高卒認定試験、過去問から見る「地理」の傾向と対策

地理は、高卒認定試験の中でも最も合格率の高い科目のひとつと言われています。社会科の選択科目の中でも、地理を選択しようと考えている人は多いのではないでしょうか?ここでは、過去問題を読み解きながら、地理の出題傾向や対策について解説していきます。

高卒認定試験、過去問から見る「地理」の傾向と対策

1.「地理」の問題構成と出題範囲

 

暗記が苦手なら迷わず地理を選ぼう

高卒認定試験の社会は選択制になっており、地理もそのなかのひとつです。ここで、社会の選択科目について整理してみましょう。

地理歴史 世界史 必修
日本史 日本史 or 地理
どちらかを選択
地理
公民 現代社会 現代社会 or 倫理と政治経済
どちらかを選択
倫理 + 政治経済

地理歴史分野は、必修の世界史に加え「地理」か「日本史」のどちらかを選択しなければなりません。近年の日本史と地理の平均点・合格率を見ると、日本史よりも地理の方が高い傾向にあるようです。「暗記力に自信がない」「歴史はちょっと苦手」といった方は、ぜひ地理を選択してください。

 

オススメはより“狭く浅い”「地理A」

地理は、「地理A」と「地理B」の2種類の問題から選択して受験します。どちらも地図や統計資料などのデータを読み取る問題が主となっています。難易度にさほど違いはなく、世界史や日本史のように、出題範囲が大きく異なるといったこともありません。しいて挙げれば、自然環境や国家、民族、産業など、「地理B」の方が少しだけ出題範囲が広く、かつ“深く掘り下げた”内容が出題される傾向にあります。より確実に合格を目指すなら、「地理A」を選ぶのが得策でしょう。以下では主に、「地理A」についての傾向と対策を述べていきます。

問題構成、出題範囲に大きな変化はなし

地理は大問5題、小問20問で構成されています。平成26年度までは大問1~4が共通問題、大問5・6はどちらか一方を選ぶ選択問題となっていましたが、平成27年度からは全て共通問題となりました。平成27年度・28年度の「地理A」の問題構成と大まかな出題範囲は以下の通りです。ほぼ同じようなテーマで構成されていることがわかりますね。

 

平成27年度

大問1 地球儀や地図から捉える現代世界 合計20点
大問2 西アジアの生活と文化 合計20点
大問3 地球規模の自然環境と文化 合計20点
大問4 自然環境と防災 合計20点
大問5 身近な地域の自然と生活 合計20点

 

平成28年度

大問1 地球儀や地図から捉える現代世界 合計20点
大問2 世界の生活・文化の多様性 合計20点
大問3 地球的課題の地理的考察 合計20点
大問4 自然環境、防災、身近な地図 合計20点
大問5 身近な地域の自然と生活 合計20点

 

目指すは8問正解!教科書の基本は押さえよう

地理の1問あたりの配点は5点です。8問正解を目指せば、合格ラインの40点を突破することができるでしょう。示された資料をもとにその場で考える問題がメインとなっていますが、教科書レベルの基礎知識は必要です。教科書の重要語句を押さえておくのを忘れずに!

 

2.「地理」の5つの出題傾向と対策

 

問題はずっしり40ページ!大量の資料を読み解く地理

とにかくページ数が多いのが地理の特徴です。その理由は、図や表、地図などの資料が多いから。ひとつの問題につき、資料が1~4つほど提示され、なかにはそれが数ページにわたって続くことも。地理の問題で問われるのは暗記した知識より、それらの図や表、地図を読み解く能力なのです。それぞれどのような問題が出題されているのか、「地球儀や地図から捉える現代世界」「世界の自然環境や文化の多様性」「現代世界の課題」「自然環境と防災」「身近な地域」のテーマごとに見ていきましょう。

 

【1】地球儀や地図から捉える現代世界

世界地図の特徴や見方、時差、北半球と南半球の違い、国境、貿易、交通など、世界を地図上から捉えた問題が出題されます。実際にどんな問題が出題されているのか、過去の問題を見てみましょう。

 

正距方位図法についての問題

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

これは、正距方位図法に関する問題です。正距方位図法とは、中心点からの距離と方位が正しく示されたもので、飛行機の最短経路や方位を見るために使われます。また、正距方位図法では緯度に関係なく、中心点から離れるほど大陸の形がゆがみます。よって、①は誤りです。大陸の面積や形も正しく表されていませんから、②も誤り。東京から見たロンドンの方位は北北東ですから、③も誤りですね。よって、正解は④となります。資料2と資料3を見比べると、ロンドン・東京間よりもニューヨーク・シドニー間の距離の方が長いとわかりますね。

