高卒認定試験、過去問から見る「国語」の傾向と対策

数学や英語に比べ、「自分でどうやって勉強したらいいかわからない」と悩む人も多い国語。古文や漢文に苦手意識を持つ人も多いですよね。高卒認定試験では、一体どのような問題が出題されるのでしょうか。ここでは国語の出題傾向や勉強の仕方について解説していきます。

高卒認定試験、過去問から見る「国語」の傾向と対策

1.「国語」の問題構成と配点

 

出題は現代文・古文・漢文の3種類

国語の問題は現代文、古文、漢文の3つの分野から出題され、大問4題で構成されています。詳しい構成と配点は以下の通りです。

現代文 大問1 文学的文章(合計23点) 漢字5問  (各1点)
内容理解3問(各6点)
大問2 論理的文章(合計27点) 漢字5問  (各1点)
内容理解2問(各5点)
内容理解2問(各6点)
古文 大問3 古文(合計25点) 内容理解5問(各5点)
漢文 大問4 漢文(合計25点) 内容理解5問(各5点)

 

過去数年の問題を見る限りでは、この構成と配点は常に固定のようです。今後も大きな改変はないと予測されます。

 

合格のカギは「古文と漢文」の50点

100点中40~45点を取れば合格と言われる高卒認定試験。まずは配点50点の現代文で着実に点数を稼ぎましょう。その上で、古文・漢文をいかに得点できるかがポイント。苦手な人も多い古文・漢文ですが、全10問中4問程度は正解できるようにしておくこと。そうすれば合格はぐっと近づきます。

 

2.「国語」の出題傾向と対策

 

【1】文学的文章

 

登場人物の気持ちを読み解く

文学的文章(小説など)は文章も読みやすく、内容が理解できれば問題自体はさほど難しいものではありません。登場人物の心情を問う問題が主で、他には比喩表現の意味や、作者の意図を正しく理解しているかどうかなども問われます。

また、最近増えているのが下図のような問題です(図1参照)。課題文についてクラスや班で話し合ったという想定のもと、会話する生徒の心情を読み解くというもの。従来の出題傾向から見るとやや変化球と言えますが、内容さえ理解していればきちんと解ける問題です。

(図1)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

(図1)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

 

感情移入はNG!答えは本文の中にある

文学的文章問題はつい感情移入しがちですが、客観的に登場人物の信条を捉えることが大切です。また、課題文をすでに読んだことがある場合も要注意。本文に載っていない部分の物語の流れや情報が邪魔をして、問題を素直に捉えられなくなってしまう可能性があります。答えは必ず抜粋された本文中にありますから、フラットな気持ちで読み解くのがポイントです。

 

漢字の読み書きは確実に!

大問1、2の冒頭で毎回出題されるのが、漢字の読み書き問題です。難易度はそこまで高くなく、レベルは漢字検定3~4級程度でしょう。1問1点と配点は低いですが、全問正解すれば10点になります。これは確実に取れる10点ですので、取りこぼしの無いようにしましょう。

 

【2】論理的文章

 

筆者の伝えたい事を汲み取る

「情報」「コミュニケーション」「言語」などのテーマに即した評論文や随筆を読み解いてゆく論理的文章問題。傍線部の意味やその根拠を問う問題が多く、大問の最後では文章全体の構成について問われることもあります(図2参照)。先に問題文を読んでから課題文を読むと内容を理解しやすく、スムーズに読み解くことができるでしょう。

(図2)文部科学省「平成26年度(第1回)高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

(図2)文部科学省「平成26年度(第1回)高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

 

難しそうな文章でも焦りは禁物!

一見難しそうな熟語が並ぶ論理的文章は、国語が苦手な人にとってはなかなか読みづらいですよね。しかし落ち着いて。わからない熟語や言い回しでも、前後をきちんと読めば意味をくみ取ることは可能です。また日頃から、新聞やニュースなどでわからない単語を見かけたら、辞書で引く癖をつけるといいでしょう。

 

接続詞に注目しながら流れをつかむ

人の心を読み解く文学的文章に対し、論理的文章は筆者の述べたい事を的確に掴めるかどうかがポイントとなります。筆者の意見が書かれている部分はどこなのかを見極めましょう。

そのためにはまず、文頭の接続詞から段落と段落の関係性をつかむことが大切です。結論やまとめを述べる前には「つまり」「ようするに」「すなわち」などの換言の接続詞がつくことが多いですよね。また、「しかし」や「ところが」などの逆接の接続詞にも要注意。逆接は文章を強調するはたらきもあるため、その後に筆者の主張が書かれる場合が多いのです。接続詞が出てきたら、下図のように印をつけると読解しやくすなります(図3参照)。

