神奈川県の「インクルーシブ教育実践推進校」とは?

神奈川県にはさまざまな特色を持つ公立高校があります。その中の一つが「インクルーシブ教育実践推進校」。インクルーシブ教育実践推進校とは、知的障がいのあるなしにかかわらず、全ての生徒が共に学習し、相互に理解を深める教育に取り組む高校のことです。このページでは、インクルーシブ教育実践推進校のしくみについて紹介します。

神奈川県の「インクルーシブ教育実践推進校」とは?

神奈川県のインクルーシブ教育実践推進校の仕組み

2000年度以降、さまざまな高校教育改革を行なっている神奈川県。そのうちのひとつが「インクルーシブ教育実践推進校」の設置です。インクルーシブ教育実践推進校とは、“誰もが大切にされ、いきいきと暮らせる「共生社会」をめざして、知的障がいのある生徒が高校で学ぶ機会をひろげながら、みんなで一緒に過ごすなかで、お互いのことをわかりあって成長していくことを目標にしている高校”のことです(神奈川県ホームページより)。

茅ケ崎高等学校、足柄高等学校、厚木西高等学校の3校がパイロット校として指定され、その後の県立高校改革実施計画2期に伴い新たに11校が追加。2020年度からは14校となっています。

1クラスの人数は40人程度。一斉授業では、ティーム・ティーチングを取り入れ、授業内で個別の支援を実施。一人ひとりに個別教育計画をたて、授業だけでなく学校生活全般にわたってきめ細やかなサポートを行っています。学校行事にはクラスの一員として参加し、生徒会活動や、部活動など、さまざまな活動に取り組むこともできますよ。

【募集対象について】

  • 知的障がいがある
  • 学級集団での学習及び⽣活が可能
  • 学校⽣活において、原則として常時の医療的な配慮を必要としない
  • 公共交通機関等を利用して、⾃⼒での通学や校外における学習活動への参加が可能
  • 志願先のインクルーシブ教育実践推進校が実施する中高連携事業(学校説明会、授業⾒学会、学校⾏事等⾒学会)などへの参加をとおして、高校での学習や⽣活について理解し、入学の意欲がある
  • 入学後、将来の⾃⽴に向けて、学校⽣活に積極的に取り組む意欲がある
  • 上記全てを満たす生徒が特別募集の対象となります。

【入試選考について】

入学選抜は面接のみ。中学校の調査書の評定や在籍学級、療育手帳等の判定による知的障がいの程度などは選抜資料となりません。

神奈川県のインクルーシブ教育実践推進校一覧

城郷高校

1987年1月1日に開校。2020年度にインクルーシブ教育実践推進校に指定。通学路には四季折々の花が咲き、緑に囲まれた学校です。基礎学力を重視しながら、個々の個性を伸ばす教育に注力しています。1・2学年では基礎学力の向上を図り、3学年では生徒の将来の希望や進路に応じて多様な選択科目を設置しています。

■学校所在地:神奈川県横浜市神奈川区三枚町364-1
■最寄り駅:横浜市営地下鉄「片倉町」駅より徒歩10分

霧が丘高校

1975年開校。2020年度にインクルーシブ教育実践推進校に指定。生徒数1000名を超えるマンモス校で、多様な人と関わる力が自然と育まれます。校舎やグラウンドも広く、教員の配置数も多いため手厚いサポートを受けられます。すべての生徒が対等なインクルーシブな学校を目指す取り組みを行っています。

■学校所在地:神奈川県横浜市緑区霧が丘6-16-1
■最寄り駅:JR「十日市場」駅よりバス約10分、「霧が丘高校前」下車徒歩2分。

上矢部高校

1983年開校。2018年度にインクルーシブ教育実践推進校に指定。普通科と美術科が併置されているのが特徴で、2年の必修選択科目で美術を学ぶこともできます。特別募集枠の生徒は、円滑に社会とかかわることができるよう、社会生活で必要な力を高める科目を3年間通して学習します。

■学校所在地:神奈川県横浜市戸塚区上矢部町3230
■最寄り駅:市営地下鉄「踊場」駅より徒歩20分

川崎北高校

1974年開校。2020年4月よりインクルーシブ教育を開始。主体的・対話的で深い学びを実現するための授業改善に取り組み、全教科で授業のユニバーサルデザイン化を目指しています。県立屈指の野球部強豪校としても有名です。