 

時差にまつわる問題

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

これは、時差と季節に関する問題です。資料4から、各店舗はいずれも午前10時に開店しているとわかりますね。この地図では、経線が15度ごとに引かれています。西へ15度すすむごとに時刻は1時間遅くなりますから、バンコク時間は日本時間より2時間遅く、ロンドン時間は日本時間より9時間遅いとわかります。また、南半球にあるオーストラリアの都市メルボルンは、北半球にある日本とは季節が逆になりますから、答えは③の組み合わせとなります。

 

南半球と北半球の違いについて

(平成27年度第一回「地理A」より)

(平成27年度第一回「地理A」より)

これは、南半球と北半球の季節の関係について問う問題です。フィンランドのクリスマス切手には雪が、オーストラリアの切手にはサーフィンをするサンタクロースが描かれていますね。よって、クリスマスの頃、北半球のフィンランドは冬、南半球のオーストラリアは夏であるとわかります。さて、季節の変化は、地軸の傾きによってもたらされます。地球が南半球の広い地域を照らされる位置にあるときに、オーストラリアは夏、フィンランドは冬となりますから、XはBとなります。また、昼間時間は夏期に長くなりますから、Y、Zにはそれぞれア、イがあてはまります。よって正解は③となります。

 

国境にまつわる問題

(平成27年度第一回「地理A」より)

(平成27年度第一回「地理A」より)

経線や緯線を利用した国境を人為的国境と呼ぶのに対し、河川や山脈など地形を利用した国境を自然的国境と呼びます。また、EUは1993年に設立されたヨーロッパの地域連合のこと。共通通貨ユーロを導入するなど、経済的な地域統合を進めるほか、政治的な統合も目指しています。MERCOSUR(南米南部共同市場)とは1995年に設立された南米の関税同盟のことですから、EUについて述べているのはアであるとわかるでしょう。よって、①の組み合わせが正しいとわかります。

 

世界の貿易にまつわる問題

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

資料9より、北アメリカは中南アメリカに対しては輸出額が輸入額を上回っていますね。よって①は誤りであるとわかります。資料10より、アジアの輸出額は1973年が〔579億ドル×19.0%=約110億ドル〕、2013年が〔18,301億ドル×38.9%=約7119億ドル〕ですから、約60倍以上になっているとわかります。よって②も誤りです。また、2013年に世界全体の総輸出額に占める割合が最も大きい地域はヨーロッパですね。資料9を見ると、ヨーロッパの地域内への輸出額は5,369億ドルで最も多いとわかりますから、③が正しい内容であるとわかります。2013年の世界全体の総輸出額に占める割合が最も小さいアフリカは、資料9を見るとヨーロッパへ最も多く輸出しているとわかりますから、④も誤りですね。じっくりていねいに資料を読み解けばわかる問題でしょう。

 

世界地図に関する基本知識は必須!

とくに正距方位図法、時差、北半球と南半球の関係についてはかなりの頻度で出題されているので、必ず押さえておきましょう。この問題では地図や資料を読み解くと同時に、基本的な世界地図や時差に関する知識も必要となってきます。教科書の重要ポイントをきちんと押さえておきましょう。

 

【2】世界の自然環境や文化の多様性

自然環境、文化、宗教、経済など、世界のさまざまな地域の生活のようすを掘り下げる問題が出題されます。実際にどんな問題が出題されているのか、過去の問題を見てみましょう。

 

世界の食文化

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

これは、世界各国の食文化についての問題です。Aはベトナム料理のフォー、Bはスペインの代表的な料理パエリア、Cは韓国料理のビビンバ、Dはハワイのロコモコです。スペインはヨーロッパの南西部に位置する国ですね。パエリアが思い当たらない場合も「オリーブオイル」というワードから、ヨーロッパ・地中海近辺の料理であると予想できるでしょう。ヨーロッパを示す選択肢は②しかありませんから、答えは②であるとわかります。なお、ベトナムは③、韓国は④、ハワイ島は①です。特別な地理の知識がなくとも、常識の範囲内で答えられる問題でしょう。

 

