高卒認定試験、過去問から見る「日本史」の傾向と対策

社会科の選択科目のひとつである日本史。興味のある人にとっては楽しく学べる科目ですが、覚えなくてはならない用語も多く、暗記が苦手な人にとっては難易度が高いイメージがありますね。ここでは、過去問題を読み解きながら、日本史の出題傾向や対策について解説していきます。

高卒認定試験、過去問から見る「日本史」の傾向と対策

1.「日本史」の問題構成と出題範囲

 

歴史&暗記力に自信があれば日本史を

高卒認定試験の社会は選択制になっており、日本史もそのなかのひとつです。ここで、社会の選択科目について整理してみましょう。

地理歴史 世界史 必修
日本史 日本史 or 地理
どちらかを選択
地理
公民 現代社会 現代社会 or 倫理と政治経済
どちらかを選択
倫理 + 政治経済

 

地理歴史分野は、必修の世界史に加え「日本史」か「地理」のどちらかを選択しなければなりません。「歴史が好き」という人は、世界史と少なからず関連のある日本史を選択するのがいいでしょう。しかし、近年の日本史の平均点や合格率を見ると、地理よりも低い傾向にあるようです。「暗記力に自信がない」「歴史はちょっと苦手」といった方は、地理を選択するのがオススメです。

 

認定合格だけが目的なら出題範囲の狭い日本史Aがオススメ

また、日本史は、日本史Aと日本史Bの2種類の問題から選択して受験します。日本史Aは幕末(開国)~現代に比重を置いた内容となっており、日本史Bは古代~現代まで各時代まんべんなく出題される傾向にあります。全く異なる内容というわけではなく、共通の設問もいくつか見られ、難易度的にはさほど大差はありません。しかし、Bの出題範囲はAのおよそ2倍。確実に合格を目指すなら、Aを選ぶのが得策でしょう。ただし、大学受験やセンター試験で日本史を受験する予定がある人は、Bを選ぶことをオススメします。

 

問題数は減少傾向に

平成24年度以降の日本史の小問数を見ると、日本史Aの小問数は38問→38問→34問→30問→30問、日本史Bが40問→40問→36問→30問→30問と徐々に減少傾向にあることがわかります。平成27年度以降は30問で統一されているようですから、今後もしばらくは同じ傾向が続くと予想されるでしょう。

過去3年(第一回のみ)の日本史A・Bそれぞれの問題構成と大まかな出題範囲は、以下の通りです。

平成26年度

<日本史A> <日本史B>
大問1 江戸時代末期の外交 合計11点 古代史と遣唐使 合計14点
大問2 19世紀後半の博覧会 合計18点 鎌倉~戦国時代の九州 合計14点
大問3 明治時代の朝鮮の植民地化 合計12点 江戸時代(元禄~享保)の歴史 合計14点
大問4 大正時代の経済や文化 合計17点 明治時代と東京遷都 合計14点
大問5 昭和時代前半の日本 合計15点 〔日本史A大問3〕の問1~3とおなじ 合計8点
大問6 公害と高度経済成長 合計9点 〔日本史A大問4〕の問6とおなじ 合計6点
大問7 戦前の玩具と世相 合計18点 〔日本史A大問5〕の問2~4とおなじ 合計8点
大問8 〔日本史A大問6〕の問1~2とおなじ 合計6点
大問9 古代~近代の相撲の歴史 合計16点

 

平成27年度

<日本史A> <日本史B>
大問1 江戸末期~明治初期 合計20点 縄文~平安時代の政治や文化 合計17点
大問2 日本の近代化政策 合計13点 平安末期~安土桃山時代の日本と東アジア 合計16点
大問3 第一次世界大戦前後の日本 合計17点 江戸時代の文化と社会 合計16点
大問4 明治~大正時代の政治や文化 合計17点 明治政府の政策と近代化 合計17点
大問5 昭和時代前半の日本 合計17点 〔日本史A大問3〕の問1~5とおなじ 合計17点
大問6 日本国憲法と女性 合計16点 〔日本史A大問5〕の問1~5とおなじ 合計17点

 

平成28年度

<日本史A> <日本史B>
大問1 江戸末期の日本 合計16点 旧石器~平安時代の政治や文化 合計17点
大問2 日本の近代化政策 合計17点 平安末期~安土桃山時代の日本 合計16点
大問3 第一次世界大戦前後の日本 合計17点 江戸時代の政治や文化 合計16点
大問4 大正~昭和時代前半の経済や政治 合計17点 幕末~明治時代の日本の近代化 合計17点
大問5 昭和時代の日本 合計22点 〔日本史A大問3〕の問1~5とおなじ 合計17点
大問6 第二次世界大戦前後の経済 合計11点 〔日本史A大問5〕の問1~3とおなじ 合計9点
 大問7  ―  ―  〔日本史A大問6〕の問2~3とおなじ  合計8点

