレートが近づく境界では海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込み、海溝が作られます。よって、①が正解となります。

 

火山

火山に関する問題は、平成28年度の第一回、二回の両方で出題されました。火山のしくみやプレートとの関係について押さえておきましょう。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

マグマは地下深部で岩石が溶融し発生します。高温の液体であるマグマは、周りの岩石よりも比重が小さいため浮力によって上昇し、地下5~10Kmで滞留してマグマだまりをつくります。これは、周囲の岩石との比重が等しくなるからです。よって、③が正解となります。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

火山噴火のしくみについて押さえておきましょう。マグマはマグマだまりで滞留しているうちに比重が小さくなり、上昇していきます。すると、全体の圧力が下がりマグマに含まれていたガス(水蒸気二酸化炭素)が気体となって発泡し、体積が増加します。すると周囲に力が加わり、地表の割れ目などを通って一気にマグマが噴出します。よって、③が正解となります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは、考察要素を含む新傾向の問題です。図2を見てみましょう。東経140~145度あたりに南北に走る境界線がありますね。境界の東側が太平洋プレート、西側がフィリピン海プレートです。二つのプレートの境界は沈み込み、海溝(伊豆・小笠原海溝)となっています。よって、答えは④となります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは上の問1に続く問題です。図3の濃い色で示された部分は、新しく流れ出た溶岩流ですね。よって、③が正解となります。なお、①の火山活動の熱で海水が蒸発し爆発が起きることを水蒸気爆発と言いますが、それで島が拡大することはありません。②のようにカルデラが生じた場合、火口付近が陥没し巨大な凹地がつくられますが、島の拡大とは関係しません。④のように、海水温が上昇することでサンゴが急成長する事例は確認されていません。

 

地震

地震は、地層や岩石に力が加わることでずれ動く断層運動により発生しますが、断層は正断層逆断層横ずれ断層に分類できます。地震のメカニズムや、地震の規模を表すマグニチュード・揺れの大きさを示す震度などについて押さえておきましょう。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

地震の発生地点(破壊が始まった地点)を震源といい、その真上にあたる地表の点を震央といいます。また、本震の後に引き続きおこる地震を余震といいます。なお、本震は一回しか発生しません。よって、正解は②となります。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

マグニチュードと震度は混同しやすいので注意しましょう。地震が発するエネルギーの大きさを表したものがマグニチュード、揺れの大きさを表したものが震度です。よって①は誤り。初期微動継続時間は震源からの距離によって決まりますから②も誤り。マグニチュードは震度と違って上限がありませんから④も誤り。よって、③が正解となります。マグニチュードは対数で表され、数字が1大きくなると約32倍に、2大きくなると約1000倍となります。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

日本の震度階級は震度0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7の10段階に分かれています。よって、④が正しい内容となります。

 

【3】地球の歴史

「地球の歴史」の分野は大きく「地層の形成と構造」と「地質時代と化石」に分けられます。大問4で問われることが多く、近年は図や写真を元に考える考察型の問題が増えています。それぞれの出題傾向や要点を押さえておきましょう。

 

地層の形成と構造

地層には、その時代の地球の環境や生物の様子が記録されています。地層のでき方や、地形が形作られるしくみを押さえましょう。また、模式断面図は読み解けるようにしておきましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

地下から貫入した熱いマグマに接した地層の岩石は熱で変化してしまいます。これを接触変成作用といいます。変化した岩石は接触変成岩と呼ばれ、②のホルンフェルスが正解となります。なお、①のアセノスフェアは地球内部の構造の名称、③の安山岩は火山岩の一種、④の花こう岩は深成岩の一種です。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは、上の問1に続く問題です。漣痕(リプルマーク)とは、堆積した地層の表面を空気や水が流れることで作られた微地形です。よって、①が正解となります。なお、②の生息していた生物が移動した跡を生痕化石といい、④の地層が曲がった跡を褶曲といいます。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

これは、上の問2に続く問題です。模式断面図を読み解く考察問題になっています。まず、B層とC層の境界は浸食を受け平行になっていませんから、両者は不整合の関係であるとわかります。したがって、C層にはB層の凝灰岩が含まれる可能性がありますね。よって、④が正解となります。なお、A岩体は、B~D層が堆積した後にマグマが貫入してできたものと考えられるため、C層の礫にA岩体の深成岩が含まれる可能性はありません。