世界の気候と住居

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

これは、世界各国の気候と住居にまつわる問題です。①は「屋根は平らになっている」「窓はとても小さく」という表現から、Dであるとわかります。Dは、エジプトの農村地帯に見られる家屋で、砂漠気候に対応するつくりになっています。②は「窓を大きくする」という表現から、Aと予測できますね。Aはオランダに見られる家屋で、高緯度に位置するため、日照時間の短い冬に対応するつくりとなっています。③は「窓は小さく」「よろい戸がついている」という表現から、Cであるとわかるでしょう。Cは、イタリア南部に見られる家屋で、夏に乾燥する地中海性気候に対応するつくりとなっています。よって、消去法からBを指すのは④となります。「二重窓」かどうかは絵からはわかりませんが、「窓は小さい」という表現は絵と合致しますね。Bは、スイスの山岳地方に見られる伝統的な家屋で、冬の寒さに対応したつくりが特徴です。地理の知識がなくても、それぞれの絵と文章を照らし合わせていけば、答えを導き出すことは可能でしょう。

 

世界の言語について

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

これは、シンガポールの言語にまつわる問題です。資料6でシンガポールは多民族国家であることを示していますから、Xは「異なる民族が互いに意思疎通をするため」であるとわかるでしょう。Y、Zについてはグラフを読み解けばOK。資料8より、「全ての年齢層において英語を話す割合が30%未満」になっているのはマレー系であるとわかります。「55歳以上の年齢層でも英語を話す割合が30%以上」なのはインド系ですね。よって、答えは②の組み合わせとなります。

 

世界の気候について

(平成27年度第一回「地理A」より)

(平成27年度第一回「地理A」より)

これは、西アジアの気候についての問題です。資料1より、イスタンブールの標高は500m未満、テヘランの標高は1,000m以上であることがわかります。資料2を見ると、Aの背景には山が、Bの手前には水面が映っていますから、Aがテヘラン、Bがイスタンブールであると予想できます。また、地中海に近いイスタンブールは、夏に乾燥し、冬に雨が多い地中海性気候に属すことに気付けるかどうかがポイント。テヘランは年間を通して降水量が少ない乾燥帯のステップ気候に属します。よって答えは①の組み合わせとなります。

 

与えられた資料や写真を読み解けるかどうかがポイント

世界各地の文化にまつわる問題では、提示された資料や写真をいかに読み解けるかどうかがカギになります。また、自分の持っている知識を生かし、答えを予測する力も求められるでしょう。気候について問う問題では、世界の気候区分についての基本知識も必要ですから、しっかりと押さえておきましょう。

 

【3】現代世界の課題

資源や環境、人口問題、食料問題など、今の地球が抱える課題をテーマにした問題が出題されています。過去の問題を見ながら傾向を探っていきましょう。

 

資源にまつわる問題

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

資料1と資料2を見比べると、メタンハイドレートの推定埋蔵地域と南海トラフの位置が同じであることがわかります。よってXには「南海トラフ」があてはまります。次に、資料3の二酸化炭素の排出量を見てみましょう。天然ガスによる発電は、設備・運用時に排出量が多く、燃焼時に少ないことがわかりますね。よって、答えは④の組み合わせとなります。

 

自然環境についての問題

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

これは、酸性雨に関する問題です。①から順番に文章と資料の内容を照らし合わせていきましょう。資料5を見ると、pH5.7以上の観測地点が複数ありますから、①は誤りです。また、日本と大韓民国の両方でpH5.1以上5.4未満の地点が見られるため、②も誤り。赤道に近いインドネシアやマレーシアにpHの値が低い観測地点が見られますから、③も誤りとわかります。よって正しい内容は④となります。④の内容を検証するよりも、①~③が誤りであるとわかれば早く答えを導き出すことができますね。赤道の位置を正しく理解しているかどうかもポイントとなるでしょう。

 

人口問題について

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

従属人口指数の計算式を見ると、分母に生産年齢人口、分子に年少人口がありますね。従属人口指数が高いということは、分母が小さく、分子が大きいという意味ですから、Xには「年少人口率」があてはまるとわかります。また、生産年齢人口率が低いほど従属人口指数は高くなりますから、資料12より、2050年に最も従属人口指数が高くなるのは生産年齢人口率が最も低い「日本」であると予測できるでしょう。よって、答えは①の組み合わせとなります。

 

食料問題について

(平成26年度第一回「地理A」より)

(平成26年度第一回「地理A」より)

会話文に「消費する割合が6割」、「消費者の食料破棄が多い」とありますから、ヨーロッパの食料の消費状況を指すのはイのグラフであるとわかります。また、「食べ残しなどで捨てられている」とあることから、改善策としてはBがあてはまるとわかりますね。よって答えは④の組み合わせとなります。会話文をしっかりと読めば答えは簡単にわかるはずです。

 