 

目指すは14問正解!難易度は教科書レベル

日本史の1問あたりの配点は3〜4点です。10〜14問正解を目指せば、合格ラインの40点を突破することができるでしょう。重箱の隅をつつくようなマニアックな問題やひっかけ問題は出題されませんから安心を。教科書レベルの内容を理解していれば解ける問題がほとんどです。

 

2.「日本史」の5つの出題傾向と対策

 

平成26年度から出題傾向にやや変化が

平成26年度を境に、日本史Aの出題傾向が少し変わりました。それまでメインだった明治時代からの出題が減り、幕末から昭和まで各時代を網羅する内容へとシフトしているように思われます。また、A・B共に、時代をまたがったストーリー性を重視する問題も増えているようです。教科書の知識を踏まえた上で、示された写真や資料を読み解く問題も多いので、色々な出題パターンに慣れておく必要があるでしょう。

では実際の過去問題を見ながら、5つの出題傾向とその対策について探っていきましょう。

 

【1】写真や資料を多用する傾向は今後も続行

日本史の問題は、世界史や現代社会などに比べリード文が短いのが特徴です。かつ、ほとんどの問題に写真などの資料が添付されています。写真、風刺画、新聞の切り抜きなど、提示される資料はさまざま。実際にどんな問題が出題されているのか、過去の問題を見てみましょう。

 

写真や絵画を読み解く問題

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

上の絵は、鎖国中であった江戸時代に黒船を率いて来日したペリー一行の様子を描いたものです。絵の右手ではアメリカの海兵隊が隊列を組んでいるのが見えますね。また、中央には大砲を操作している様子も見られます。よって「行動」はイが正しいとわかります。ペリーはこの絵のように、アメリカの強力な軍事力を見せつけることで、自国に有利に開国の交渉を展開しようとしました。よって、④の組み合わせが正解となります。隊列や大砲など、絵の情報を正しく読み取れるかどうかがポイントです。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

まず、上の絵画は浮世絵ではありませんから、イは誤りであるとわかりますね。また、道の両側には西洋風の建物が立ち並んでおり、エの「和風の建物」や「伝統的な景観」という表現とかみ合いません。よって、答えは①のアーウの組み合わせであるとわかります。これも、絵の内容を読み解けば簡単に答えがわかりますね。なお、高橋由一は、近代洋画の先駆者となった画家であり、葛飾北斎は江戸時代の化政文化が栄えたころの浮世絵師です。

 

4つの画像から選ぶ問題

(平成26年度第一回日本史Bより)

(平成26年度第一回日本史Bより)

これは、密教に関連する資料を選ぶ問題です。②は室町時代、足利義満によって建てられた有名な建造物「金閣」ですね。④は鎌倉時代の大鎧。武士が戦の際に着用したもので、これも仏教とは関係ありません。まず、②と④は誤りであるとわかるでしょう。残りの①と③はどちらも宗教画のようです。①は『教王護国寺両界曼荼羅』のひとつ。曼荼羅は、平安時代初期、密教で発達した仏の悟りの境地などを視覚的に表現したものです。③は平安時代後期の浄土信仰の拡がりに伴って多く描かれた来迎図のひとつ『高野山聖衆来迎図』です。よって答えは①となります。

 

(平成26年度第一回日本史Aより)

(平成26年度第一回日本史Aより)

この問題では、大正時代の「職業婦人」について問われています。まず、②にはカーラーを巻いた女性などが見えますから、美容師であるとわかります。③の制服は看護師のように見えますね。④の袴姿の女性たちは電話の交換手です。①の写真ののぼりに「陸軍女子挺身隊」という文字が見えます。これは、太平洋戦争中に編成された未婚女性による勤労動員組織のことで、職業ではありません。よって①が誤りであるとわかります。

 

文献などをもとにした問題

(平成28年度第一回日本史Bより)

(平成28年度第一回日本史Bより)

