「最終学歴・中卒」のデメリット

いま中3のみなさんの中には「高校には行かなくてもいいかな」などと考えている人もいるかもしれません。また、高校に進学したけれど中退してしまった。その状況でもそのままであれば「中卒」という最終学歴になります。
でも中卒になるとなんとなく不利そう…というイメージもあったりしますよね。
では、中卒って具体的に何が不利なの?

「最終学歴・中卒」のデメリット

中卒ってどういうこと?

まずは中卒とはどんな状態か、改めて確認してみましょう。

中学校を卒業したあとどこにも進学していない

最後に卒業した学校が中学校である

です。
つまり、「高校に進学したけれど中退した」→ これは高校は卒業していないので、最後に卒業した学校(中学校)が最終学歴になるということです。
では、最終学歴が「中卒」であることで、何が不利になるのか、一緒にひとつずつ見ていきましょう。

最終学歴・中卒からやり直したい!という時にやれること

仕事

みなさんが一番気になるのは仕事のことだと思います。

「中学校を卒業してすぐにしっかりと就職したい」もしくは「フリーターでも良いから早く働きたい」「高校を辞めてしまったから学校は向いていない。仕事をしたい!」など、きっとみなさんは仕事に対して何らかのやる気を持っていると思います。

とても素晴らしいことなのですが、残念ながら今の日本では、中卒での仕事というのは応募から採用、実際の仕事内容、昇進など将来的なことも含め、あまり良い環境は期待できないというのが正直なところです。具体的に見てみましょう。

応募

アルバイトの求人においても、現役の高校に通っている高校生が授業の合間にするアルバイトの求人はたくさんあっても、中学を卒業してそのままアルバイトのみで生活していく(フリーター)ことができる求人は、本当にわずかしかありません。

就職にいたっては、正社員・契約社員・派遣社員など問わず、応募の条件が「高卒以上」「大卒以上」となっているものがほとんどで、採用以前に応募の時点で非常に厳しい状況だと言わざるを得ません。

ちなみに、現在日本国内では中学卒業後に就職している人は0.4% となっており、それだけ人数がいないということは仕事も少ないということが想像できるかと思います。

就職後

就職できた場合でも、仕事内容は単純作業や現場作業が多く、長年働いても昇進することができない可能性が高いです。アルバイトで採用された場合も、低賃金・長時間労働で身を粉にして働いても、なかなかアルバイトという枠からは抜け出せず、社員にはしてもらえないこともあります。

また、一見待遇が良さそうな公務員ですが、中卒で応募できる公務員の仕事には、昇進が一定のところまでしかできないという制約があったりもします。

将来的に

中卒だと高卒や大卒に比べて収入を得にくい可能性が高い?仕事をしていくうちに、させてもらえる業務の幅を広げるために、必要な資格を取得することがあります。

その時に、資格を受験できるのは「高卒以上」「大卒以上」ということがよくあります。その際には受けることができないので、スキルアップ・キャリアアップもしにくいということになります。

また、中卒で就職した場合と、「高卒」「大卒」で就職した場合の生涯年収(1人の人が生涯で得る収入の合計)も大きく違ってきてしまいます。

平成22年の正社員の平均生涯賃金は、

中卒 … 男性 1億8000万円 女性 1億1000万円
高卒 … 男性 2億0000万円 女性 1億3000万円
高専・短大卒 … 男性 2億0000万円 女性1億6000万円
大卒 … 男性 2億5000万円 女性2億0000万円

となっています。(新卒から定年退職までのボーナスも含めた総賃金)実際にはこの金額にさらに退職金がプラスされます。

これは、先述の通り、まず「応募」の時点で数が限られているので待遇の良い職につきにくいこと、就職しても昇進・昇給しにくいこと、学歴の制限で資格取得によるキャリアアップがしにくいことが原因となっています。

ここで注意したいのが、上記の平均生涯賃金は「正規雇用(正社員)のみ」という点です。

高卒や大卒でも非正規雇用(正社員以外の、アルバイトなどの雇用)の場合はありますが、中卒だとその確率は上がってしまいます。生涯、非正規雇用である場合もあるので、その場合はどうなるのかちょっと計算してみましょう。