数値やグラフをじっくり読み解く問題が多め

表やグラフなどのデータを読み解く問題が多いのが特徴です。一見難しそうに見えますが、逆を言えば知識を問う問題はあまり出題されないということ。過去問題を多くこなし、データの読み解きに慣れておく必要があるでしょう。

 

【4】自然環境と防災

気候の特色や地形の特徴など、自然環境と災害の関連性について問う問題が出題されます。実際の問題を見ながら傾向を探っていきましょう。

 

地形と災害の関係性について

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

資料5と6の地図を見比べてみましょう。A付近は地形が変わっていますね。どうやら埋め立てられているようです。「勝平山」周辺のBには大きな地形の変化はありません。よって、アはAとなります。次に、液状化とは大きな地震によって海岸に近い河口や埋め立て地などの砂地盤が液体状になる現象のことです。土石流とは、大雨や地震によって土砂と水が混ざり合い、山の斜面を流れる現象ですから、A付近では液状化が、Cでは土石流による被害が懸念されます。よって、①の組み合わせが正しいとわかります。

 

日本の自然環境と災害について

(平成27年度第一回「地理A」より)

(平成27年度第一回「地理A」より)

まず、津波被害が予想されるのは沿岸部ですから、「津波」はイであるとわかります。次に、火山噴火は火山のある内陸部で発生すると考えられますね。土砂災害は大雨や地震、火山噴火などさまざまな理由から起こるため、全国各地で起こることが予測されます。よって、「火山噴火」がア、「土砂災害」がウであるとわかるでしょう。①の組み合わせが正解となります。

 

津波警報と非難行動について

(平成27年度第一回「地理A」より)

(平成27年度第一回「地理A」より)

東日本大震災でもそうだったように、津波は河川をさかのぼり、内陸まで大きな被害をもたらします。津波警報が出されたときは内陸の高台に避難するのが望ましいですが、難しい場合は資料5に示された地域避難所や緊急避難場所に避難するのが望ましいでしょう。よって、②の「河川沿いは堤防があるため安全」という記述が誤り。他の記述はすべて正しい内容となります。

 

ハザードマップの読み取り問題

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

資料7を見ると、新川病院や坂町公民館など、公共施設の中には「水に浸かりやすい場所」に位置するものもあることがわかります。よって、①の「周囲より標高の高い場所にある」という部分が誤りとなります。その他の選択肢については、資料7と8を見比べれば正しい内容であるとわかるでしょう。

 

日頃から災害・防災に高い関心を持っておこう

自然環境と災害との関係や防災の知識を問う問題に加え、ハザードマップを読み解く問題も近年増えています。過去問題で傾向を掴んでおきましょう。日本は世界的に見ても自然災害の多い国です。地震、火山の噴火、台風、大雪、大雨など、日本が抱える様々な自然災害とその防災について、日頃から意識しておくことが大切ですね。

 

【5】身近な地域

日本の特定の地域の気候や地形の特色、産業や生活について出題されます。平成27年度第一回は岩手県、第二回は神奈川県、平成28年度第一回は秋田県、第二回は長野県にまつわる問題が出題されました。実際の過去問題を見てみましょう。

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

 

資料3の民謡は秋田県仙北市で歌われているものですから、Xは当然奥羽山脈を越えてきたAであるとわかりますね。東北地方の太平洋側では、初夏から夏にかけて吹く冷たい北東風「やませ」の影響で、冷害に見舞われることがあります。しかし、秋田県は奥羽山脈の西側に位置するため、この影響を受けません。奥羽山脈を越えて吹き下りる東風は気温が高くなるため、「宝風」となって豊作をもたらすのです。よって答えは②の組み合わせであるとわかります。

 

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

3つの地図を見比べて、選択肢の正誤をひとつひとつ確かめていきましょう。まず、資料7の「鹿野戸」の北側の水田地帯は、資料8でも水田のままですね。よって、①は誤りだとわかります。資料7の「七曲」付近の畑は、資料8では畑のまま、資料9では秋田自動車道の河辺JCTになっていますから、②も誤りです。資料8の「家畜市場」は資料9でも同じ位置にありますね。国際教養大学や森林技術センターは家畜市場の南に位置しています。よって③も誤り。正しい選択肢は④となります。秋田空港が完成したのは資料7と8の間、秋田自動車道が完成したのは資料8と9の時期であるとわかります。

 

(平成28年度第一回「地理A」より)

(平成28年度第一回「地理A」より)