■学校所在地:神奈川県川崎市宮前区有馬3-22-1
■最寄り駅:東急田園都市線「鷺沼」駅より徒歩18分

津久井浜高校

1976年開校。2020年度よりインクルーシブ教育の特別募集を開始。廊下の案内板や教室の掲示物のレイアウト、教職員のネームタグストラップの色分けなど、「見てすぐにわかる」人にやさしい工夫が校内のあちこちに散りばめられています。駅から徒歩4分、海まで徒歩11分という立地も魅力的ですね。

■学校所在地:神奈川県横須賀市津久井4-4-1
■最寄り駅:京急久里浜線「津久井浜」駅より徒歩4分

湘南台高校

1985年開校。2020年度からインクルーシブ教育実践推進校に指定されています。誰が見てもわかりやすいように校内案内板を設置する・連絡事項は口頭+視覚的に伝える・授業に集中しやすいよう黒板のまわりの掲示物をなくすなど、さまざまな取り組みを行っています。

■学校所在地:神奈川県藤沢市円行1986
■最寄り駅:小田急江ノ島線・相鉄いずみ野線・横浜市営地下鉄「湘南台」駅より徒歩8分

茅ケ崎高校

1948年に茅ヶ崎市立茅ヶ崎高等学校として開校。学校行事もさかんで、南足柄市の大雄山から学校までの40キロメートルを一晩かけて歩き通す「ナイトハイク」が恒例となっています。

■学校所在地:神奈川県茅ヶ崎市本村3-4-1
■最寄り駅:JR東海道線「茅ヶ崎駅」より徒歩20分

上鶴間高校

1976年開校。ICT 利活用授業研究推進校にも指定されており、スマホやタブレットを活用した学習を展開しています。「個性を尊重し、相互理解を深め、地域とともにある学校」を目標に、インクルーシブ教育に取り組んでいます。

■学校所在地:神奈川県相模原市南区上鶴間本町9-31-1
■最寄り駅:小田急江ノ島線「東林間」駅より徒歩23分

橋本高校

1978年開校。海外の高校と姉妹校交流を行ったり、中国や韓国の高校生交流団の受け入れ、ドイツやロシア、フランス、アメリカからの留学生の受け入れを行うなど、国際交流に力を入れています。男子は剣道、女子は居合道を3年間学ぶ武道教育を行うなど、独自の教育を実施しています。

■学校所在地:神奈川県相模原市緑区橋本8-8-1
■最寄り駅:JR「橋本」駅より徒歩5分

厚木西高校

1984年開校。「厚木西高校におけるすべての教育活動をユニバーサルデザイン化する」を学校目標としており、「わかりやすい目標の提示と振り返り」「生徒が主体的に参加できる授業」「基礎・基本から発展的な内容まで網羅した丁寧な教材づくり」等に取り組んでいます。

■学校所在地:神奈川県厚木市森の里青山12-1
■最寄り駅:小田急線「愛甲石田」駅よりバス15分、徒歩5分

伊勢原高校

1928年に私立伊勢原実科女学校として開校。平成30年度に創立90周年を迎えた歴史ある高校です。「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げ、“多様性を受け入れた上で包括的に包み込み、同じ環境でともにいきていくこと”を教育のベースとしています。

■学校所在地:神奈川県伊勢原市田中1008-3
■最寄り駅:小田急線「伊勢原」駅より徒歩14分

足柄高校

1977年開校。インクルーシブ教育実践推進パイロット校として、2017年度からインクルーシブ教育に力を入れており、「ともに今を生きる」を教育の軸としています。さまざまな個性を持った生徒と学校生活を送ることで、多様な人の在り方を学びながら、あらゆる変化に柔軟に対応できる人の心を育てます。

■学校所在地:神奈川県南足柄市怒田860
■最寄り駅:伊豆箱根鉄道「大雄山」駅より徒歩15分

綾瀬高校

1977年開校。「すべての生徒に学ぶ楽しさと喜びを」を教育目標とし、「学習環境のユニバーサルデザイン化」を推進。ICTの利用や授業に集中できる教室づくり、全ての漢字にふりがなをつけるなどの取り組みを行っています。

■学校所在地:神奈川県綾瀬市寺尾南1-4-1
■最寄り駅:相鉄線「さがみ野」駅よりバス10分、徒歩1分

二宮高校

1978年開校。教育方針は「気力・体力・学力の調和的充実と明るい豊かな人間性の育成を期する」。2020年度からインクルーシブ教育実践推進校に指定され、共生社会の実現をめざす「インクルーシブな学校」づくりに学校全体で取り組んでいます。

■学校所在地:神奈川県中郡二宮町一色1363
■最寄り駅:JR「東海道線二宮」駅より徒歩25分

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