この資料は、聖徳太子(厩戸皇子)が607年に小野妹子を遣隋使として派遣した時の記述です。日本列島は中国からみて東に位置しますから、太陽が「昇る」方角であるとわかります。「世紀」とは、西暦年を100年ごとに区切ったものですね。1世紀は紀元1年から100年までのこと。つまり、8世紀は701年から800年までのことを指します。よって正解は、③の組み合わせとなります。文献の内容を知らなくても、一般常識で解くことができるでしょう。

 

風刺画を読み解く問題

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

枠内の文章に「内務大臣」とあることから、これは内閣制度が創設された1885年以降の出来事であるとわかります。①は大隈重信が失脚した1881年の明治十四年の政変ですね。②の新聞紙条例は、自由民権運動が高まるなか、反政府的言論活動を封じるために1875年に制定されたものです。③の内容は1873年に起こった明治六年の政変です。いずれも1885年より前の出来事ですね。「政府の大掃除」とは、大同団結運動や三大事件建白運動などの民権運動が盛り上がるなか、1887年に保安条例を制定・施行し、多くの民権運動家を皇居外3里の地に追放したことを指します。よって、④が正解となります。明治維新後の政治の流れを頭に入れておけば解ける問題ですね。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

1916年に描かれたということから、「かつてない繁栄」とは第一次世界大戦による大戦景気であるとわかります。米の配給制度は、太平洋戦争の直前に始まったものですから、③と④は誤りであるとわかりますね。絵を見ると、米俵が斜面を上へと登っていき、手前には米の仲買人を睨む警察が描かれています。これは、警察の取り締まりにも関わらず、米価の「上昇」が止まらない様子を風刺したものです。よって、答えは①であるとわかります。

 

新聞記事などを引用した問題

(平成27年度第一回日本史Bより)

(平成27年度第一回日本史Bより)

1927年に起こった金融恐慌についての問題です。時の若槻礼次郎内閣はこの恐慌により総辞職に追い込まれ、その代わりに成立したのが田中義一内閣ですね。黒田清隆は伊藤博文のあとに第2代総理大臣となった人物ですから、時代がまったく違います。田中内閣はモラトリアム(執行猶予令)と日本銀行の非常貸出しにより金融恐慌を鎮めました。中小銀行が大きな打撃を受けるなか、財閥系の五大銀行はこれらを合併・吸収して預金額を増やしました。よって答えは①であるとわかります。

 

(平成27年度第一回日本史Bより)

(平成27年度第一回日本史Bより)

これは、1940年頃の戦時下の日本についての問題です。この頃、欧米からの輸入が途絶え、また、制海権・制空権の喪失によって東南アジアからの輸送が困難になったことから、日本は石油などの燃料や資材が極度に欠乏していました。航空機の燃料にアルコールを混ぜていたのもそのためです。①の生松脂も同様に代用燃料として使われていました。よって答えは①となります。②と④は、いずれも戦後の占領政策に関する記事です。②の「マ元帥」とはマッカーサーのこと、④は「ドッジ氏」「復興」という言葉から、戦後の経済復興を目指した「ドッジ=ライン」についての記事であるとわかります。③は1973年の石油危機に関する記事で、新聞の文字やレイアウトなども現代のものに近いですから、明らかに違うとわかるでしょう。

 

図や写真の中からヒントを探そう!

上で挙げた例を見てわかる通り、出題された人名や出来事を知らなくても、示された図や資料から選択肢を絞り込んだり、一般常識から解答を導き出せる問題は少なくありません。諦めずに絵や写真から情報を読み取りましょう。

 

【2】グラフや表を読み解く問題が増加

最近増えているのが、グラフや表を読み解く問題です。一見日本史の問題には見えませんが、あらゆる統計データにはその時々の社会情勢がしっかりと反映されています。一体どのような内容なのか、実際の問題を解いてみましょう。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

これは、大正時代の日本の乗り物の変遷にまつわる問題です。Ⅰの表を読み解けば、答えは簡単にわかりますね。自転車や自動車の数は年々増加していることから、答えは①か③のどちらかに絞られます。さらに、馬車と人力車は年々減少していますから、③の記述は誤りです。よって、①が正しいとわかります。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

これは、上の問1に続く問題です。Ⅰの時期、日本では第一次世界大戦による大戦景気が起こっていました。よって、答えは③か④のどちらかに絞られます。なお、北清事変とは1900年に起こった中国の清朝末期の動乱(義和団事件)を日本と欧米列国が鎮圧した事件のことです。次に、文中の「多種多様な車両が往来するようになる」と、どのような問題が起こるか考えましょう。今まではなかった自転車や自動車が急に増えたことで、交差点の行き来や道路の横断など、交通の面で様々な混乱が生じたと考えられますね。よって答えは③となります。ちなみに、省エネルギーや環境保護などが唱えられるようになったのは1970年代以降になります。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