資料12の「農業従事者の割合」を見ると、大潟村は農業従事者の割合が高いことがわかります。次に、「1農業経営体当たりの経営耕地面積」も全国値と比べると広く、大規模な農業経営が行われていることが読み取れます。「畑面積」と「水田面積」の割合を見ると、圧倒的に水田面積の割合が高いですから、稲作を中心とする農業が行われているとわかるでしょう。よって答えは②の組み合わせとなります。資料12の表を読み解けばわかる問題ですね。

 

(平成27年度第一回「地理A」より)

(平成27年度第一回「地理A」より)

資料4を見ると、最も開発面積が広い松園ニュータウンは1969年に開発が開始されていますから、①は誤りですね。資料5を見ると、盛岡駅の南側にニュータウンが開発されたのは1970年代ですから、②も誤りです。資料6より、松園ニュータウンでは、55~59歳より40~44歳の割合の方が高くなっているので、③も誤り。よって、④が正しいとわかります。資料6より、開発開始年が早いニュータウンほど65歳以上の割合が多いとわかりますね。これは、開発当初から入居している住人が、そのままニュータウンに住み続けていることを示しています。

 

(平成27年度第一回「地理A」より)

(平成27年度第一回「地理A」より)

昼夜間人口比率とは、特定の地域の昼間の人口と夜間の人口を比べたものです。100%を超える場合は、通勤や通学で昼間に人が集まる都市型の地域、100%を下回る場合は、通勤や通学で昼間に過疎化する地域であることを意味しています。また、都市型の地域では、商業、運輸業、サービス業などを含む第三次産業人口の割合が高くなると予想されます。これらから、資料9より、最も都市型の傾向が高いのはBの地域であるとわかりますね。よってBには、岩手県の県庁所在地である盛岡市があてはまると考えられます。次に、2011年の東日本大震災では、東北地方の太平洋岸が津波によって甚大な被害を受けました。資料9より、震災の影響を最も受けたのはCであるとわかります。沿岸に位置するのは八戸市のみですから、Cには八戸市があてはまりますね。よって、③の組み合わせが正解となります。

 

知らない地域の問題が出ても焦らず資料を読み解こう

日本のあらゆる地域を題材にしたこの問題では、自分の知らない遠くの県や市について問われる可能性も少なくありません。しかし、過去問題を見てわかる通り、資料を読み解けば誰でも解ける内容ですから、安心して取り組みましょう。逆に自分の住んでいる町や、よく知る地域についての問題が出たときは注意が必要です。資料を読み飛ばしたり、思い込みで解答しないように、問題文はきっちりと読みましょう。

 

3.「地理」を攻略する三つのポイント

 

【その一】問題ページ数が多い地理は時間配分がカギ!

地理の問題用紙はA・B合わせて80ページにもおよびます。実際の問題用紙を前にすると、その厚みにちょっぴり気後れしそうになりますが、そこはひとまず深呼吸。とにかく量の多い問題をこなしていくには時間配分が重要です。そのためにも、普段から過去問題に取り組むときは必ず時間を意識して。“いつも通りのペース”を心がけて試験にのぞみましょう。

 

【その二】確実に合格を目指すなら大問単位で切り捨てる

それでも時間が足りなくなってしまったら…。高卒認定試験は40点を突破すれば合格することができますから、思い切って大問ごと捨てることも考えましょう。新しい大問に取り組むには、また一から資料を読み解かなくてはなりません。時間がないからと焦って次の問題に進むよりは、今取り組んでいる問題をきっちりこなす方がいいでしょう。得意なテーマを扱った大問から先に解いていくのもひとつの方法です。

 

【その三】問題集よりも過去問を繰り返し解くのがベター

高卒認定試験の地理で必要なのは、暗記力より読解力です。資料や地図を読み取る力をつけるには、問題集よりも実際の過去問題を解くのがオススメ。AとBは内容にさほど差がありませんから、練習として両方を解いてみるのもいいでしょう。なるべく多くの問題を解き、出題形式に慣れておくことが大切です。

 

まとめ

日本史に比べて「合格率が高い」という理由から、多くの人が選択する地理。過去問題を解いてみて、問題の“クセ”に戸惑う人も多いでしょう。大量の地図や資料を読み解き、その場で問題と向き合っていく地理は、臨機応変な読解力が求められます。まずは地図に慣れることが地理を攻略する第一歩。勉強の際には、地図帳を常に傍らに置いておきましょう。自分の応援するサッカーチームはどこにあるのか、好きな映画やアニメの舞台となった国は…?など、勉強以外でも気になったことは積極的に調べてみましょう。海外の生活や文化を特集したテレビ番組などを観て知識を増やすのもオススメです。

 
 

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