時給950円で一日8時間、週に40時間、年間休日120日(正社員と同水準)とします。

すると

年収 … 1,862,000円

15才から60才まで働いて、生涯賃金は8,379万円となります。

実に同じ中卒の正規雇用の人に比べて半分以下になってしまうのです。また、女性の場合は出産などがあってもう少し少なくなってしまうことが考えられます。

細かいお金の話になってしまいましたが、現実的に、「中卒だと高卒や大卒に比べて収入を得にくい可能性が高い」ということだけは念頭に置いておいてほしいと思います。

イメージ

やはりどうしても中卒であることのイメージは良くはないのが現状です。

たとえどんなに本当は立派な人だったとしても、例えば就職の面接では「高校を中退したまま中卒だけど、この人はうちに就職してもすぐに辞めてしまうのではないか…」と思われたり、結婚したいと思った時に、「中卒ではうちの子はやれない!」なんてことも出てきてしまうかもしれません。もちろん、筆者はそんなことは言いませんが、まだまだそのような偏見を持っている人が多いのも事実です。学歴社会の善し悪しはさておき、残念ながら事実としては今の日本においては中卒に対しての風当たりは強いと言わざるを得ません。

その他

就職のことは置いておいて、「とにかく自分は中卒でいいんだ!」という人もいるかもしれません。音楽やスポーツをやっていてそれで食べていく!と意気込んでいる人もいるでしょう。それ自体はとても素敵なことだと思います。

ただ、小中学校で学んだこと以上に、世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあります。高校や大学に行くことで、生きていく上で大事な考え方とか、自分の人生で使えることがもっとたくさん得られるというのが筆者の経験上の思いです。世の中のしくみなども、友達やいろんな人との関わり方も、広い世界を見ることも、仕事をしながらでももちろん経験はできるかもしれませんが、高校や大学で学べることはとっても深いものです。

「教養」や「視野」という、人生において自分が自由自在に使える貴重な「武器」が、高卒や大卒の人に比べるとどうしても少なくなってしまうのは中卒のデメリットのひとつかもしれません。

最終学歴・中卒からやり直したい!という時にやれること

まとめ

  • 中卒ではデメリットが多いのが現実。
  • 仕事面ではそもそもの応募資格に当てはまらない、当てはまっても合格しにくい、就職できても昇進しにくい、賃金が低めで生涯年収にすると大幅に違ってきてしまう。
  • 面接だけでなく恋愛や結婚など人付き合いにおいても中卒は残念ながら良いイメージにならないことがある。
  • 高校や大学などまで卒業した人に比べ、教養・視野・人脈などが限定されてしまうことが多い。

よくある質問

Q. 高校に入学して、途中まで通ってある程度単位も取ったんだけど、卒業ができなくて辞めてしまった。でも少しは通ったんだから「高校中退」という最終学歴にはならないの??


A. もちろん少しでも高校で学んだことはその分自分自身のプラスにはなっていると思いますが、残念ながら就職や進学などのための正式な学歴としては「中卒」になってしまいます。一番最後に卒業した学校が最終学歴になります。

また、一生懸命勉強してレベルの高い高校に入学して在籍していても、辞めてしまうと中卒になってしまいますし、行きたい大学があって受験勉強をしていても、高校自体を中退してしまうと、そのままの状態では大学の受験資格はない状態になります。

Q. おじいちゃんやおばあちゃんは中卒でも立派に仕事をしてきたようだし、大丈夫なのでは…?


A. みなさんのおじいちゃんおばあちゃんの年代では、中卒の方は非常に多くいました。たとえば1950年度では中学を卒業して就職する人は45%以上いました。それが今では1%以下になっています。

当時は進学したくともできない経済状況の人が今よりも多く、また、仕事も多くありました。高校に進学するよりも、家業を手伝ってほしいとか、出稼ぎに行って収入を得て家族を助けてほしいといった風潮がありました。つまり中卒の働き手は社会から求められていたのです。

しかし今はほとんどの人が高校に進学するようになり、多くの人が専門学校や短大・大学などにも進学するため、中卒での働き口は大幅に減少しています。

Q. 就職や進学をしないのであれば、中卒はネックにならない?


A. 例えば主婦・主夫になるのであれば、直接的は中卒はネックにはなりません。ただ、先述のように結婚の時に障害にならなければですが…。

家の自営業を継ぐなどの進路であれば、もちろん中卒でもすぐに働くことができるかもしれません。また、起業や独立を考えているのであれば学歴でふるい落とされることはありませんし、実際に中卒の経営者の方もいます。

ただし並外れた才能や桁外れの努力が必要かもしれませんね。

 

出典
政府統計の総合窓口(e-Stat内)「学校基本調査」データ 2015年度版
独立行政法人労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計-労働統計加工指標集-2013』

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