資料を見ると、1950年代までエネルギー供給の半分を占めていた炭鉱の割合は、1960年代から急速に減少し、それに代わって石油の割合が増加していますね。これは、主要なエネルギー源が石炭から石油に変わったエネルギー革命を示唆しています。雇用問題についての不満が高まったのは、石油の台頭により業績が悪化したためと考えられます。よって答えは④となります。なお、①の石油危機は1973年と1979年、③の傾斜生産方式は、1947年に導入された戦後復興のための経済政策です。②の原子力エネルギーが活用されるようになるのは1970年代以降ですから、これは誤りであるとすぐにわかるでしょう。

 

(平成27年度第一回日本史Aより)

(平成27年度第一回日本史Aより)

1872年以降のお雇い外国人の増減について問う問題です。技術職、学術教師共に私傭の人数が途中から官傭を上回っていますから、①は正しいとわかります。②の学校令が出されたのは1886年です。その後、私傭の学術教師が急増していますから、これも正しい内容です。日清戦争が終結したのは1895年で、その後私傭の技術職が増加していますから、③も正しい内容ですね。官傭、私傭を合わせたお雇い外国人の数を比べると、1888年を境に技術職よりも学術教師の方が多くなっていますから、誤りは④だとわかります。学校令や日清戦争の年号は押さえておきたいところですが、もし覚えていなくても、④が誤りとわかれば正解できるでしょう。

 

サービス問題かも!?落ち着いて読み解こう

データを読み解く問題のなかには、日本史の知識が無くても答えられるものが多いですから、取りこぼしの無いようにしましょう。データを読み解くだけでOKな問題や、時代背景を推測して答える問題も。もちろん、時代ごとの政治経済の流れや景気、基本的な出来事の年号は押さえておきたいところです。

 

【3】歴史の流れや順番を問う問題も要チェック

高卒認定試験では、年号そのものを問うような問題はあまり出題されませんが、「いつ頃起きた出来事なのか」「どの順番で起こったのか」など、大まかな流れを問う問題は多く出題されています。実際の問題を見ながら傾向を探っていきましょう。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

Ⅲの文章を見ると、下田に蒸気船と思われる船が出入りしていること、勝海舟、坂本龍馬などが活躍していることから、開国後の江戸時代末期の出来事であるとわかります。まず、ラクスマンの来航1792年ですね。ロシアの海軍軍人であったラクスマンが、日本の漂流民である大黒屋光太夫を伴って根室に来航し、江戸幕府に開国要求をしました。この時点で、日本はまだ開国していないとわかります。次に、大塩の乱は1837年です。江戸幕府が日本を開国したのは、日米和親条約を結んだ1854年のことですから、①は誤りとなります。士族の反乱は明治初期、1870年代の出来事ですから、答えは②の期間であるとわかるでしょう。なお、大逆事件は1910年、米騒動は1918年です。

 

(平成27年度第一回日本史Bより)

(平成27年度第一回日本史Bより)

まず、第一次上海事変は1932年の出来事です。盧溝橋事件は1937年、真珠湾攻撃は1941年で、それぞれ日中戦争、太平洋戦争のきっかけとなった事件ですので年号と共にしっかりと押さえておきましょう。さて、沖縄戦は戦況が悪化する太平洋戦争末期の1945年3~6月に行われました。サイパン島陥落は1944年、原爆投下は1945年の8月ですから、答えは④であるとわかります。細かい年号がわからなくても、日中戦争~太平洋戦争の流れを理解していれば解けるはずです。

 

(平成27年度第一回日本史Bより)

(平成27年度第一回日本史Bより)

アは1638年、江戸時代初期に起こった島原・天草一揆です。この出来事が、幕府の鎖国政策を加速させました。イは1615年の大阪夏の陣です。この戦いにより豊臣家は滅び、250年以上にわたる徳川家の長期政権が始まります。ウは1570年から1580年まで続いた石山戦争です。当時最大の宗教一揆が終焉したことで、各地の宗教一揆は激減しました。これらから、④のウ→イ→アの順番が正しいとわかります。それぞれの年号がわからなくても、アの「老中」は江戸幕府の役職名ですから、江戸時代であると予想できますね。次に、イに「豊臣氏が徳川氏に滅ぼされた」とありますから、イはアより古く、「織田氏」が活躍するウはさらにそれより古い時代だとわかるでしょう。

