高卒認定試験、過去問から見る「英語」の傾向と対策

他の科目に比べて合格率も低く、高卒認定試験のなかでも数学と並んで最難関科目とされている英語。勉強法に頭を悩ませている人も多いのでは?ここでは、過去問題にふれながら、高卒認定試験の英語の出題傾向や勉強の仕方について具体的に解説していきます。

高卒認定試験、過去問から見る「英語」の傾向と対策

1.「英語」の問題構成と配点

 

出題傾向は大検時代から変化なし

高卒認定試験の英語は、大問7題で構成され、全部で小問24~25問が出題されます。出題の傾向は大検時代から大きく変わっておらず、試験対策が立てやすい教科とも言えますね。問題構成と各配点は以下の通りです。

大問1 会話文における強勢 合計12点
大問2 対話文完成―適文選択 合計20点
大問3 整序結合 合計12点
大問4 英文解釈 合計12点
大問5 適語選択 合計12点
大問6 長文読解 合計12~16点
大問7 長文読解 合計16~20点

(平成25~28年度の過去問題を参考にしています)

 

難易度は高1レベル。英単語の暗記は必須!

出題範囲は、中学3年生~高校1年生レベル。英検3級程度の問題が出題されます。中学校英語はきちんとマスターしておく必要があるでしょう。問題を解くにあたり、覚えておきたい英単語・熟語は1000語ほど。ちょっと多く感じますが、中学校の英語をきちんと理解していれば、プラスαで覚える程度で済むはずです。

 

目指すは10問正解!序盤で点数を稼いで

合格ラインの40点を突破するには、10問正解を目標に頑張りましょう。大問3の整序結合と、長文読解の大問6、7は、英語が苦手な人にとってはややハードルが高め。その他の部分でいかに点数を稼げるかがポイントとなってきます。

 

2.「英語」の出題傾向と対策

 

【1】大問1 会話文における強勢

相手に最も伝えたいことは何かを読み取る

大問1は、会話文の中で、最も強く発音される単語はどれかを選択する問題です。会話の流れから、最も相手に伝えたい部分はどこなのかを読み解きましょう。

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成28年度第1回試験問題より)

上記の問題を和訳すると、

A:リック、ダイヤモンドシアターでやっている新しいミュージカル観た?
B:いいえ、演劇評論家はかなり退屈だと言っていたよ。
A:そんなことない!私が今まで見た中でも最高のショーだよ。
B:本当に?これは自分で見に行った方がよさそうだね。

となりますね。相手が「退屈」と言ったことに対して「最高」のショーだったという点を伝えたいわけですから、答えは③の「best」となります。

 

文中の“新しい情報”に着目しよう

会話のやり取りを理解できれば、決して難しい問題ではありません。相手が言っていることを訂正・追加している箇所、新たな情報を述べている箇所を探すと考えやすくなります。また、直前の文が疑問形である場合は、相手が質問したことに対する答えを探しましょう。

 

【2】大問2 対話文完成―適文選択

前後の文章から対話文の流れをつかむ

大問2は、空欄に適切な英文を入れて対話文を完成させる問題です。

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成28年度第1回試験問題より)

上記の問題を和訳すると、

A:来週の土曜日から始まるレンブラントの展覧会を見に行きたいな。
B:本当?ぼくもなんだ。一緒に行こう!
A:<空欄>
B:ぼくは金曜日なら空いているよ、だから君がいつ行けるか教えて。

となりますね。最後の一文でBは日程について言及していますから、答えは①の「When’s good for you?(あなたはいつ都合がいいの?)」になります。

 

直後の文章との関連性に着目しよう

まず、選択肢を見てみましょう。全て疑問文で終わっていることから、AはBに何かを尋ねているのだとわかります。直後でBが「Fridays」と答えていますから、日程について尋ねていることがわかるはずです。

また、問題文の冒頭には必ず(At a school)など、状況を説明する注意書きがあります。これも大きなヒントになりますから、参考にしましょう。全体の流れや単語の意味がわからなくても、ちょっとしたコツで答えを導き出すことは可能です。

 