(図3)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

(図3)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

 

【3】古文

 

文法よりもストーリー重視の古文

難易度は、高校の基礎レベル。大学入試のような活用や品詞分解などの文法問題はほとんど出題されません。課題文は説話ものや近世の作品が多く、「誰が何をしたのか」「なぜそうしたのか」といった、内容理解について問う問題がほとんどです。

 

古文単語は重要なものだけ押さえればOK

古文を学ぶ上で避けて通れないのが、古文単語の暗記ですよね? 大学入試に必要な古文単語は300~500個と言われています。この中で、高卒認定試験に必要な単語はおよそ300。しかし、より高い点数を目指す大学入試と違って、合格点を目指せばよい高卒認定試験では、その中でも特に重要な100個ほどを覚えておけばOK。過去問題を解きながら頻出する単語を覚えていく、といったやり方がおすすめです。

 

選択肢や注釈から内容を予測する

本文を読んで「内容がさっぱりわからない!」という時におすすめの裏技をいくつかご紹介します。古文には、下図のように本文のあとに必ず注釈がついています(図4参照)。また、傍線部の意味を問う問題などでは、選択肢に現代語訳が並んでいますよね。これらは、文章を読み解く上での大きな「ヒント」になります。注釈と選択肢から、課題文の大まかな流れを推測することは可能です。1問でも多く正解を獲得するためには、あきらめずに問題用紙のすみずみまで読むのがポイントですよ。

(図4)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

(図4)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

 

【4】漢文

 

物語の流れと基礎文法を問う漢文

古文同様に、漢文も課題文の内容をきちんと把握できるかどうかが大きなポイントとなります。傍線部の意味や根拠を問うものや、ストーリーの趣旨を理解しているかを問う問題がほとんど。漢文を読み解くためには、返り点など基本文法の知識が必要となってきますが、書き下し文を見ながら白文に訓点を付ける、下図のような問題も毎年出題されているので練習しておきましょう(図5参照)。

(図5)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

(図5)文部科学省「平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題」を元に作成

 

返り点は必須!基礎文法を押さえる

まずは返り点「レ点」「一二点」の仕組みをきちんと理解するところから。次に、「再読文字」や「疑問」「反語」「否定」「仮定」などの基本句形を押さえましょう。この基礎をマスターすれば、漢文はぐっと読みやすくなります。数も多くありませんから、基本句形は暗記してしまうのがオススメです。

漢文は、故事成語など教訓を述べたものが多く、古文に比べて文章が短いため物語構成もシンプルです。そのため、古文よりは漢文の方が解きやすいと感じる人も多いのではないでしょうか。本文の内容が理解できない場合は、古文の時と同じように注釈や選択肢からヒントを探しましょう。

 

3.高卒認定試験「国語」攻略する3つの心得

 

【その1】3年分の過去問をやり込もう

国語の場合、漢字や慣用句を片っ端から丸暗記するようなやり方は非効率ですし、現実的ではありません。いちばん大切なのは文章に「慣れる」こと。評論文特有の文体や難しい言い回し、古典・漢文の難解な文章などに目や脳を慣らすことが大切です。そのためには、とにかく過去問を繰り返し解くのがオススメ。とにかく国語は実践あるのみ、まずは3年分の過去問を極めてください。

 

【その2】ひっかけなどは一切ナシ。素直に回答しよう

高卒認定試験は「落とす」ための試験ではありません。ですから、国語でもひっかけ問題や意地悪な問題は出題されません。国語が苦手な人の中には「つい深読みしすぎてしまう」傾向がある人も多いようです。素直に読んでいけば、解ける問題がほとんどです。

 

【その3】消去法で正解率を上げよう

マークシートにはマークシートの攻略法というものがあります。回答に自信のない問題があったら、まずは消去法で選択肢を減らすのが鉄則。国語の場合、5つの選択肢の中から1つの正解を探さなくてはなりません。しかし裏を返せば、4つの選択肢は「ウソ」だということ。その中には、明らかに間違いとわかる文章がひとつか2つは含まれているものです。確実に誤りであると思われる選択肢をまず除外すること。そうすることで正解率は5分の1から3分の1へと上がるのです。

 

まとめ

解ける人にはすんなり解けるのに、苦手な人にはどうにも手強い「国語」という存在。しかし「国語は全ての教科に通じる」と言われるように、国語力は他教科の成績アップにも大きく関係しています。何も机に向かって勉強をすることだけが国語の勉強ではありません。普段から小説や新聞を読んで多くの漢字や慣用句にふれたり、長い文章を読むことに慣れておくのもいいですね。

 

【参考記事】高卒認定試験の過去問の傾向と対策一覧

 

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