 

(平成27年度第二回試験問題より)

流水によって岩石や地層の表面がけずられる作用を浸食作用といいます。浸食によりけずられた粒子が水流などで運ばれる過程を運搬作用、運搬された粒子が川や海の底にたまっていくことを堆積作用といいます。よって、①が正解となります。河川の3作用はきちんと押さえておきましょう。

 

(平成27年度第二回試験問題より)

(平成27年度第二回試験問題より)

流れが穏やかな水中で泥や砂が堆積するときは、大きい粒子ほど速く、小さい粒子ほど遅く沈降します。このように、下位から上位に向けて粒子の大きさが細かくなっていく構造を級化層理といいます。よって、②が正解となります。

 

地質時代と化石

地質時代の暗記は基本中の基本です。下図は大まかな地質時代の流れですが、できればデポン紀やジュラ紀など、地質年代をさらに細分化した「紀」も覚えておくとよいでしょう。また、それぞれの時代の代表的な生物(示準化石)を覚えることも忘れずに。

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<代表的な示準化石>

古生代 三葉虫、フズリナ(紡錘虫)
中生代 イノセラムス、始祖鳥、アンモナイト、三角貝
新生代 メタセコイア、カヘイ石、ビカリア、デスモスチルス

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

文中に、古生代は5.4億年前に誕生したとありますね。地球が誕生したのは約46億年前ですから、その前はすべて先カンブリア時代となります。よって、正解は④ですね。なお、中生代は約2.5億年前、新生代は約6600万年前に始まりました。古生代の期間は約2.9億年、中生代は約2.4億年、新生代は約6600万年となります。それぞれの時代がいつごろ始まったのかは頭に入れておきましょう。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

約38億年前、地球上で初めに誕生したのは、単細胞で核を持たない原核生物です。その後約21億年前に単細胞で核を持つ真核生物が現れました。多細胞生物が現れたのは、先カンブリア時代末の約6億年前です。よって、②が正解となります。なお、硬い殻や歯を持つ生物や脊椎動物が現れたのは古生代のカンブリア紀(約5.4億年前)、陸上に生息する生物が現れたのは古生代のシルル紀(約4.4億年前)です。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

フズリナ(紡錘虫)は、古生代ペルム紀の示準化石です。まず、①の被子植物が現れたのは中生代、④の全球凍結は先カンブリア時代です。②のように地球が海洋だけになったことは、古生代以降ありません。よって、③が正解となります。なお、ペルム紀末には、全生物の96%が絶滅したとされる地球史上最大規模の大量絶滅が起こりました。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

この問題は示準化石を暗記しているかどうかがカギとなりますね。トリゴニアは中生代、カヘイ石(ヌンムリテス)デスモスチルスは新生代、ロボクは古生代の生物です。よって、③が正解となります。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

①はビカリア、②はサメの歯、③は三葉虫、④はカヘイ石です。よって、③が正解となります。代表的な化石は図と共に覚えておくようにしましょう。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

示相化石は環境を特定するのに役立つ化石です。よって、特定の環境にのみ生息する生き物の化石がこれに当てはまります。人類は様々な環境で生活していますから①は誤り。③のシジミはもともとの生息地とは別のところに運搬されていますからこれも誤り。④のさまざまな環境で生息できる細菌も誤りですね。よって、②が正解となります。

 

【4】大気と海洋

「大気と海洋」では、地球の熱収支、大気の運動、海流の循環など、幅広い分野を扱います。ひとつのテーマのみを取り上げることもあれば、「熱収支と大気」や「大気と海洋」、「海洋と気象」など、いくつかのテーマを融合した問題も見られます。それぞれの関連性を押さえておきましょう。

 

熱収支

地球は太陽から熱エネルギーを受け取り(太陽放射)、地球からも熱エネルギーを発しています(地球放射)。地球全体の熱収支について押さえましょう。熱収支の簡単な計算や、太陽定数を用いた計算のやり方を理解しておきましょう。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

太陽が放出する可視光線などの電磁波を太陽放射、地球が放出する赤外線の電磁波を地球放射といいます。よって、①が正解となります。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは、上の問1に続く問題です。熱収支は宇宙・大気・地表面でそれぞれ釣り合っています。まず、「大気への入射量(大気に向かっている矢印の総量)」=「大気からの放射量(大気から出ている矢印の総量)」ですから、図1より「地表面からの伝導・対流+水の蒸発+太陽放射の吸収+吸収C」=「大気からの放射+地表面への吸収」となります。これを解くと