【3】大問3 整序結合

 意外と難問の並び替え。文法が苦手な人は要注意

大問3は、5つの単語を正しく並べ替えて、完成した文章の2番目と4番目にくる単語を答える問題です。どちらも正解しなければ得点とならないため、まぐれや勘で正解するのはかなり難しいといえます。一度つまずくと意外と時間がとられてしまうのがこの問題の怖いところです。

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成28年度第1回試験問題より)

この場合、「彼がその作品を完成させるのに21年かかったのだ」となるように、単語を並び替える必要があります。つまり、「That means it took to finish him 21 years the work」となりますから、答えは⑤「finish」と④「21」となります。

 

構文や熟語を見つけられるかがポイント

並び替えの問題は、英語の文法や構文、熟語をどれだけ理解しているかが重要になります。この場合、「It takes+人+時間+to~」(人が~するのに時間がかかる)の形に気が付くことができるかどうかがポイントです。また、文章全体の意味がわからなくても、「21のあとにはyearsが来るだろう」など、選択肢内でまとまりを作りながら考えるのもひとつの方法です。

 

【4】大問4 英文解釈

文章のテーマを読み取る

大問4は、比較的短い内容の英語の文章を読み、英文を正しく要約しているものを選択肢の中から選ぶ問題です。

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成28年度第1回試験問題より)

英文を和訳すると、

この電子メールは10月21日のパーティーに参加を希望する方に宛てたものです。よくお読みください。お席は十分にご用意しておりますが、今月末までに、出欠についてご連絡いただければと思います。この楽しいイベントで、できるかぎり多くのお客様にお会いできるのを願っております。

となります。つまり、答えは①の「パーティーへの申し込み期限を案内する」であることがわかります。

 

文中の単語や選択肢にヒントがある!

初めに、必ず選択肢に目を通しましょう。選択肢の内容から、上の文が「パーティー」について書かれた文章であることが推測できるはずです。英文の内容を全て読解する必要はありません。文中にはヒントになる単語がたくさんありますから、そこから答えを導けばいいわけです。

この場合、「attend」(出席)、「by the end of this month」(今月末までに)などの語句を見つけることができれば、おのずと答えがわかるでしょう。

 

【5】大問5 適語選択

 全体の内容を把握し文脈に沿った単語を選ぶ

大問5は、比較的短い内容の英語の文章を読んで、文脈に沿うよう文中の空欄を埋める問題です。

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成28年度第1回試験問題より)

英文を和訳すると、

インターネットは<空欄>のための便利な道具である。例えば、ビジネスでは連絡を取り合うのに電子メールを使うし、中にはオンラインで会議をする人たちもいる。インターネットを利用すれば頻繁に家族や友達と会話ができるし、世界中で新しい友達を見つけることさえできる。このようなことが、いつでもどこでも可能なのだ。

となります。つまり、答えは②の「communication」であることがわかります。

 

単語や選択肢から大まかな流れを推測しよう

大問4と同様に、大問5でも英文の内容を全て読解する必要はありません。わかる単語を拾い出しながら、「何について述べた文章なのか」を掴むことができれば大丈夫。この場合、「contact」(連絡)、「talk~with family and friends」(家族や友達と話す)などが理解できれば、コミュニケーションについて述べた文章であることが予測できるでしょう。

 

【6】大問6 長文読解―内容把握

 資料やグラフにもとづいた英文を読み解く

大問6は、グラフや表のデータと、それにもとづいて書かれた英文を読解していく問題です。毎年、様々な内容のデータ問題が出題されています。過去問題を解きながら、なるべく多くの出題パターンに触れておくことが重要です。平成28年度と平成27年度に出題された問題は以下の通りです。

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成27年度第1回試験問題より)

(平成27年度第1回試験問題より)

平成28年度は「小学5・6年生の読書量」について、平成27年度は「世界の都市の観光にかかる費用」について出題されました。あくまで英語の試験ですから、データや資料の内容自体はそれほど難しいものではありません。

 

長文を訳す前に!データと選択肢を先にチェック!

