中卒から美容師・ネイリスト・メイクアップアーティストを目指そう
美容師、ネイリストなど美容系の仕事につくには、どういう資格や勉強が必要なのでしょうか?学歴は関係あるのしょうか?中卒でも問題ないのでしょうか?ここでは、美容師・ネイリスト・ヘアメイクアーティストの、人気の美容系の仕事に必要な資格や勉強について紹介します。
目次
中卒から美容師になるには
美容師になるには、国家資格である「美容師」資格を取得する必要があります。この資格がないと、カットやカラーを行なうことは出来ません。結論から言うと、中卒からいきなり「美容師」資格試験を受験することはできません。高校卒業後、美容系の専門学校へ進み資格を取る人が多いですが、美容師になるための勉強ができる通信制高校もあります。
高校に進学しなかったり、高校を中退してしまった人であれば、高卒認定資格を取得後、美容系の専門学校に進む、という道もあります。時間はかかりますが、通信教育もあります。
高卒認定試験について詳しくは、こちらの記事(受験資格や受験科目、難易度など高卒認定試験を受ける前に知っておくべきこと)を参考にしてください。
「美容師」資格取得の条件
■受験資格:
美容師養成施設で、次のいずれかの課程を修了した人
(1)昼間課程 2年以上
(2)夜間課程 2年以上
(3)通信課程 3年以上
■スケジュール:
学科は3月と9月、実技は1月と8月の年に二回ずつ実施。
■合格率:
54.7%(平成26年度8月)、88.9%(平成26年度2月)
たいていの人は美容専門学校に在学中の2月に試験を受けるため、合格率は高くなっています。そこで不合格になった場合には翌8月に受けることになります。
■試験内容:
実技
1. 美容の基礎的技術
第1課題:カッティング、第2課題:ワインディング
2. 美容を行う場合の衛生上の取り扱い/用具類の衛生状態及び衛生上の取り扱い
筆記
関係法法規・制度
・衛生管理(公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術)
・美容保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
・美容の物理・化学
・美容理論
中卒からネイリストになるには
ネイリストになるには、特に必須の学歴や資格はなく、中卒でもネイリストとして活動することは出来ます。しかし、次項で紹介する検定に合格していた方がネイルサロンなどに就職の際にアピールしやすく、有利になります。現実的には、現在ネイリストとして活躍している人はネイルの専門学校を卒業し、検定に合格している人がほとんどです。代表的な検定として、「ネイリスト技能検定試験」か「JNAジェルネイル技能検定試験初級」の2種類があります。
「ネイリスト技能検定試験」はネイル全般の技能を問う検定試験です。「JNAジェルネイル技能検定試験初級」は特にジェルネイルの技能を問う検定です。現在ではジェルネイルの利便性が高く人気になっているので、需要の高い資格です。
通信制高校の中には、ネイリストを目指す人のための専門コースを設けているところもあり、高校在学中に資格取得を目指すことも可能です。資格が取れれば、高校卒業後に専門学校に進むことが必須というわけではなくなるので、時間も短縮でき、費用面でも低く抑えられます。
詳しくは、こちらの記事(ヘアメイク・ネイル・美容について学べる通信制高校・サポート校)を参考にしてください。
「ネイリスト技能検定試験」取得の条件
■受験資格:
1級・2級・3級に分かれており、3級は義務教育修了していれば誰でも受験できます(つまり、中卒でも可能)。2級は3級合格者のみ、1級は2級合格者のみ受験できます。
■試験内容:
1級:トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識。
2級: サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する 技術及び知識。
3級:ネイリストベーシックのマスター。ネイルケアに関する基本的な技術及び知識。
■スケジュール:3級 年に4回、2級 年に2回。
■合格率:3級 85.89%、2級 40.00%(2013年秋期までの累計)
「JNAジェルネイル技能検定試験」取得の条件
■受験資格:
上級・中級・初級に分かれており、初級は義務教育修了していれば誰でも受験できます(つまり、中卒でも可能)。中級は初級合格者のみ、上級は中級合格者のみ受験できます。
■試験内容:
上級:ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識と技術の修得。実技試験。
中級:ネイルケアとジェルネイルを施術するためにプロとしてサロンワークに必要な専門知識と技術の修得。実技および筆記試験。
初級:ネイルケアのベーシックマスターとジェルネイルを施術するために必要な基礎的知識と技術の修得。実技および筆記試験(ネイルに関する基礎知識 衛生と消毒、爪の構造(皮膚科学)、爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)、ネイルケアの手順など)
※「ネイリスト3級以上」合格者であれば、技術課題の一部を免除される。
中卒からメイクアップアーティストになるには
メイクアップアーティストになるには、特に資格や学歴は必要ありません。基本的には美容専門学校から美容院かヘアメイク事務所に就職するというパターンがほとんどです。そこで何年か修行を積んだ後、独立する人もいます。
他の美容系の職業同様に、資格があった方が応募の際にアピールしやすく、有利になるようです。現実的には、美容系の専門学校を出ている人がほとんどなので留意しておいたほうが良いでしょう。美容院に就職するのであれば「美容師」の資格が必要になります。それ以外にメイクの代表的な民間資格として「日本メイクアップ技能検定」があります。
「日本メイクアップ技術検定」取得の条件
■受験資格:
1級・2級・3級に分かれており、3級は誰でも受験できます(つまり、中卒でも可能)。2級は3級合格者または2級3級同日受験者のみ、1級は2級合格者のみ受験できます。
■試験内容:
1級:モデルの悩みや要望を正しく聴き、ご希望のイメージメイクを仕上げていくメイク接客試験。
2級:いくつかの指定項目をクリアしたフルメイクアップのテクニックを審査する実技試験。
3級:スキンケアからベースメイクアップまでの基本テクニックを審査する実技試験。
まとめ
美容師やネイリストなど、美容系の仕事につくためには資格や条件が理解できたのではないでしょうか。美容業界全体としては、まだまだ働くにあたっての待遇は良いとは言えないということは念頭に置いた上で、できる限り自分のやりたい仕事ができるようにキャリアを歩んでいきたいですね。
特にネイルやメイクでは実力やセンスがものをいう世界で、資格さえ取れば就職したり稼げるということに直結するわけではありません。それでも独立して成功する人もいたりと、ピンからキリまでです。その中でも美容師は国家資格なので、どこへ行っても通用するというのは間違いないみたいです。