7+23+20+C=57+95
C=102

よってCは102となります。

次に、「太陽放射」=「地球放射(宇宙に向かっている矢印の総量)」ですから、宇宙へ放射される電磁波の総量が太陽放射と等しくなる必要があります。図1より「太陽放射」=「地表面からの反射+大気における反射・散乱+大気からの放射+地表面からの放射D」となります。これを解くと

100=9+22+57+D
D=12

よってDは12となります。したがって、正解は③です。

 

(平成28年度第一回試験問題より)

(平成28年度第一回試験問題より)

これは、上の問2に続く問題です。地球が太陽放射からもらっているエネルギー量は、太陽定数で求めることができます。図1より、太陽放射を100としたとき、大気で反射・散乱されるのは22、地表面で反射されるのは9ですから、合わせた反射量は

(22+9)÷100=0.31となります。

太陽定数は1.37kW/㎡ですから、

0.31×1.37=0.4247≒0.425(kW/㎡)

したがって②が正解となります。

 

大気の構造と運動

地球の大気の構造や、大気の循環と気象との関係について押さえておきましょう。この分野に関しては平成26年度を最後に出題されていませんので、重点的に学習しておいた方がいいかもしれません。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

地球の大気は対流圏成層圏中層圏熱圏の四つに分けられます。ほとんどの気象現象は対流圏の中で起こっています。よって答えは③です。図2に示された大気の構造は覚えておきましょう。

 

(平成26年度第一回試験問題より)

(平成26年度第一回試験問題より)

アは大気の温度を表しています。よって、③が正解となります。地表に一番近い対流圏では、太陽のエネルギーを吸収した地表面が大気を下から温めるため、高度が下がるほど気温が高くなっていきます。成層圏にはオゾン層がありますね。オゾン層には太陽からの紫外線を吸収し熱を出すはたらきがあります。よって、オゾン層より上空では温度が徐々に高くなっていきます。中間圏では、高度とともに気温が低下します。熱圏は、太陽からのX線などを直接吸収するため、非常に高温となっています。

 

(平成26年度第二回試験問題より)

(平成26年度第二回試験問題より)

白枠の部分は北緯25°付近で、ハドレー循環の北の端にあたります。ハドレー循環とは、赤道付近から亜熱帯にかけての大気の循環のこと。赤道付近であたためられた大気が上空で極方向へと移動し、南北緯25°付近で下降し、また地表面を赤道方向へ移動していきます。したがって、北緯25°付近は下降気流となり、雲は発生せず、地表は高圧となります。よって正解は①となります。なお、実際にこの地域には砂漠が広がっています。

 

(平成26年度第二回試験問題より)

(平成26年度第二回試験問題より)

大気の運動は太陽放射がもとになって起こります。地球は球体ですから、日射量は緯度によって異なります。そのため、緯度が低い場所では太陽放射によりあたためられることで低圧に、緯度が高い場所では太陽放射を受け取る量が少ないため高圧となり、大気の流れが起こります。よって、②が正解となります。

 

海洋の循環

海洋にまつわる問題は、平成28年度第二回と平成27年度第一回問題で取り上げられています。海洋の構造や、海洋の循環と気象との関係について押さえておきましょう。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

これは、深層循環に関する考察問題です。図1の薄い色の矢印が表層流、濃い色の矢印が深層流を表しています。つまり、矢印が薄い色→濃い色となるところが、海水が沈み込む箇所ですから、地図上で当てはまるのは、グリーンランドの沿岸と北大西洋であるとわかります。よって、④が正解となります。

 

(平成28年度第二回試験問題より)

(平成28年度第二回試験問題より)

海洋は、水面から順番に表層混合層水温躍層主水温躍層)、深層に分けられます。表層混合層では、風の影響で海水が常に混ざり合うため、温度差が見られません。水深数十m以下の水温躍層では、深度とともに水温が低下していきます。水深500m以下の深層では、季節や緯度を問わず水温は一定です。これらより、①が正解となります。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