 

難易度はやや高め。歴史の流れを理解しておくことが大切

これらの問題は、難易度自体は高くありませんが、日本史の知識がものをいうところも。具体的な年号とまではいかずとも、歴史の流れをしっかりと理解している必要があります。ただ年号や出来事を羅列して覚えるのではなく、例えば日本が開国にいたるまでの流れや、太平洋戦争の始まり~終わりまでの流れなど、ストーリー仕立てで理解していくのがオススメです。

 

【4】時代をまたいで出題される問題も増加傾向に

特定のテーマで歴史を切り取った多角的・縦断的な問題が増えています。中には、グラフや写真などと組み合わせて出題されることも。実際の問題を見ながら傾向を探っていきましょう。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

この大問では、「戦後の政治と経済の流れ」を理解しているかどうかがポイントとなります。①は「1ドル360円」の固定相場制を採用している時代ですから、1950~60年代ですね。②はバブル景気という言葉から、1980年代のことであるとわかります。よって②が正解となります。なお、③は官営工場工業の近代化といった言葉から殖産興業を目指した明治時代初期、④はモラトリアム金輸出解禁政策などの言葉から1920~30年代についての内容であるとわかるでしょう。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

これは、上の問2に続く問題です。まず、「終戦処理費」の割合が最も多いBはⅠの時期のものであると見当がつきますね。つまり、①と③は誤りだとわかります。次に、AとDどちらがⅡであるかを見極めましょう。Ⅱは高度経済成長期です。「高速道路や新幹線、都市の再開発~」といった記述から、「国土保全及び開発費」の割合が高いAであるとわかるでしょう。よって、②の組み合わせが正しいとわかります。なお、Ⅲは「物だけでなく心も豊かな社会」とあることから、「社会保障関係費」が最も多いD、Ⅴは「国の借金の返済や利子の支払いなどがふくらみ~」とあることから、「国債」の割合が最も多いCであるとわかります。

 

(平成27年度第一回日本史Aより)

(平成27年度第一回日本史Aより)

この大問では、「日本国憲法と女性の活躍」について取り上げています。Ⅰは絵からもわかるように、戸主が家族を支配する大日本帝国憲法下の家制度に対し、男女が平等の権利を持つ日本国憲法下の家族関係が示されています。よって、答えは③とわかります。日本国憲法第24条では、「家族生活における個人の尊厳と両性の平等」が定められています。

 

(平成27年度第一回日本史Aより)

(平成27年度第一回日本史Aより)

これは、上の問1に続く問題です。Ⅱの写真は選挙の様子ですね。よって、答えは②か④のどちらかに絞られます。GHQ最高司令官であるマッカーサーが行ったのは五大改革指令ですから、答えは②であるとわかります。五大改革の内容は(1)婦人の解放(2)労働組合の結成奨励(3)教育の自由主義化(4)圧政的諸制度の廃止(5)経済機構の民主化です。なお、マーシャルプランとは、アメリカが第二次世界大戦後に発表した西ヨーロッパ諸国の復興援助計画です。

 

(平成27年度第一回日本史Aより)

(平成27年度第一回日本史Aより)

これは、上の問3に続く問題です。さまざまな女性による社会運動が挙げられていますね。まず、④の岸田敏子らが自由民権運動に参加したのは1880年代です。自由民権運動という言葉からも、これが明治時代のことであるとわかるでしょう。②の平塚らいてう青鞜社を設立したのは1911年、①の山川菊栄、伊藤野枝らが日本初の女性社会主義団体赤瀾会を結成したのは1921年ですね。また、伊藤野枝は平塚らいてうから青鞜社の編集を引き継いだ人物としても有名です。よって、あてはまるのは③となります。第五福竜丸事件が起こったのは1954年。中部太平洋のビキニ環礁で操業していた日本の漁船がアメリカの水爆実験によって被爆した事件です。

 

あらゆる切り口で日本の歴史を見てみよう

時代をまたいで出題されるこのタイプの問題は、いかに歴史を縦断的に理解しているかがポイントになるでしょう。特定の出来事や人物にフォーカスしてその前後の歴史の流れを学んだり、「経済」や「文化」、「女性の社会進出」など、テーマを決めて教科書をまとめてみるのも効果的です。

 