まず初めに、何について述べている文章なのかを明確にしましょう。これは、グラフのタイトルや項目などから推測できるはず。例えば、平成28年度の問題を見ると、表のタイトルに「words」や「books」、「read」という単語がありますね。これらから「本、読書について書かれた文章だな」とだいたいの検討をつけましょう。

次に、選択肢を和訳します。例えば「生徒たちは4月に最も多くの本を読んだ」という選択肢があった場合、文章のどこかにそれに言及する内容があるはずですね。長文は、ただ漠然と読むのではなく、キーワードを探しながら読み進めた方が断然読みやすくなるのです。

 

設問の英文パターンを理解しておこう

出題の形式としては、

  • 内容に関して述べた選択肢の中から正しいものを選ぶ問題(平成28年度参照)
  • 本文の内容と一致させるように、英文や表の空欄を埋める問題(平成27年度参照)

が多く見られます。また、その設問もすべて英語で書かれているのが大問6の大きな特徴です。パターンは毎回同じですから、以下の文章を抑えておきましょう。

According to the passage(table,graph),which of the following is true?」
⇒ 本文(表、グラフ)によれば、以下のうちのどれが正しいか。

「In the passage(table,graph),(A),(B)and(C)refer to~」
⇒ 本文(表、グラフ)において、(A)、(B)、(C)には~があてはまる。

「The passage(table,graph) shows that~」
⇒ 本文(表、グラフ)は~を示している。

 

【7】大問7 長文読解―内容把握

 主人公の気持ちや物語の流れを理解する

大問7では、長文を読み解き、本文の内容と一致させるように英文の空欄を埋める問題が出題されます。一人の主人公を軸に、三人称視点で物語が進んでいくことがほとんどです。

(平成28年度第1回試験問題より)

(平成28年度第1回試験問題より)

短い文章から順番に訳していこう

長文読解の場合は、短い文章から訳していくのが鉄則です。大問6と同様に、初めに取り掛かるべきは設問文と選択肢の和訳です。設問は本文の内容に沿って作られていますから、登場人物や大まかな流れをつかむことができます。それらを一気に訳してから、本文へと進みましょう。

 

段落を意識して読み進めよう

本文は3~4つの段落に分かれています。それぞれの段落が、何について書かれたものなのかを意識しながら読むことで、全体の流れを把握しやすくなります。また、長い文章を文節で区切ったり、設問文や選択肢に出てきたキーワードを丸で囲みながら読み進めるといいでしょう。

 

3.「英語」を攻略する三つの心得

 

【その一】過去問で実力を試す

まずは過去問題を解いてみて、自分の実力をチェックしましょう。50点以上取れた人は、そのまま過去問題をやりこめばOK。全く解けなかった人は、中学校の基礎から見直しを。英単語や熟語の語彙数を増やすところから始めましょう。

 

【その二】問題を解く順番を工夫する

英語が苦手な人にオススメしたいのが、大問1⇒2⇒4⇒5⇒3⇒6⇒7で解いていくやり方です。難易度の高い並び替えと長文問題は後回しにするのがベスト。高卒認定試験の目標はあくまで4割ですから、はじめの大問1・2・4である程度点数を稼ぐことができれば、残りの問題も気持ちに余裕を持って取り組むことができます。

 

【その三】焦って“パニック”にならないように

長文読解で最も怖いのがパニックです。一度パニックに陥ってしまうと、気持ちばかりが焦って本来なら解ける問題もわからなくなってしまいます。それを防ぐには、「時間配分」と「慣れ」が重要です。どの問題にどのくらいの時間をかけるかをあらかじめ決めておきましょう。また、長文に慣れるには過去問題を解いていくしかありません。過去3年分の問題はきっちりと押さえておきましょう。

 

まとめ

英単語に熟語、構文と、とにかく覚えることの多い英語。しかし、これからのグローバル化社会で、英語は何より身に着けておきたいスキルです。覚えたことは決して無駄にはなりません。試験勉強に疲れたら、英語の歌や海外のドラマなど、楽しみながら英語に触れて、気分をリフレッシュさせるのもオススメですよ。

 
 

【参考記事】高卒認定試験の過去問の傾向と対策一覧

 

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