図1では南米沖からオーストラリア東部海域にかけて海水温が上昇していますね。この現象をエルニーニョといいます。よって④が正解となります。これとは逆に、図2のように南米沖からオーストラリア東部海域の海水温が低くなる現象をラニーニャといいます。赤道反流とは、赤道の南北を西から東へ流れる海流のことです。フェーンは湿った空気が山を越えることで乾いたあたたかい風へと変わる現象です。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

これは上の問1に続く問題です。赤道付近では、南北緯30°付近の亜熱帯高圧帯から赤道低圧帯に向かって東風が吹いています。これを貿易風といいます。よって、③が正解です。①の偏西風は、中緯度の上空を東から西へと吹く大気の流れです。②の海陸風は海洋と大陸の温度差で吹く風のこと。④のジェット気流とは、対流圏上層にうまれる強い偏西風の流れです。

 

(平成27年度第一回試験問題より)

(平成27年度第一回試験問題より)

これは上の問2に続く問題です。X-Y付近の地域では、東風(貿易風)が吹いていますから、③と④は誤り。東風により赤道上で温められた海水がインドネシア付近に寄せられますから、南米側には冷たい海水がわき上がってきます。エルニーニョ現象が発生しているときは東風が平常時より弱まります。そのため、暖水が太平洋中央部にたまり、冷たい水のわき出しも弱まります。よって、②が正解となります。なお、①は平常時の状態です。

 

気象

主に、日本の気象について問われます。天気図の読み取りや四季の天気の特徴などについて押さえておきましょう。気象にまつわる問題は、大気や海洋の循環と関連付けて出題されることもありますから注意が必要です。

 

(平成27年度第二回試験問題より)

(平成27年度第二回試験問題より)

前線とは、暖気と寒気の境界です。暖気に寒気が乗り上げると温暖前線、寒気に暖気が乗り上げると寒冷前線となりますが、どちらの場合も暖気が上昇気流となって雲が発生しやすくなります。よって、①が正解となります。

 

(平成27年度第二回試験問題より)

(平成27年度第二回試験問題より)

これは上の問1に続くもので、天気図の読み取り問題です。ひとつずつ考察していきましょう。①…北海道には温暖前線があります。温暖前線の前面には雲ができやすいため、北海道東部は曇りまたは雨となります。②…東北地方の太平洋側では北にある低気圧に向かって反時計回りに風が吹き込みますから、南西の風が吹いています。④…沖縄に近づいているのは台風ではなく温帯低気圧です。よって、③が正しい内容となります。

 

(平成26年度第二回試験問題より)

(平成26年度第二回試験問題より)

台風が前線に近づくと、南から暖かく湿った空気を運び前線を活発化させることがあります。よって①が正解となります。なお、台風の中心気圧は非常に低く、その周囲では非常に強い風が吹く為、通過後もしばらくは波が高い状況が続きます。また、台風は熱帯低気圧が発達したもので、海水温の高いところで発生します。

 

3.「地学基礎」を攻略する三つのポイント

 

【その一】まだ出題されていない分野をチェック

全範囲からランダムに出題される地学基礎では、優先順位の付け方が難しいですよね。その場合は、まだ出題されていない分野から順に勉強していくとよいでしょう。地球の環境問題や日本の自然災害などについてはあまり出題されていませんから、注意が必要です。また、しばらく出題されていない分野にも警戒を。

 

【その二】計算問題はわからなければ後回しでOK

以前にくらべ、計算問題が増加傾向にある地学基礎。高卒認定試験は100点満点を取る必要はありませんから、問題を読んで「時間がかかりそう」と判断した場合は後回しにしてしまってOK。時間に余裕がある場合はぜひ取り組んでみてください。

 

【その三】得意分野をのばすより、苦手分野を減らそう

地学基礎では、得意分野を極めても、その分野が出題されなければ意味がありません。どの分野から出題されても大丈夫なように、全分野を基礎レベルまであげておく必要があるのです。まずは過去問題を解いてみて、自分の“弱点”を見極めることから始めましょう。

 

まとめ

地学基礎では、オゾン層の破壊、エルニーニョ現象、マグニチュードなど、テレビなどで耳にしたことのある単語がたくさん出てきますね。学んだ言葉をニュース番組や新聞などで見かけたら、理解を深める大チャンス!天気予報の天気図なども自分の知識を交えて見ると面白いかもしれません。

 
 

 

【参考記事】高卒認定試験の過去問の傾向と対策一覧

 

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