【5】“変化球問題”は落ち着いて取り組もう

さて、時折見られる“変化球問題”にも注意が必要です。教科書や参考書では見慣れない資料を読み解いたり、日本史の知識を間接的に利用したり、時代背景を推測したりと、柔軟な対応力が問われます。過去にどんな問題が出題されたかを見てみましょう。

 

(平成28年度第一回日本史Aより)

(平成28年度第一回日本史Aより)

これは、ペリーが来航した幕末の日本について詠んだ歌を選ぶ問題です。①は「ステッセル」や「乃木大将」などから、日露戦争の内容であるとわかります。②の「モボ」とは「モダンボーイ」の略で、大正~昭和初期に流行した言葉です。③は「バラック」や「帝都復興」などからもわかるように、震災や戦後などの復興を詠っていると予測できます。なお、この歌は関東大震災(1923年)の後に作られた「復興節」です。よって、答えは④となります。「上喜撰」は高級茶の名前で、「蒸気船」(=ペリーが乗ってきた黒船)とかけていることに気づくことが出来るかどうかがポイント。ペリー来航によって混乱に陥った幕府や社会の様子を、茶の覚醒作用で眠れない様子にかけて皮肉っているのです。

 

(平成26年度第一回日本史Aより)

(平成26年度第一回日本史Aより)

これは、1950年代の広告について読み解く問題です。資料の内容から、一般家庭にテレビが普及していることがわかりますね。よって、③の「ラジオ放送が開始され~」という内容はおかしいですね。ここに気づくことが出来れば答えは簡単です。なお、ラジオ放送が開始されたのは1925年のことです。

 

(平成26年度第一回日本史Aより)

(平成26年度第一回日本史Aより)

これは、双六の図柄を読み解く問題です。根気よく絵の内容を見ていきましょう。Ⅰを見ると双六は、台湾・琉球から九州、中国・四国、近畿、中部と東へ進み、北関東の日光(栃木県)から松島(宮城県)を経て函館・千島(北海道)まで北上し、横浜(神奈川県)を経て東京に到着しています。よって、(あ)の内容は正しいとわかります。また、京都・鎌倉・東京と、幕府の中心地もすべて含まれていますから、(う)の内容も合っていますね。しかし、大きな士族の反乱がおこった地域、つまり萩や佐賀は双六に含まれていませんから、答えは①のあーうの組み合わせであるとわかります。

 

(平成26年度第一回日本史Aより)

(平成26年度第一回日本史Aより)

これは、上の問1に続く問題です。双六の振り出し(スタート)は台湾になっていますから、①と②は誤りであるとわかります。また、それぞれのマスには各地の名所や文化が描かれていますね。よって③の組み合わせが正しいとわかるでしょう。

 

臨機応変に、柔軟に頭をはたらかせよう!

このタイプの問題は、ひらめき力や推理力が試される部分も大きいので、頭を柔軟にはたらかせましょう。また、教科書で見たことのない写真や資料が出てきても焦らずに!そのぶん、補足の説明やヒントになる文言も問題文の中に含まれているはずですから、じっくりと読み解きましょう。

 

3.「日本史」を攻略する三つのポイント

 

【その一】歴史はつながっている!大きな流れを理解しよう

単語や年号だけを単純に暗記していくのは非効率。歴史の大きな流れや、出来事どうしの関連性を掴むことができれば、どの時期に何が起こったのかおのずと見当がつくようになります。また、時代の流れを変えるきっかけとなった出来事や事件については重点的に勉強しておくようにしましょう。

 

【その二】教科書に使われている写真や資料は必ずチェック!

日本史では、多くの写真や資料が問題文に引用されます。教科書や参考書に載っている図版については、それがどの時代のものなのか、どんな出来事にまつわるものなのかをしっかりとチェックしておきましょう。

 

【その三】読解力と一般常識を養っておこう!

歴史の知識がなくても解ける問題が多いのも、日本史の特徴です。写真や資料の内容から答えを導いたり、一般常識やひらめきを必要とする場合もあります。クイズを解くような感覚で、柔軟な姿勢で取り組むのがいいでしょう。

 

まとめ

「覚えることがとにかく多い」というイメージのある日本史。確かに、ひとつひとつの単語をぶつ切りに覚えていては時間が足りないかもしれません。ポイントは、そこにある“ストーリー”を読み取ること。一つの出来事を深く掘り下げるよりは、他の出来事との関連性に注視しましょう。そうすれば、芋づる式に知識が増えていくはずです。大河ドラマなどの時代劇や歴史マンガ、映画など、身近なコンテンツから日本史に興味を持ってみるのもいいですね。

 
 

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